2020年05月

今朝は本格的な曇り空。未明から東の空で遠雷が聞こえ始めている。北東部カシミール側の山々の頂きは雨雲の中だ。9時過ぎゴマ粒のように細かい雨がポツリ・・ポツリ。東隣家ではわざわざ庭に椅子を持ち出して来た。空を見上げ、ゴマ粒雨に濡れるのを楽しもうとしているようだ。ゴマ粒のような雨でも、連日の暑さに疲れた肌には愛おしい。お昼近くになって外気温がさらに下がり25℃、そしてシトシト雨に変わって来た。「気持ちが良いわねぇ~生き返るわ」と口から言葉が転がり出る。

パキスタンの報道機関、コロナ記事に関する巻頭には必ず「パキスタンは中国と非常に近接しているにもかかわらず、2月26日までコロナウィルスのない状況を維持しました。最初のケースに続いて短い休止の後、イランからの巡礼者が陽性で、その後、急増しました」というのが掲載される。この2ヶ月以上続けて読んでいるので、今ではオバハンも暗唱が出来る。如何に中国に阿った報道の仕方か。モスク・神学校、私学などもSOP(規制内容)に従うから封鎖の解除をと要望しているが、SOPが守られる(守れる)とは思わない。神学校などは雑魚寝が普通だ、40日間手を洗っていないが病気にもなっていない!と主張するような人がいる中で、消毒・手洗い、互いに約2m離れる、握手・抱擁をしないなど等が守られていたらビックリ仰天だ! 感染者は順調に増え続け7万人になるのは後2日くらいか。

知り合いがイードの休みを終え、田舎から帰って来た。「自分の村は人口が約5000人、誰もコロナのことで騒いでいないし、コロナ騒ぎを知らない者もいた」と。首都から約3時間ばかり離れた彼の家族が暮らす村。田舎での暮らしは礼拝・神の教え中心の暮らし、日々の食べ物、他に関心はないものな・・・

 

 

朝から雲が多く青空が少ない。乾季の今、気温が上がらないようにと終日、雲の多い日を・・と願うのは贅沢過ぎるというものか。気圧は昨日より徐々に上がっているのに、明日からは雷雨との予報だ。当地の雨は日本のようにシトシト静かに降ることは滅多になく、中々激しい。波状攻撃で突風を伴う驟雨がやって来て、大木がいとも簡単にねじ切られる。一雨来たら庭木が生き返るのにと、オバハンは雨を切に願っているが・・・雨が来れば大地に緑が増え、蝗(バッタ)が繁殖・増加すると、コロナと並んで蝗害ニュースが10日ほど前から増えている。    
昨年同様アフリカで発生、偏西風に乗った蝗は中東、イランから国境を越えバロチスターン州へ侵入、穀倉地帯のパンジャーブ州では、綿花、西瓜、マンゴー、サトウキビ、ゴマ、緑の飼料植物などを貪りつくす蝗の害に瀕していると。2億4000万人の人口を抱えるパキスタン、イスラームの互助精神のお陰でインドのように餓死者はないが、蝗害では飢饉のリスクが高まると国家災害監理局が警告を出し、既に蝗駆除のチームを1000チーム以上も配備。シンド州政府農業省はすべての役員とスタッフの休暇を取り消し、蝗害対策に当たっているとも言う。   
オバハンに出来ることは・・(顰蹙を買おうとも)週末からの風雨で「西からの風に乗って1匹でも多くの蝗が「敵国インド」方面へ行きますように!と祈るくらいだ! インドの人々には申し訳ないが、まずは長年、置いて頂いているパキスタンのためにお祈りしたい!    
とにかく雨の後、1平方メートルあたり1000個の卵を産み、1週間ごとに孵化を繰り返す蝗、専門家によれば4畳半に4万匹を超える蝗があふれ被害をもたらす事態になるという・・6月半ばからのモンスーン、雨が来れば大地は緑になり、蝗が大増殖する。その前に蝗を封じ込めねば食糧危機を引き起こすと聞けば、真面目に祈らずにはいられない。

いつもは寝坊スケの息子の娘(来月14歳になる)が早朝からニコニコ顔だ。笑み崩れている。聞けば、イード(大祭)の休みで道路がガラ空きなので、初めて車の運転をさせてもらうのだと。まずはクソ真面目な息子が懇切丁寧な乗車前の注意、足回りなどの点検・注意を教え、シートに座ってミラーの位置等々。とにかく丁寧なご指導と表現すれば、日本語は麗しい。その後、ゲートまでのアプローチで行ったり戻ったりの練習。    
息子は早くから自分で運転をしたがった。オバハンと同じ身長になったら運転を教えるとの約束だったから、12歳になった時、オバハンが運転を教えた。もちろん当地でも運転免許は18歳にならないと取れない。ただ、息子に運転を教えた頃は誘拐の危機に面していた、運よく息子が逃げて来れるようなチャンスがあった時、運転が出来れば・・と。また、長距離を走っている時に運転する者が倒れたらどうする? とにかく何が起こるのか分からない、助けが得られるとは限らない。何事も知らないよりは知っていた方が良い。出来た方が良いと言うオバハンの考えだ(というので、オバハンは車の整備士免許も持っている)。ただ、身長はそこそこあって運転が上手くても童顔では・・というので、確か2年くらいは付け髭だったけど。14歳になろうとしている息子の娘、長々のロックダウンを忘れたような笑顔、笑顔を見ているだけで癒される。

イード(大祭)が終わり、きょうから平常日。表を通る車が少し増えた。隣家では空き家の管理人が来て、杏の木を斧でバッサバッサと叩き切っている。「梅切らぬバカ、桜切るバカ」というらしいが、梅(スモモ)も切った方が良いのだろうな。昨日、頂いたコメントで「塩スモモ」を教えて頂き早速トライ。大ザル3杯ものスモモは既にジャム、お茶、アルコール漬けなっていたが、まだまだ残っている。

ピッカピカの快晴、きょうも暑くなりそうだ・・と想っていた通り、午後には44℃。3日前から強制的にエアコンを付けさせられている。オバハン的には、室内はまだ30℃に届かずエアコンなしでも普通に過ごせるというのに、息子たちがオバハンの部屋まで来てエアコンを管理「今夏は体力を落とすな」と中々ウルサイ。お陰で大変ありがたく涼しく過ごさせている。だが、楽チンのあまり暑い台所での作業には足が遠のく。で、朝の涼しい間に下ごしらえ等を済ませるよう、賄い手順の変更。    
朝5時半、外壁に日除けを下ろし屋上の植木鉢に水をやりを終えるのに約40分。台所で下ごしらえをしながら朝食の立ち喰い。ふと東側の隣家を見れば・・庭で水やりをしている使用人の肩にカラシニコフ(自動小銃)が斜め掛けになっている! カラシニコフを担いだまま水やり? いったい何が起こっているのか? イード(大祭)前後は確かに要注意だ。だが治安が物凄く悪くなったとの情報はない。なんでも普段とは異なる様相には注意喚起、息子が起きてきたら確認しなくっちゃ。息子も断食月に入ってからは、ピストルを携帯するようになっている。     
昨夏、西隣(スモモの家)では独居・寝たきりだった大奥様が逝かれた。後始末に海外から息子さんたちが来て、その折に聞いたところによると、「寝た切りなのを良いことに、家中の家具・物品の類はすべて無くなっていた」。さらには、「日々と費えにと管理を任せていた銀行口座からは26ラーク(田舎なら家が2軒買える)もの金額も無くなっていた」と。泥棒・強盗などの被害は使用人たちの手引きが定番みたいなパキスタンだ・・ 
昼、日本大使館からのお知らせによると「昨夜、イスラマバード市内への入り口、警察の検問所が襲撃され、警官2名が死亡」と。東隣家の、カラシニコフ装備の意味は何か?と考え込みながら、情報収集の1日だわ。    

昨春に続き今春も例年より低い気温日が続き、隣家ではスモモの花が盛大に咲いた。今の家に住んで20年間、昨年までは一度も実のならなかったスモモ。それが2年も続いて実がなり色づいて、ハチドリなどの小鳥が寄り集まって姦しい。毎日、盛大に我が家の地面を汚すスモモ、昨年は全部スタッフたちのお腹へ入ってしまったが、隣家は昨夏から空き家になりスモモを採る人もいない。見かねて??今朝は息子が梯子をかけ、塀を境に我が家の側に成っているスモモを大ザルに3杯分も頂いた。小豆色に色づいたスモモ、甘く酸っぱい懐かしい子供の頃の味。連日の40℃超え、大汗をかいての収穫。

誹謗中傷、匿名の書き込みで相手の尊厳を傷つけ追い詰めるネットの中傷。3日前に若い女性プロレスラーが自死、様々な記事が掲載されている。自死した女性、きっとのた打ち回って泣いたことだろう、どんなに辛かったかと心が痛んでならない。正面切って、あるいは陰で・・あることないこと誹謗中傷され、落ち込んだことのない人はないと想う。自分の存在を隠し他人を誹謗中傷する、それに快感を覚えるのか、正義感で中傷をするのか・・それぞれの誹謗中傷には理由はあろう。が、純然たる個々人に対しては誹謗中傷するべきではないだろうと、オバハンでも思う。
公人は名指しで批判・非難を受けてもしょうがない、我々は選んだ(選ばれた)「公人」の一挙手一投足を見張っているのだから。   
だが・・考えて見ればネットだけではなく、報道というのも恐ろしい存在だ。事実か虚実か一般市民は知るすべもなく垂れ流される膨大なニュースの中から、幾つかの記事を読み重ね真実らしきものと、裏をも見ようとしなければ見えない現実。書き手によって、あるいはデスクと呼ばれる報道コントロールの仕様によっても変わる、変えられる現実・・何を信じれば良いのか・・

 

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