2022年06月

イムラーン前首相が「経済を安定させるためにIMFからの提供による20億ドルよりも、元首相のザルダリ(ブット首相の夫)やナワーズ(現首相シャバーズの兄)がこの30年間に(賄賂など等で)蓄えた数十億ドルを国に持ち帰る(返還する)ことだ」と言うのも一面、正しい。数十億ドルが仮にあれば電力・燃料問題なども解決され、工場は稼動し経済が廻ると言いたいのだろう。ザルダリやナワーズは海外へ資産を隠し、その金額は日本円にして7000億円超えとも言われている。7000億円はパキスタンの国家予算の約10%にあたるから中々のものだ。しかしナワーズ前首相の弟シャバーズが首相になったことで、追及者(機関)には強圧がかかり、パナマ文書による資産隠しの実態は明らかであったもののチャラになった。パキスタンらしいと言えばこれほどパキスタンらしいこともない。そして・・イムラーン前首相は汚職撲滅を政策の1つに掲げ「正義党」を組織したのだが、イムラーン自身は賄賂を受け取らなかったとは言え、4年程前に結婚した3番目の妻がイムラーンに代わって??莫大な賄賂を受け取り、陳情者たちに便宜をはかっていたと1ヶ月ほど前に報道されていたから、パキスタンの国家指導者は皆おなじ道を歩むということになる。利益優先のパキスタン人金持ちたちが、寄ってたかって国家指導者を腐らせるという典型だ。パキスタンは腐敗指数国別ランキング180ヵ国中140位。

きょうも40℃超え、当地は1時間おきの停電となっている。

湿度が増えて空気に重さを感じるようになって来た、いよいよモンスーン(雨季)に入るようだ。昨夏のモンスーンは例年より1ヶ月も遅い7月末からだったが、今年は1週間前にハシリのモンスーンもあり早いと言える。モンスーンに入れば気温は40℃を超えることはなくなるが、一気に蒸し暑くなる。実に我儘・勝手な話だが、40℃超えも蒸し暑いのも嬉しくはない。日本も6月としては異常な暑さ、「電力需給ひっ迫」とやらで電気の使用を控える??ように等のお願いが出ているとか。電力受給ひっ迫注意報とやらを出しつつ、「熱中症に注意しながら節電してくれ」というところが細やかな心遣いの日本と言えるかも。節電の取り組みに参加する家庭には2000円相当のポイントも支給して頂けるとか、日本政府・岸田総理サマ、万歳!!まぁ2000円といえどもバカには出来ない、2000円あれば本が1冊買えるものな。
当地も先週に比べて暑くなった分、電力の供給が追いつかないのか停電する回数が増え、蓄電式の小型扇風機に蓄電が間に合わない。28℃でエアコンを付け続ける方が電力を消費しないのか、小まめに消すほうが電力消費につながるのか・・なかなか難しいところだ。

さてさて、パキスタンの首相シャバーズは14ヶ月で金融危機から脱却させ国の経済を安定に向けて導くことを誓うと、きょうのニュースにはあり「究極の目標は自立」だという。当地での外貨換金率は昨夏に比べて30%も下がっている。日本でも円の価値が同じくらい下がっているのではないだろうか。言うは易し行うは難たし、経済を立て直す掛け声はどこの国の首脳にとっても容易いことではないが・・パキスタンの良く解らないところは、余裕のある人が増え有るところには有るという現象だな。


日本では6月にしては猛暑日が続いていると。当地でも室温が10日ぶりに30℃を超えたのでエアコンを付けた。昨夜も汗ばんで寝苦しく夜中にエアコンを1時間だけ付けたが、付けると寒いしサジ加減が中々むずかしい。もう20年近くも前になるか・・停電に備え、羽の直径が20cmばかりの小さな蓄電式の扇風機を2500円ほどで買った。天井からの扇風機では緩々廻しても風力が強すぎ、かつ音が重くて圧迫感があるのだが、この小さな蓄電式の扇風機は音も静かで値段に見合わぬ「重宝な優れモノ」だと感心する。広い家の中には子どもたちが山のように物品を積み上げている、それらを見渡し値段に見合わぬ優れモノを数え上げようとしたが中々、無いものだ。
そもそもオバハン自身はモノを持たない(万が一、戦争などの緊急事態になってパキスタンから脱出しなければならないような事態になったら、何も持たずに日本へ行くと決めているから)普段から食べるもの以外は買わない。モノを買わないということでは、若いときからオシャレには興味が無く、服飾・化粧品の類も買ったことがない。服は裸で無ければよい・・と言うコンセプトから一歩も出ず、大概が誰かからのオサガリだし、車も走れてブレーキがちゃんとかかれば良いという考えだ。そんな暮らしの中でお金を惜しむことなくかけたのは「本代」だけのような気がする。今も年間20数万円は本題に費やしている、昔のようにせっせと日本から本を運んで来ずとも、タブレットでkindle版を買えば良いのだから、なんというラクチンなことか。おまけに気に入った本は何度でも読み返しが出来る、これも値段に見合わぬ値打ちものと言えるな。

日本はきょうも暑いようだ、東京では6月としては観測史上1位の暑さというではないの。この分では梅雨明けともなればさらに暑さが厳しいのかな? だがイスラマバードは昨日に続き40℃に僅か届かずまぁまぁの暑さ。もっとも週明けには40℃超えとの予報だが4月の暑かった時に比べ、今は身体が暑さなれしているのでエアコン無しでも暑いという感じはない。パキスタンのように夏の4ヶ月は「熱い」と覚悟をしていれば、それなりの心構えも出来る。
思い返せばパキスタンへ来て10年近くはエアコンのない扇風機だけの暮らしだった。死にそうに「熱い夜」は濡らしたシーツを被って寝ることもあり、夜中にそのシーツが乾いてしまってもう一度、濡らしてから寝るなどという暮らしぶりだった。家に車はあったが洗濯機も無く、電化製品と呼べる贅沢なモノも無かった気がする。そして無いなら無いで工夫をして生きる毎日だった。
それにしても日本は年々、暑くなっているようだ。多くの日本人には「暑さ」など正味1ヶ月ばかりだという思いがあるかもしれない。だが暑さを侮れば体力を消耗する、特にオバハンたちのような後期高齢者は。暑さで南極などでは氷河が溶け地球全体で海面の上昇も伝えられている、先の無いオバハンたちはいいが・・孫の世代に地球はどうなっているのだろうか? 東南海地震は?などと案じるのは、年寄りの取り越し苦労なのだろうな。


日本全国で猛暑日だという、中には栃木や群馬など内陸部で40℃になった地域もあり6月の暑さとしては記録更新とか。湿度が多い日本では適わんだろうなぁ、慣れない暑さに熱中症になる人も出るだろう。当地イスラマバードも、きょうは久しぶりに38℃になった。38℃などは6月としては低い気温なので朝の早いうちに「力仕事」を済ませ、昼間は久々に寝て過ごした。この1週間はカラコルム・ヒマラヤへ出発する登山隊の準備に掛かりっきりで心身ともに落ち着かなかったが、ようやく2隊が出発した。で、今朝は次の登山隊の準備として倉庫から登山で使うロープを1000mばかり引っ張り出し、使いやすいようにと手入れ等をしたら・・ふだん使っていない筋肉なので腕と肩に負担が来たみたい。たまにはこういう普段つかわない筋肉を使う作業も大切だな、気持ちよく昼寝がグッスリ出来たもの。

さて、今朝は気になる新聞の論説を見た。パキスタン政府が中国への多額の借款が負担できず、パキスタンの北部GB(ギルギット・バルティスターン州)を、かっての香港のように中国へ割譲しようと目論んでいるとかで、住民の反対運動が起こっていると。そう言えば1ヶ月前に来た元亭主の弟が、反対運動の署名を集め、10年生修了以上(物事を見極められる識字層の)男性3万人の署名が集まったとか言ってたのを思い出した。
既にパキスタン政府は、カシミールの一部とみなされていたGB州の最北端、かつカラコルム山脈の最北端のシャクスガム渓谷(約7000平方キロメーター)を1963年、初代ブット首相の時代に中国へ売り渡している。現在、シャクスガム渓谷は新疆ウイグル自治区との国境になっているが、50年以上もの大昔、探検物語に嵌っていたオバハンにとっては忘れられない地域名の一つだけに、今後が気にかかる。


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