2022年02月

愛犬を失くしてどん底気分のオバハン、しかしこの1週間は自分を見直す時間でもあった。今までは悲しくともなぜ泣けなかったのか、今はなぜ泣けるのか・・早い話が後期高齢者になった今、目の前に何が何でも片付けなければならない仕事、絶対に手抜きの出来ない仕事が無い。「たったそれだけ」だ。昨夜の悪夢、この治安の悪いパキスタンで「人の命を預かる仕事」に40年近く携わり神経を使って来た。そのせいか悪夢は大概お客様の安全・満足に関わることか、数年前の修士論文が思うように書けなかった時のことだ。泣いていられるのはある意味、余裕だ。今まで「情の強い女だ」と言われ続け、一匹メス狼と自称し泣くことを拒んで来たが、見方を変えれば自分自身で選んだ生き方とは言え、女一人がパキスタンという異国で孤立無援で生きていくのに必死だっただけだ。今は息子家族と暮らし食べることの心配もなく、泣いていてもご飯は出て来る、掃除も洗濯もしなくて良い・・・その余裕がべそべそ泣いていて良いという贅沢さに通じている。独居老人でペットと暮らしている境遇であれば、さらに喪失感は大きかったことだろう。自分の不注意で愛犬を失った悔悟、涙の日はまだ続きそうだが今朝はハナビちゃんとの距離にフッと間合いが出来た。ああぁ~ハナビちゃんが遠くに行ってしまう、行かないで~~と思って泣いているのだが。
今朝も「ごはんに行こうか」という掛け声にもう一匹の小型犬が反応、今までなら2匹が部屋からキッチンまでの30mを弾丸のようにダッシュしていた。だが競争相手の無くなった今、走りのスピードが落ちた。庭で走り廻るハナビちゃんの弾丸ダッシュ、大型犬のラブラドールも付いては行けなかった。大型犬も従え弾丸ダッシュしていたハナビちゃんはもう居ない・・

アフガニスタンの大学、先般から開校になったが女子学生たちのうち全身を覆うチャドルを被っている学生はチラホラだ。現タリバーン政権は世界を意識している。ロシアはアフガン侵攻で失敗したのに、ウクライナへ侵攻。懲りないようだ。

思い返せば・・後期高齢者の今日まで辛いこと、悲しいことの殆どに歯を食いしばって泣いては来なかったオバハン。28歳の時に逝ったオバハンの最大の理解者であり自由であることを何よりも尊重してくれた、たった一人の肉親とも言える父親が亡くなった時ですら1日しか泣かなかった。「他人のお役に立って一人前。男も女もない、社会の一員としてキチンとやって行けるように」といい続け、強い心に育ててくれた父親。死んでしまいたい、死んだ方がどんなに楽かと思えるほど心が挫け萎えそうになる辛いこと、悲しいことに面した時ですら「神様は耐えられる人にのみ、強くなるための試練を与えて下さっているのだ」と想うことで歯軋りしながら耐えた。今まではペットたちが亡くなっても大概2日も泣けば落ち着いたのに、今回は1週間近くも、まだべそべそ泣き続けている。50年来の友人から「ようやく人並みに普通に泣けるようになったのね」と言われながら。悲しい事柄は人それぞれだと想う、だが、あらためて考えてみると本当に悲しいことって何か?とも考え込んでしまうほど。
事故死したハナビちゃんは生後2ヵ月半という小さな時に家へ来て、大切に大切に育てられた。いつもみんなから声を掛けられ抱っこされ、分かる言葉の数が半端でなく物凄くたくさんで、おまけに手まね一つで意志が通じる賢い子だった。5歳の時に我が家へやって来た保護犬は、子供の時に可愛がられなかっただけではなく虐待もされていたから、ハナビちゃんに比べると反応がすべてに遅く、用心深いというか臆病というか、反応の遅いところをハナビの後をくっ付いて走り廻ることで補っていた面が大きい。人間も犬も育てられ方で賢くもなり鈍くなるものなのかと想っている。

ハナビちゃんが事故死した夕から降り出した静かな涙雨が5日間も続いている。

事故死した小型犬は息子の娘がバンコクのペットショップで一目惚れ、8年前の今ごろ生後2ヵ月半という小ささで飛行機に乗って我が家へやって来た。もう1匹の小型犬は何軒もの家をたらい回しにされ、挙句どこの家でも誰にも懐かず獣医さんから請われて引き取り、我が家に来ても息子に懐くまでには3年もかかったという曰く付きの雄。どこの家でも自分の居場所確保に執着した模様、家中のそこかしこ、あらゆるところにオシッコをかけて廻る性癖が治るのにも3年はかかった問題児の保護犬だ。ただ来た当初から四六時中オバハンの後をついて周り「分離不安症」の犬だと笑っていたが、最近ではオバハンの方が傍に犬たちが居ないと淋しいという関係に陥っていた。後期高齢者になってオバハンの体力が落ち、昔のように大型犬を何匹も飼って遊ぶことが出来なくなったこともあり、ベッドの上で適当に転がって遊んでくれる小型犬たちの存在はオバハンの癒しに大きく貢献していたのが良く分かる。オバハンこそ分離不安症だ。
事故死した小型犬、泣いても帰って来ないと分かっているのに涙が出る、人間の理性とはさほどのものではないな・・自身が歳を取ったせいなのか、ここまで涙もろくなるとは。2歳8ヶ月になろうとしている子に「ちゃんとご飯を食べて、自分もちゃんと食べるから」などと言われてるだらしの無さ。

涙雨・・昨夕からシトシト静かに降る涙雨・・

失くして分かる掌中の珠。学校から子供を連れて帰って来ると、道路際にスタッフたちや通行人たちが居並んでいる。その真ん中に倒れているのはピンク色のフリルのついた服を着た、可愛い我が家の小型犬ではないの!!
賢くて気が強くて甘えん坊で、美人で食いしん坊で、そして誰よりも意地悪だった雌の小型犬。4ヶ月前には大手術をしたが完全治癒、毎日元気いっぱい飛び回り夜は必ず子供たちやオバハンのベッドにもぐり込んで甘えていた大切なペット。オバハンが子供たちの出迎えにと門を出る時、チョッと別のことに気を取られていたばかりに失くしてしまった。何時もは絶対に門から外へは出ない犬たちなのに・・その上、門番のガードもスタッフたち2人もゲートの傍に居たにもかかわらず、車の下にもぐり込んでつられて外へ出てしまったであろうことを見逃したことへの痛恨。何時ものように一緒に乗せて学校へ行けばよかったとどれだけ悔やんで泣いたことか。ペットが亡くなるたびに何時も大泣きをするオバハンだが、今回は自分が他のことに気を取られて見逃したという痛恨事で自分が許せない。生き物を飼っていると必ず別れがあるのを周知している、にもかかわらず今回は自分のミスで見逃したことが心底こたえた。
物心ついた頃からたくさんのペットを見送って来た、常に多頭飼いなのでパキスタンへ来てからも既に15頭は見送った。病気になったペットを看病し続けるのも辛いが、それには心の準備期間とも言えるものが伴う。今回のように交通事故で失くしたのは初めてだ・・2歳8ヶ月になろうとしている幼い子がオバハンを慰めるつもりなのか窓際で「ほら見てたくさん花が咲いたよ」と言われたのにも涙が止まらない。「せっかくハナビちゃん元気になったのにねぇ~」との言葉には責められたように感じられるオバハンの繊細さ、意気地のなさ・・

国際社会の視線を意識するサウジの皇太子が女性への対応を緩和??すれば、それはアフガンのタリバーン政権へも波及する。サウジアラビアの新幹線。3年くらい前だったかにスペインとサウジの合同でメッカとメディナの聖都を結ぶとして453kmが完成。砂で線路が埋まる、また鉄道は走れるのに駅舎がない等々数々の問題で日本でもニュースになったことだろう。そのサウジ新幹線が女性運転手の募集をしたら、30人に対して2万8000人もの応募があったと(新幹線の運転手としては男性80人がおり、さらに50人がただいま訓練中と)サウジでは厳格な性別分離規則を遵守しなければならないため、最近まで教師や医療従事者くらいしか仕事に就けなかった。だが厳格な性別分離規則を遵守するならばというので、最近では海外からの労働者が担っていた仕事に女性が就けるようにもなり、女性の就職率がこの5年で30%増しとか。女性が外で働くためには、車を運転するためにも、その前段階として取り締まり・対応のできる女性警官などの育成がまずは最優先となったサウジだが、サウジが徐々に徐々に女性解放の方向へ向かえばアフガンも続くことだろう。

2日前までのスモモの木、どの枝先もスンナリと細いままで何も付いていなかったのに、あ~ら不思議!一晩で山椒粒くらいの塊りがポツポツと連なっているように見えるではないの。隣家の塀際に植わっているスモモの木4本、枝の半分は我が家へ越境して来てダイニングの大きな窓際に迫っている。暖かくなって来た昨今の昼、夏場なら早朝の屋上で楽しむコーヒーを、きょうは窓際でゆっくり飲む中で見つけた山椒粒のような蕾だ。1週間もすれば可憐な花を咲かせ始めることだろう、嬉しいなぁ~。先日へそ曲がりなスモモの木などとクサしたことを謝らねば。昨夏から今年に入ってもイスラマバードとしては雨が多く気温が低目、2年前は満開が2月20日過ぎだったことを想えば今春の花は遅れ気味。

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