2023年01月

昨夕方、ペシャワール警察署敷地内にあるモスクで礼拝時に起こった自爆テロ、自爆テロ犯は最前列にいたという。自爆テロから24時間、時間と共に死者が100人近くと増え続け負傷者も221人と伝えられている。画像で見れば、数百人は礼拝が出来そうな大きなモスクが木っ端微塵に吹き飛んで凄まじい。爆発の規模から爆薬は10~12kgだろうとのことだが、警察敷地内のモスクだったので誰でもが気軽に入って礼拝が出来るというものでもなかったらしい。TTPパキスタン・タリバーン運動の関係者と称する2名が「TTP戦闘員殺害に対する復讐」と主張する声明を自爆テロ後に出したというが、TTPの報道官は関与を否定。「組織としてはモスクなどの神聖な場所への攻撃はは違法としている」と説明。だから実行犯たちはTTPの活動に準じるか同調している輩で、肉親を殺害されたものか?であれば、その報復をと思ったのであろうな。復讐こそがパシュトーン人の「正義」とも言える。このあたり価値観の異なる正義を持つ人々(民族・国民)とは、どこまで行っても平行線となる。

ロシアとウクライナの戦争にしても、ロシア人の側から見れば「ロシア側が何もしなければ、どんどん包囲・圧迫されてロシアが衰退して行く自衛のための戦争」ということになろうか。ロシア外交に10年以上関わって来たという元外務省の人も書いていたが、プーチンにから見れば他に選択肢がなかったという理由だとか。ウクライナにはウクライナの正義がありロシアにはロシアの事情と正義がある。何処まで行ってもおそらく両国は平行線であろう・・が、欧米諸国によるウクライナへの武器供与は戦争を終結させるのではなく、拡大させる「因」となるとしかオバハンには想えないのだが。

昨夜も賑やかに春雷、長々と尾をひいて走る稲妻、そして土砂降りの雨・・朝は冷え込み吐く息は白かったが、それでも確実に春の気配だ。大昔、日本にいた頃は2月初め「立春」がやって来て「奈良のお水取り」と聞くだけで心が和んだというか、あぁこれで冬が終わるのだ・・と凄く嬉しかった記憶がある。実際にはまだ2ヶ月以上は寒くて3月末まで、時には4月に入っても降雪を見ることはあったのに。今冬の日本は厳しい寒さだが、アフガンの寒さも例年以上に厳しく凍死者が随分出ている。首都カブールの標高は1800m、それだけで平地より10℃は気温が低い。数日前からの報道では北部地方はー27℃にもなり既に7万頭の家畜が凍死(充分な餌がないことも一因なのだろう)そして157人が凍死と。報道から5日、さら厳しい冷え込みが続いていることからも死者は増えていることだろう。凍死した人々、充分な食べ物があれば死ななくても良かったかも・・などと考えると実に痛ましい。

さてさて岸田首相のご長男サマ、欧米5ヶ国歴訪の随行に関して、ありとあらゆるメディアで随分な叩かれようではないの。首相は首相秘書官起用に際し「総合的に判断、適している」とお答えになったそうだが・・以来、ずっと注目されているが賞賛に関する報道は今のところないな。秘書官として正式に起用され給与も出ているなら出来て当然だからということだな。とにかく目立てば注目されるのは当然だ、一挙手一投足、何をするにも人の何倍もの注意が必要だったろうに・・そんなことには気が回らないノーテンキぶりなのかね? 気が回らないということ自体が信じられないよ・・

NATO加盟国がドイツに圧力をかけ、欧米から供与することになった戦車は321両とニュースにある。ウクライナの大統領は「充分なミサイルがあれば、ロシアのテロを止めることが出来る」と言って、戦車の他にミサイルをも望んでいると伝えられている。戦争を長期化させないために、より攻撃的な兵器を使って終結させたい・・ということだろうが、使用する兵器が大きくなれば戦争が止まるとも想えない。単に戦局が大きくなるだけで諸々被害が増すだけだとは想わないのか・・
そもそもロシアとウクライナが、停戦をするように話を持って行こうとする国がないのはどういうわけ?? 欧米を中心とした国々、戦争が長引くのを望んでいるとしか想えない一面がある。長引いて儲かる国は何処なのか??? 停戦の可能性は今のところ見出せない、それこそ日本がその役割に名乗りを上げれば大したものだと思うが、アメリカ様のご意向に添って存在している日本政府では・・
核が使われない前に日本が勇気を出して・・いやいや・・悲しいが無理だな・・

日々、最低でも昼・夜の2回はカレーを食べる、パキスタンの食卓に必須のタマネギが5倍に高騰。首都ではなんとか手に入る主食のアタも、車で僅か30分離れた隣町の(パンジャブ州に属す)ラワルピンディでは手に入らず、通いのガードマンのオジサン宅では子どもたちが夕食を摂れなかったと。燃料も昨日から20%くらい値上がりだ。政府が「値上げします!」と通達10分後からの値上げだもの・・値上げの噂でガソリンスタンドは数日前から既に売り惜しみをしていたし、買いだめの出来た人がどれだけあったかしら。



「食料も燃料もなく、暗黒の50年前に戻ったパキスタン」なる論調が国内で出始めたとか。50年前の1971年末の12月はパキスタンが第三次印パ戦争に負け、東パキスタンと呼ばれていたパキスタンの半分がバングラデシュとして独立した年だ。50年前の敗戦パキスタンには食料も燃料も無かった暗黒の時代だった・・と言うのを、いまの停電と諸物価高騰・品薄に当てはめているらしい。確かに日に何度もの停電、発電機用の燃料も長時間並ばないと購入できず、食料品も軒並み3倍では「暗黒の50年前」と言いたくなるのも確かだと書いていたら、またまた停電だ。仕方がないので読書に切り替えるが・・考えてみたら憂いもなく読書に浸ることが出来る表面上は平和なパキスタンと言える現在。テロが国内で頻発し、国境線上では毎日のように武装勢力との戦闘などで兵士や警察官が死亡しても、今のところオバハン自身に差し迫った危険はない。またインドと戦争しているわけではないから何処からも「弾」は飛んで来ない、心から感謝しつつ暮らさなくっちゃ・・な。

さてさて岸田内閣の支持率は先月よりさらに3%も下がり28%。政権維持の棄権水域30%を切ったが、日本政府としてはウクライナ支持を当初から固め、アメリカとの連携一本やりだ。過日の訪米でも岸田首相は日本の防衛戦略見直し、防衛費倍増などという大きなお土産を引っさげて軍産複合体企業の手先バイデンに会っている。ロシアとウクライナの戦争で儲けるのはアメリカだけだ・・

ドイツの首相は「アメリカが供与をするなら自分たちも供与する」と言っていたとか。その意味は自分たちドイツには決められないからアメリカが決めてくれ・・という意味だと。そして、ここに来てカナダも戦車を供与すると発表したから、各国、右へ倣えで戦車供与、他諸々供与の国は増えるのだろう。たかが戦車の4台や数台で戦局が変わるほどの効果が出るのかと想うのだが、出るらしい。アフガンで過ごした1990年代末から2007年までの7-8年間、アメリカやNATO軍、そしてロシアが置き土産として行ったたくさんの戦車を見た。あの鈍重に見える図体が猛スピードで走るさまは実に恐ろしい。キャタピラー走行でも時速90kmを出せる戦車があるし、攻撃力抜群と言われる戦車なら時速40kmで走りながら距離3000mの動く目標に対して初弾名中立95%。さらに1分以内に6目標を追尾攻撃することが可能とか・・このドイツが躊躇した戦車投入でロシアとウクライナの戦局が変わり戦争終結にたどり着ければ良いが、人的被害ばかりが増え続けそうな気がして恐ろしい。長引けば長引くほどウクライナ・ロシアの人々が生きて行くのが難しくなるのは自明だし、世界中に及ぼす食料や燃料への影響も甚大になるばかりだ・・
戦争によらずとも食料や燃料不足は起こる、大洪水・旱魃、蝗などの害。遠いところの戦争からも影響を受けているパキスタンは食料・燃料不足に呻吟してる。きょうも停電だ・・大自然が相手のある程度の太刀打ちでは打ち勝つことが出来ない自然災害ではない「戦争」なるもの・・このまま続けば日本もさらなる影響を受ける。日本がアメリカの思惑に乗せられ突っ走ることが無いようにと祈るわ。


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