2020年01月

日本政府が派遣したチャーター機に乗って、武漢から帰って来た人たちの航空料金(片道代8万円)を取る、取らないで日本の世論は割れているようだ。どこかで見かけた記事に「パスポートの取得費用の中には、間接行政経費なるものが含まれていて、外務省は『海外における邦人保護にかかる経費』と説明」しているとか。ご判断は安倍ポチ政権にお任せるしか仕方がないが、今回のチャーター機派遣について、外務省の言う、危険度3地域に暮らす現地では邦人がどう要請したのかしらね?   
なお、きょう発表の日本政府(外務省)による海外危険情報によると、中国全土に危険度2(不要不急の渡航を自粛勧告) 武漢を含む湖北省には危険度3(渡航をやめて下さい勧告)だと。当地で長年暮らしていると、外務省の言う「危険度2」などは普段の暮らしの中にある。パキスタン北方地域は昨春から危険度が1つ下がって2になり、普通に旅行が出来るようになっている。危険度3の時も普通に旅行を楽しむ人は日本からもあったし、オバハンも普通に一人でギルギットの母子センターへ出かけていた。避難勧告の4が出ている時もリスクは自分持ち、万が一、誘拐されても大使館には連絡をせず、身内で「動く」と決めていた。   
アメリカは中国に対してアフガンやイラクと同じ警戒レベルで、渡航しないようにと通達。イタリアは中国への航空便の運航を全面禁止など等、各国厳しい姿勢で臨みだした。パキスタン航空も明後日2月2日から北京経由のフライト運行を当分、停止する。パキスタン政府は武漢に暮らすパキスタン人(主に学生たち)約500人の帰パを望んでいないと言っているので、大騒ぎになっている。   
それにしても・・日本の観光業界は大打撃、タイではマスク製造会社が有卦に入り、アメリカは雇用が戻ると言い、世の中は万事塞翁が馬だと痛感。

WHOの発表に疑問を持つのはオバハンだけではないだろう。当初、さほどの危険はないような発表だったが、日を追うごとに危険度というか感染力も強まっているという。ウィルスがどんどん進化・変異?しているせいもあろうかと善意解釈するが・・・そして中国の発表に対しては疑問どころか、当初からというか、中国経済を含め何もかもが発表通りでないのを誰でもが知っている。今のところパキスタンでは感染者が出ていないことになっているが、報道の規制が厳しい当地なので、これも大いに怪しい。   
武漢からチャーター便で日本へ帰って来た人の中には、「症状」がないにもかかわらず、ウィルスの陽性反応が出た人もいるという。政府は「指定伝染病」と決め、手を打ったつもりだろうが、そもそも春節で中国からの観光客が既にイッパイ入国していたろうから、残念ながら遅いわ。今回、日本政府の取った武漢肺炎に対する「指定感染症」なるもの。感染者や陽性反応者への「強制措置可能」という紛らわしい日本語も問題だ。   
2005年鳥インフルエンザの折、当地ではカラスの死骸が道にたくさん落ちていた。普段からたくさん落ちていたのかもしれないが、政府から「カラスに触るな」と通達があったことで、道端に落ちたままになっていた可能性はある。そしてカラスと同じくらい体長がある大蝙蝠も道に落ちていた(パキスタンのカラスは日本カラスより二回りくらい小さい)。緑豊かな町イスラマバードには蝙蝠の生息している森もある。明るい時間帯は何十、百単位で群れをなし、樹にぶら下がっているのが可愛くて、散歩がてらにワザワザ見に行っていたくらいだ(一時、オバハンは蝙蝠ファンだった)。当地では蝙蝠などを食べる習慣はないが、調べてみると蝙蝠はカラス以上にややこしく症状の重い感染症、エボラ出血熱などの中間宿主になっているではないか。蝙蝠自身が中間宿主になりたかったわけではないのに、悪魔扱いされて可哀そうだ。

雨の日には停電が多い。きょうも電気が来たり途切れたり終日鬱陶しく寒い。ネットへの繋がりも悪く、パソコンに触る日ではないと思う。3~4年前だったか、土砂降りが続き47時間もの長い停電に見舞われたことがある。提出レポートの最終日が明日に迫っているのに・・と、あの重苦しい気分の停電は忘れられない。普段は諦めず、とことん足掻くオバハンが、ついに「いいよ~もう一年留年するから~」とサジを投げた。だが息子はオバハン以上に諦めが悪く、必死になってレポートの清書・プリントを手伝ってくれた。あの日、息子が家にいなかったらオバハンはまだレポートと睨めっこを続けていたかもしれない。   
あっと言う間に1月も下旬、冬至から1ヶ月を過ぎているので雨空だというのに、夕5時半でも明るさが残っている。モスクから流れ出て来る礼拝への呼びかけ声も日の出、日の入りに合わせ時間帯が少し変わって来た。我が家の小型犬(3年間にパキスタン人の家3か所をたらい廻しにされ、いじけてしまった保護犬)はモスクから流れ出て来る礼拝への呼びかけ声(アザーン)に合わせ、語尾を長~く引いて、実に上手に鳴く。「アッラーフ・アクバル」に続いて――中略――「ハイヤー・アラルファラー・・・」と強弱をつけて甲高い声で繰り返し鳴き続ける。ただ不思議なことに3ヵ所くらいから流れ出て、聞こえて来るアザーンの中で、たった一人の呼びかけ人の声にしか反応しないというのも面白い。ただ、呼びかけ人にも上手・下手があるから、我が家の小型犬は上手な人を選び、追随して鳴いているのだと理解ができる。

1週間ほど前、イランの国会議員が「報復のために」トランプ大統領の暗殺に約3億円の懸賞金がかけたと、半国営イラン学制通信が報じた。「トランプを殺害すれば、誰であれ300万ドルの懸賞金を出す」と。4年ほど前だったかに北朝鮮では、脱北団体や人権団体による「正恩のクビに5000万ドルをかけたビラ」が町に登場。その翌年には正恩のクビ代金が1億ドルに跳ね上がったらしいが、アメリカが「静かなる斬首作戦」を目指しても、抑止力としての「核」を持ってしまった正恩だ。今となっては正恩のクビが遠くなったかも。それにしてもトランプのクビは僅か300万ドルぽっちだ。 
しかし思い返せば世の中と言うか、アメリカの「正義」に楯突けばロクなことはない。暗殺オンパレードではないか。正恩の父親、金正日の暗殺にアメリカは(本当か嘘か、当時の政権下で200万ドルの報酬を提示し暗殺を依頼したというが、北朝鮮の〇〇はビビって引き受けなかったらしい)  
正恩の兄の正男氏はマレーシア(クアランプールで)毒殺されたが、この暗殺計画に弟の正恩は5年も前から取り組んでいたというから、暗殺者が手を下し、かつ無事に逃れると言うのは大変なことだ。
ゴルゴ13のファンであるオバハンは暗殺の極意であるゴルゴ13の言葉を思い出す。「暗殺を成功させるには、10%の才能、20%の努力、30%の臆病さ、残り40%が運だと」。世の中はゴルゴ13が狙撃するようにはなかなか行かないようだ。   
ビンラーディンの息子への懸賞金は100万ドル、ビンラーディンにかかっていた5000万ドルの懸賞金。イラクのフセインにもアメリカは2500万ドルの懸賞金をかけていた。リビアのカダフィにも170万ドル(確かではないが)の懸賞金だった。それらの懸賞金はいったい誰の手に落ちたのか・・ 

昨日に続き、きょうもピッカピッカの快晴、朝8時になると南東向きの大きな窓から陽が差し込み、壁際の大鏡に反射した透明な木漏れ日が優雅に揺れ動く。光が部屋に満ちる1時間ばかりは至福の時だ。おまけに、きょうの昼間は気温が20度になった、いよいよ本格的な春だ。あと数日、2月に入ったらハーブや花の種を蒔かなくっちゃ・・とはいえ、オバハンの住む今の家には庭がない。広い屋上に植木鉢をズラリと並べているだけだが、それでもサラダに使えるハーブが使いきれないほど採れるのは嬉しい。 
さて、いま世界中に広がりつつあるコロナウィルスが、ついに25日パキスタンへも上陸かも? 患者は武漢からドバイ、カラチを経由してパキスタンの中央部にある大都市ムルタンへ渡航して来た中国人で、疑わしい症例が4つと発表されているが、問題は、このコロナウィルス、パキスタンではチェック出来なくて、患者のサンプルを中国かオランダに送って確認しなければならないと。おまけに潜伏期間の約2週間中にも感染とは、なかなか悪質なウィルスだ。パキスタンではカラチ、ラホール、イスラマバード、ペシャワールで水際作戦?を取るとあったが、そんな生易しいことでコロナウィルスが防げるのかと案じている。
フィリッピンは昨日だったか、空港から600人ばかりをそのまま中国へ送り返したという。なんと立派、凄い!としか言いようがない。中国人だけが乗っていたわけではなかろうが、非難をものともせず「送り返す」という行為に自国、そして国民を護るとはこういうことか!と、目が覚める思いだ。対して中国政府は27日からの海外旅行、団体旅行での出国を禁止と発表しているが、同じ禁止をするのなら発表の即日もアリではなかったのか。

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