2021年10月

昨日はほぼ終日、通信回線はブツ切れ。TVニュースは見られたのかもしれないがネットには繋がらずTLP関連のニュース詳細には接続できなかった。抗議の大行進は首都の手前100kmくらいで停滞し、TPL(イスラーム原理主義組織)と政府側との話し合いは本日、合意に達したと発表された。もっとも内容の詳細は明らかになっていない。TLP側のコメントは「参加者全員が忍耐力を示した後に合意に達した。これは個人の勝利ではなく、イスラームの勝利」と述べている。何でも良いわ、平和に収まってくれれば。
ということで明日から学校は通常通り。で、オンライン授業で指示されていた「宿題」を片付けねばと、息子の娘13歳が大きな画用紙など等を抱えてオバハンの部屋に飛び込んで来た!なんじゃ!?この宿題は?時間の無駄ではないのか?こんな創造性のない線引きのような模倣を美術としてやらせるのか??決まった通りに出来ないオバハンには思いっきり似つかわしくないというか、不可能に近い「模倣」作業ではないの?こりゃぁ見ているだけで目が回るわ・・ 息子の娘13歳は創造性に飛んでいる、自由に描かせれば明るい色づかいのやさしい絵を描く。だが決まったことを決まったように「作業する」のは苦手らしい。息子に言わせると「〇〇チャンは料理もレシピ通り、書いてあるようにはしたくない」のだそうだ。学校では面倒見が良いなど等で、先生や仲間たちから頼りにされているというが、本人としては「決められたようにはしたくない」とはっきり言うとか。うっわ!オバハンと一緒ではないの!将来が心配だ・・

総選挙のニュースをチラッ見して、モヤモヤしている。

TPL(イスラーム原理主義組織)の数百人が月曜日、ラホール近くの幹線道路で野営を続けた等で混乱が始まり出した。前回は春4月に警官11人を人質にするなどで、逮捕されていた活動家のうち350人は、これ以上の混乱を避けたい政府によって3日前に保釈されたばかりだ。が、以降もデモ隊は首都イスラマバードへ向けて行進中。ラホール・イスラマバード間は(どこを通るか定かではないが)約400kmとして、週末にはデモ隊が首都に到着しそうだ。
そもそもはフランスの風刺画週刊誌に預言者ムハンマッドを再掲載したことが発端、駐フランス大使の国外退去などを迫っていたが、政府が仏国に対して弱腰であることに対する抗議活動も兼ねているのだろう、2年くらい前から反仏デモ・反政府デモが続いている。そして春に続き季節が良くなったせいもあって、またまた活動が激しくなって来た。
常に何が起こるか、どう転んで行くか判らないパキスタン!ということで、スタッフ用の食料2-3週間分を水曜日(死に体を引き起こし)買い込みに出かけたが、道路封鎖のせいもあってか生鮮食料品などは品物が少ない。常に自分たち用にと最低でも2-3か月分の食料は常備だが、野菜は鮮度が命だしなぁ。ついで念のためにと1kmも離れていないガソリンスタンドへ。危機管理の発達しているパキスタン人は多くて、スタンドまでの往復に1時間もかかった・・と息子。翌朝、息子はカラチへの出張、以前、走行中にデモ隊に襲われ窓を全部割られ、ガラスの破片を頭から被った息子は用心深くなっている。空港へは古い方の車で出かける・・というような日常なので、学校は今年に入って何回目かのオンライン授業。デモへの規制もあって通信事情は悪い。

まる1週間、死に体だった。月曜日に奥歯を抜歯。「24時間はアイスクリームかお粥だけにして下さい」と歯医者に言われたが、その日は子供たちの「ナンヤラ記念日」とか。で、お祝いの外食にノコノコくっ付いて行った。何がお粥じゃ!オバハンがこの世で一番嫌いな食べモノではないか!抜歯した方で食べなければヨカロウにと、痛み止めの世話にもならず、皆と一緒にモリモリ普通に食べて問題なし。問題は抜歯から2日目夜に始まった。日本でなら抗生剤の1回服用は250mmgくらいであろうに医者の指示は750mmg。痛み止めは不要だが、この抗生剤の量は問題だ・・と、実は最初から悩んだ。体重がオバハンのちょうど倍ある息子でも多いと想える量ではないか・・悩んだが化膿させるよりは良かろうと5日間服用、その副作用であろうと想われる胃腸の痛みで死に体。抗生剤を止めて2日で胃腸痛は治まったが、次からもっともっと用心しなくっちゃな。

さて2日前のアフガンニュース。タリバーン政権の新たな取り組みとして「労働すれば小麦配給」と。今冬に向けた飢餓対策として、主要都市で労働の対価に小麦を支給する。ただし今のところ2ヶ月間だけのプロジェクトでカブールだけで4万人の雇用になるという。が、5万5000トンを10人家族1日3kg(最低量)食べるとしても・・まったく足らんわなぁ。ただ、タリバーン政権の言う「労働の対価」説は凄く正しい。長年に及ぶアフガン支援・パキスタン地震支援でも感じたが、物資・金銭支給は絶対に労働の対価にすべきだ。座っていて何かが貰えるという生き方は人間を腐らせる。中村先生のプロジェクトに合わせ、オバハンたちのSORAアフガン難民を支える会とJRUとの共同プロジェクトでは、労働対価の足並みを揃えた。国際NGOなどでは大盤振る舞いが多かった、だが座っているだけで何らかの支給を受けることが出来た地域の多くでは、ケシ栽培が盛んになったのはまったくの皮肉だ・・

ドバイからのオバハンへのお土産は新しいタブレットだった。今までのタブレット、何年も使った古いモノだとは言え不都合は時々充電が出来ない、バッテリーの消耗が異常に速い、使えていたアプリがある日、急に使えなくなった。それが思い出したように使えるなど等くらいだ。後期高齢者になりアタマの回転・動作すべてが万事スローになったオバハンにとって、タブレットの遅さは何の問題でもなく、むしろゆっくりで有難いくらいだった。が、不都合が起こるたびに操作を聞き質すオバハンに息子は業を煮やしたらしい。真新しいタブレット、表面には何の傷も無くむっちゃきれい。手荒には扱えないわ~と緊張、慣れるまでが大変だが、気をつけて使わなくっちゃ。
以前のタブレットでの唯一の??失敗は、インドの英字ニュースを2-3回見に行ったことか。パキスタン側では「こう報じているが、敵国インドではどう報じているのか」と、気軽に疑問解消を試みたのが大きな間違いだった。以来、インドからはスパムが日に20通も入るようになった。このスパム、排除しようにも不可能で来るたびに不快極まりナシ。読めないくらいの物凄く小さな文字でメールが不要なら「ああしろ、こうしろ」と書いてあるが・・それをしたらさらにたくさんのスパムが入るようになった。インド人、死ね~~~

赤旗日曜版でもDappiが取り上げられている。「Dappi運営企業の社長は、自民党本部事務総長の親戚を名乗る方」だと。この自民党本部事務総長は、田中角栄から安倍総理まで20人の総裁と37人の幹事長に仕えたお方で、政治資金を扱う裏方を役割をし、今までには何度か検察の事情徴収も受けたという。だが検察とやらはいったい何をしているのかね??国民は知る権利がある!単なる事情徴収だけではなく、結果を出せよ~~と言いたいね。

8月下旬、アフガン国内に拠点を置くIS-K(イスラーム国)によるカブール空港へのテロ攻撃では200人からの人が犠牲になった。その直後、アメリカは情報の収集に尽力、再びIS-Kによる差し迫った危機があるとして、テロリストが使用していた白い車を追跡、空港近くの住宅街でドローンの攻撃によって破壊した。が、間違いで子供を含む一家10人が亡くなった。そしてそのことに対してアメリカは謝罪し賠償金(金額はわからない)を支払うという。
時代が変わったと思うのは、20年前のアメリカによるアフガン空爆では、アメリカは多くの誤爆による犠牲者に対して一言の謝罪もしなかったし、賠償金の「バ」の字も出さなかった(誤爆による犠牲者はおそらく1000人や2000人ではきかない筈だ。一度、調べてみなくっちゃな・・) というのはオバハンが責任者を務めていたSORA(アフガン難民を支える会)が支援することになったハザラ人の女性へは、誤爆によって一家8人が殺されたが何の保証もなかった。彼女の両親は難民として隣国イランへ逃げる時、足手まといになるからと彼女を僅かなお金で隣家の男へ売ったという。彼女は空爆があった日、子供たちと共に親戚の家へ行っていて難を逃れた。だが第二妻である彼女は第一妻の子供たち3人と義母、幼い子供を含む計5人もの子供と生きて行かねばならない境遇になった。誰の紹介でオバハンの事務所へやって来たのか忘れたが、初めて会ったときは下を向いて2時間近くも黙って座っているだけで、「もしかしたらIQが低いのかしら?障害者なのかしら?」と想ったくらいだ。何をどうしたいのか、どうして欲しいのか・・彼女も何から話せば良いのかと彼女なりに悩んだことであろうが、オバハンの方もどれだけ悩んだことか。それから思い出したように時折り事務所へ顔を出し、半年近くなってから、死んだほうが「楽」だったとポツリと言葉が零れ落ちた。そして食べて行く為に自分に出来ることはありませんか?と。

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