2017年12月

2日前のニュースでは、イギリスが機密扱いを解除した文書を引用、「天安門事件での死者を1万人以上」と報じていた。民主化を求める学生らの運動が武力で鎮圧されて25年、中国でも天安門事件を知らない人が増えて来たとも。
当時、中国政府は319人が死亡したと発表したが、25年前の天安門広場であった混乱や状況等の映像を想い起こせば、犠牲者が319人程度では済んでいないことが簡単に想像できる。
ネットなどの情報によれば、中国政府の内部統計では死者が1万454人、負傷者が2万8796人と伝えられるという。中国の機密文書解除が何年間なのは知らないが、過去に世界中で起こった謀略や真実の判らない事件も、何時かは「機密文書」が解除され真実の判る日が来るのであろうか?

首都イスラマバードで起こった10年前の「赤いモスク事件」も、パキスタン政府は中国政府の発表のように、犠牲者数を76人と発表。 後に260人くらいと発表し直したが、実際の犠牲者はそれらの何倍も上回る(と、現場近くで学生たちと政府軍の攻防を10日間も見ていたオバハンは考えている。)
パキスタン政府も中国政府も、共に学生や神学生の「排除・鎮圧」は、さらなる混乱を避けるためにやむを得なかったと堂々の偽証拠を積み上げたところが凄い。
何時の時代も為政者というのは持っている神経が違う。

昨9日、イラクの首相が「アメリカ主導の有志連合の支援を受けて、イスラム国」との戦いが終了したと宣言した。 どんな戦闘も無くなり市民が平和に暮らせるのは良いことだ。
だが、欧米露などの過剰な支援で勝利することは禍根を残す。イスラーム諸国 VS 非イスラーム諸国という対立を生み収拾がつかなくなる。

今では耳慣れた感のある中国の「一帯一路」プロジェクト。パキスタンは昔から中国にべったりで、在パ中国人の態度もデカイ。パキスタン政府も敵国インドとの間に何かがあった時には、頼れる相手は中国しかないというので、中国に対する心遣いは群を抜いている。
だが、狭い道の一方通行を反対側から押せ押せで来るのは必ず中国人だ。警官たちも運転する中国女の喚きに対応できない。傍若無人に駐車するのも、そして最近ではその車がベンツなどであることにも、小市民のオバハンは不快感をつのらせる。 街中も中国人たちの乗った小型バスを警官が同乗、「退け退け、中国人さまのお通りだ」とばかりに信号も無視して走る。クッそ~~と思う時がある。実に不快だ。

そんな中国人たちに、在パキスタン中国大使館は、「テロリストが近い将来、パキスタンの中国機関や個人に対して一連の攻撃をすることを計画している」って。 だから中国人に似ているオバハンたち日本人も注意せよ!って、日本大使館から注意喚起が出た!

きょうは久々の雨で冷え込んだ。日本は雪だろう、みなさんご自愛を!

イスラエルの首都をエルサレムに移転するというのは…… 
調べてみるとブッシュもクリントンも選挙運動期間中には米国大使館をイスラエルに移すと表明して来たというではないか。 おまけに、アメリカでは1995年にエルサレムをイスラエルの首都と定める法律が成立し、大使館をテルアビブからエルサレムに移すべきとの条項が盛り込まれていたと。
という事は、今回、トランプがいきなり言い出したことではないことになる。
が、歴代の米大統領は、安全保障上および外交上の懸念を理由に、同法を保留とする大統領令に署名していなかったと。オバマを含め、ブッシュやクリントン彼ら3人の大統領は「まとも」であったということか…… ブッシュは世界に紛争をまき散らしたとの印象があるが、ことエルサレムに関しては手を付けなかったということらしい。
トランプはどんな勝算、利益があって、この暴挙に出たのであろうか?

きょうは太平洋戦争の勃発日、開戦へと進んだ日本を思いながら、オバハンの書いた小説「赤いモスク」が、いま世界で起こっている社会情勢への警鐘になって欲しいと欲深く考えている。

日本大使館からも「注意喚起」が出た。
アメリカがエルサレムをイスラエルの首都と認定したことで、大規模な抗議集会が行われ、暴動等に発展する可能性が否定できないと。日本大使館からの注意喚起だけではなく、ヨーロッパ諸国や中東でも、こうした注意喚起は出ている。
トランプこそは世界平和を脅かす存在だ。北朝鮮の金正恩を煽り、今また国際社会に反する行為を堂々とやってのけた。
アメリカの大統領であれば、議会の承認なしに何でも出来るのかと、最近は疑問が嵩じている。
何時だったか「気まぐれブログ」で書いたが、911同時多発テロもアメリカに煽られた結果ではなかったか。アメリカは世界の警察官だと言いながら、その実、結果的に世界中にテロを蔓延させている。

先月末、オバハンの書いた小説「赤いモスク」が合同出版社から出版された(アマゾンでも購入できる)
2007年にイスラマバードで起こった「赤いモスク」事件をきっかけに、パキスタンの治安は一気に悪化。それまで年間300人余りのテロ犠牲者が、翌年から40倍以上に跳ね上がった。神学生たちをテロと言う抵抗運動に走らせたのもアメリカが原因だった。そうした諸々を含め、日本人には遠いイスラーム(教徒)の心と社会を小説で書いてみたが、アメリカからかけられたスクリーンを透してイスラームの世界を見ている日本人に、オバハンの小説がどう受け止められるのか。

毎年6月には日本へ行き、大概は2週間くらいが滞在の限界で、胃が痛くなったりなどの不調が始まり、パキスタンへ逃げ帰って来る。なのに今回は10月下旬に日本へ行って、10数年ぶりに日本での滞在が1か月を超えてしまった。
マーケットに溢れる品々、人々の暮らし…… 日本経済は停滞したままだというが、それでも日本の豊かさは世界的に見てトップクラスだと思う。個々人の生活には差がでているのかもしれないが、治安の落ち着かない国で暮らしていると、平和=豊ってことの意味が凄く解り、素晴らしいとしみじみ思う。

その世界の平和を崩す行為に出たトランプ。正気の沙汰ではないトランプ。
トランプがイスラエルの首都をエルサレムに認定するとのニュースに仰天している。トランプは日本時間の7日午前3時に、エルサレムをイスラエルの首都と認める演説をする予定だという。日本ではお隣の北朝鮮問題が喫緊だが、国際社会ではイスラエルの首都をエルサレムにする方が大問題として見られている。
国際社会はエルサレムをイスラエルの首都とは認めていない。イスラーム諸国が猛反発するのは必至だ。

このエルサレム首都問題で、トランプは金正恩より危険な存在ではないかと、改めて考えてしまった。世界の平和を脅かすのは北朝鮮ではなく、今のアメリカだ。

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