2015年04月

中国の国家主席と100人もの使節団が帰った。
「中国からの特別機がパキスタン領内へ入ったら、パキスタン空軍による戦闘機8機が護衛に入った」と報道されている。戦闘機は中パが共同開発したものだという。

15年以上もの昔になるか……パキスタンとアメリカと超蜜月だった頃、アメリカから戦闘機F16だかを買うためにパキスタン政府は支払いをした。だが、アメリカはなんだかんだと引き伸ばした挙句、現物を送らず最終的には購入契約をチャラにした。アメリカは今もパキスタンにとっては大きな支援国家の一つに違いないが、この約束反故では「学んだ」ことだろう。

ただいまのパキスタンは隣に強大な反イスラームを標榜する政権を持ち、気が気ではない筈だ。印パは共に100発もの核を持ってしまった。「隣が持つなら自分たちも」とする気持ち、また抑止力のためとはいえ、不幸なことだ。そんなことに使う金があったらインフラに廻せと言いたい。
夏は電気がなく、冬はガスがない。水も豊富にあるわけではない。国民は5兆5000億円に期待をしているかもしれないが、その多くがどこへ行くかは……言うまい。
現在進行中のメトロ工事でも、支援金の多くが……これも言うまい。国民のための政府というものが、世界には幾つあるのか?

中国の国家主席たちがイスラマバードにいる1日半は、深夜から早朝、終日ヘリコプターが頭上を低空飛行して騒がしかった。 首都では停電もなかった。しかし中国からの団体がイスラマバードを離れたら、たちまち定期的に停電が始まった。

2月初めのイスラム国における日本人惨殺の衝撃だけではなく、胸の潰れるような事件が日本でも続いている。(報道で知るだけだが)殺人事件のない日はなく、かくも思いやりのない残酷で自分中心な日本社会がどうして生まれたのか? 人間の根源など??についてもあらためて考え直していると、いと安易にブログに勝手な思いを書き散らかすことも罪のような気がした。
で、書き散らかしを控えていたら2か月ものご無沙汰になってしまった。この間、多くの方々からご心配を頂き、深謝です。

本日と明日、中国から習近平国家主席と100人もの訪問団がパキスタンへやって来る。
中国はアラビア海に面するパキスタン南西部のグワダル港(イラン国境まで近々)での開発を10年以上も前から進めており、グワダル港から新疆ウイグル自治区までを道路や鉄道で結ぶ計画を含め、総額460億ドル(約5兆5000億円)規模のエネルギー、インフラ開発支援計画に着手する(話し合い)と。
「5兆5000億円、いったいゼロが幾つで、幾らくらいの値打ちがあの?」と、小学生に問われて答えられなかったオバハンだ。

だが、某パキスタン市長は……中国大使館から航空券などを手配され、式典のためにイスラマバードへやって来ている。曰く、「某市と中国の某市を姉妹都市とする式典のために、一方的に出て来いと言われました。寝耳に水の話で驚いている」と。何もかもが大国中国ペースで動いているのは論を待たない。 昨今、世界中で中国が展開しているしたたかな経済外交には恐れ入る。
本年中に創設されるアジア・インフラ投資銀行も、中国の世界戦略の一環であるし、何もかもをアメリカ頼みで生きている日本では、ますます先行きが案じられる。
最近、海外のリゾート地などで見かける日本人、そして当地の駐在日本人たちの生活ぶり(滞在ホテルや借家など)かってに比べると慎ましくなった。 中国人たちが胸を張っているのとは大違いだ。

その中国からの大訪問団を前に、朝から首都内は交通規制。目ぬき通りは汚らしい落書きも消され、学校は2日間の臨時休暇になった。 頭上をヘリコプターが舞々してうるさい。

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