2022年12月

2日前にシンガポールへ移動して来た。大晦日の花火を見たら再びマレーシアへ戻って日本食材の買い物をしてイスラマバードへ戻るのだが、いまイスラマバードの治安は最悪??だというではないの。数日前に市内であった自爆テロの前日には、アメリカ人が狙われているからマリオット・ホテルなどへは近づくなとの警告。またサウジアラビア大使館も不急不要の外出を控えよとの自国民に対する警告。イスラマバード市内在住者は外国人であっても身分証明書を常時携帯せよなど等と、厳しいお達しが出ているとニュースにはある。

常夏の国でギックリ腰を庇いながら子どもたちとノンビリ過ごしている。いま窓の外に広がる
シンガポールの発展ぶりを見つつ、日本の凋落ぶり?を改めて考えている。40年くらい前に、日本で盛んに言われた「一億総中流」はなんだったのかと。いま日本のGNI国民一人当たりの総所得は世界20位くらいか? シンガポールのGNIは日本の倍までは行かないにしても5割増しには近い。その分、物価も高いが国民の暮らしはスッキリして見え、国全体の貧困率は低い。マレーシアのGNIは日本の3分の1くらいだが物価は安いし、何よりも人口に対して国土が豊に見える。鉱物資源に恵まれている上に見渡す限りのパームヤシ林、ココナツ林、バナナ、ゴムの林。さらに平原を切り拓き植林を続けている。この先、さらに人口が増えることから当面は発展し続けていく余地は大だ。。表層的な見方にせよ、日本の凋落というか後退というか進歩の無さは酷いように見受けられる。今の日本オバハンが知っていた頃の「一億総中流」と言われ、浮かれていた頃の日本と大違いになっている(いく)のを通感、淋しいものがある。

アフガニスタン、女性の大学教育の停止に続き、国際機関や国際NGOで働く女性の勤務も禁止にした。ユニセフの言う「女性の権利に対する甚だしい後退」だ。アフガン国内の現状を知っているものからすれば、国際的な人道支援団体が(仮に支援金の半分を団体の維持費に使っているとしても)現地に落ちる支援金はアフガンの経済水準から見れば、子どもたちの健康や栄養など等には役立っている筈だ。タリバーン政権の新たな方針に対して大手のNGOなどが非難の共同声明を発表しているが、「アフガンの国内問題に干渉すべきではない。アフガンで活動するならアフガンの法規制に従え」と強気だ。が、アフガンは・・何ゆえ、ここまで強気になれるのかな??聖クルアーンに忠実な爺サマが何人かいるのだろうな・・国のためには大変不幸なことだ。アフガンの女性たちは平均して5人以上の子どもを産むが、過酷な条件下で健康に育てることは難しい。
毎日のように静かな海辺やプールサイドで飛び跳ね遊ぶ、元気イッパイな子どもたちを連れたフランス人家族。フランスも日本と同様1993年には出生率が最低値を記録したが、その後さまざまな国策を講じ、子育ては親の義務から社会の責任として定着。フランス政府は国内総生産(GDP)比において日本の2倍近く、児童手当や育休制度、育児支援に公費を注いでいるという。賑やかなフランス人家族の子どもたち数人を見ていて納得できるものがある。日本(政府)はどれだけ真剣に人口問題につき考えているのだろうかと想わざるを得ない。

きょうまた秋葉復興相が交代と発表された・・4人目か・・ついで杉田総務政務官も更迭とか。日本政府というか岸田首相には人を見る目が欠如かね・・なんて柔な表現を逸脱しているな。

イスラーム教国の国民で無い日本人から見れば・・イスラーム首長国・アフガニスタンの今年に入ってからの方向性には疑問を感じることが多くなった。が、タリバーン政権にとっては不思議でも何でもないらしく、ついに1昨日は女性の高等教育(大学)の禁止が決まった。女性には最低限の読み書きが出来れば良いとばかりに、小学校5年生までの教育のみと決定。春ごろまでは、まだ高等女子教育のための準備が整っていないから・・という理由付けであったのに。イスラーム教の盟主サウジアラビアの、ここ数年の開明的な方向性・国際的な価値観に準じ、アフガンも追随して僅かずつでも開明的になっていくのかと想えば、ここに来て女性の暮らしに関しては逆行して行くようにしか見えない。若い開明的なタリバーン執行部の連中は何処へ行ってしまったのか??
マレーシア人口の61%はイスラーム教徒であり、他は仏教徒、キリスト教徒、ヒンドゥー教徒が数%と基礎データにはある。同じイスラーム国でも当地のイスラーム教徒女性はベールを被り身体の線が見えない服装で女性同士バイクに2人乗り、明るく出勤して行くのを見かけることも多いし、男性にたち混じって伸び伸びと働いている。女性が教育を受け、外でも働けることによって生活は激変する筈・・と、道路わきの民家や所有している車などを見ながらついつい考えてしまうオバハンだ。マレーシアのGNI(国民一人当りの総所得)は1万3000$くらいで日本の約3分の1くらいか。だがマレーシアの食料事情・物価から考えれば、マレーシアにはさほどの貧しさが感じられない。対してアフガンのGNIは確か500$少しで世界213カ国内で205位だったような記憶がある。イスラーム教徒の女性たちが働き手となることで収入が増え、より良い教育を受けられるようになり、生活差が出て来ることを如実に感じられると想いながら街や人々を眺めている。

明日から26日頃にかけて日本海側を中心に再び大雪の予報中、オバハンは暢気に3日前の月曜日夕方からマレーシアのランカウィ島に来ている。高期高齢者になりだんだん身体の自由が利き難くなっていく中、この先は子どもたちとの一緒の旅行もままならぬだろう・・という家族のたいへん有り難いリクエストに応じ、4年ぶりにマレーシア・シンガポール2週間の旅。この旅、早々に判明したことは・・家に居たらキッチンと部屋の往復10数回、賄いと屋上での日光浴以外ではベッドに転がり読書三昧という怠惰な暮らしなので、猫背の回復に至らなかったという現実。旅行中は子どもたちが荷物を運んでくれるとは言え、嫌でも動くので背中が丸まっている状態を続けられない・・車椅子に乗るにはまだまだほど遠い、必要ならばお世話になるのはやぶさかでは無いが・・見栄もあるので車椅子は避けたいと家を出るときは内心一抹の危惧が無きにしもあらずだったが。
そしてランカウィ島、マレーシア北西部の(昔から憧れていた)アンダマン海にある島。そうか・・この島の沖の海などでは海賊が出る(た)のか・・等、昔読んだ小説などを想いうかべながらシミジミと周囲を眺めている。島自体は淡路島の3分の2くらいで住民も10万人足らずと多くはないみたいだが、1978年に自由貿易地帯に指定されたため、島内で売られている商品には関税などが一切かからないと。マレーシア政府主導で第二のペナン島を目指して観光開発が進み、アジア各国・ヨーロッパからの観光客も多い一大リゾート地だと言うが、コロナの影響もあってか、特に中級ホテルなどは閉まっているところも多い。オバハンが泊まっている高級ホテルも(暇にまかせて表・裏から見てまわったが、稼働率20%)といったところか。元が商売人かつ貧乏性なオバハンなので、こうしたところがついつい気になってしまうのだ。そしてこの高級ホテル、どこもかしこも広くて素晴らしいのだが、そこはかとなく魚臭い、そして三食、魚三昧のオバハンの身体からも魚臭さが臭いたつ・・

今夏のパキスタン大洪水、イギリスの全国土と同じだけの面積が冠水し、未だに水に浸かったままの地域もシンド州にはある。シンド州も今月12月半ばからの1ヵ月間だけは寒さで「蚊」の働きが鈍くなるが、アッという間に再び気温が上がり出しマラリアやデング熱が蔓延する。熱が出てもデング出血になっても病院や診療所へ行ける者は半数もなかろう・・デング出血熱などは3年も続くことがあり後遺症で息子も苦しんだ。年明けにはなんとしても蚊帳を被災地へ届けたいものだ。

東日本大震災後からは「復興特別所得税」なるものが実施されている。復興に必要な財源の確保のための税金というコンセプトは分る。大震災直後から納めることになった税金は所得税の2%と少額ではあるが25年間もの長きに渡り、かつ廃止されることは無さそうだとも言われている・・先般から日本で議論になっている(なりつつあるのは)、この復興税が防衛増税として転用されるのではないかということだ。
パキスタンもここに来て「洪水税」なるものを起草?とか。パキスタン政府は今年度会計中(2023年の6月まで)に1%の洪水税で350億、2%なら700億ルピーの税収が見込めると試算し(日本円にして200~400億円)を輸入品税から吸い上げようと検討している。すでに不要な輸入を削減する大統領令が制定されているが、洪水税も大統領令と同じように実施されそうだ。日本の復興税と同じく、パキスタンの洪水税など諸々税が目的どおりに使用されるのであれば問題は無い。が、パキスタンでは素直に、そうならないことが大問題だ。




 

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