2014年11月

2年半前に、オサマ・ビン・ラーディンを銃撃したという、元海軍特殊部隊々員がワシントンポストのインタビューに答えたとかが11月8日に報道されていた。
これも、いつまで続けたいの???と言いたくなる胡散臭い話の一つであろう。

そもそも「隊員は退役後も従事した作戦や任務の内容を外部に公表することを禁止する規律、伝統がある」とか、米海軍は言いながら、次々に「自分が殺した」という元隊員が出て来るのもオカシナ話だ。
「ゼロ・ダーク・サーティ」とか名づけられた、オサマ・ビン・ラーディン殺害作戦の映画をハリウッドで作ってまで、アメリカの一般大衆を大喜びさせたらしいが。

ま、オサマ・ビン・ラーディン殺害の嘘も、100ぺん言えば本物になるだろう。だが100ぺんでは足らずに、まだ言い続けるつもりらしい。 映画まで作り、今になっても自分が殺したと言う隊員が居て……  米政府自身は、この作戦に関して、よほど自信がないのであろうな。

この作戦で殺されたのではない、オサマは別の場所で病死していると、多くのパキスタン人は知っている。作戦終了直後、現場保存もされない間に現地へ走り着いた知り合いたちから、不整合さを山と聞かされたオバハンには、作り物のアホらしさ加減が、マララと同じくらい鼻につく。
報道によれば、「襲撃・殺害作戦では、海兵隊員のヘルメットにつけたビデオカメラの映像を無線でホワイトハウスの作戦室まで送り、オバマや閣僚たちが、襲撃現場の映像を見ながら指示を出せる態勢だった。だが肝心のビンラディンを殺す前後の25分間だけは、無線で送られてくる映像が途切れてしまい」だって。
よくもまぁ、まぁ、都合よく25分間だけ途切れ… オサマ・ビン・ラーディンのまともな殺害写真はなく、ご遺体はアフガンへヘリで急きょ運んで、米海軍が海中に投げ込んだと!! 
この作戦に関しても、ネットで調べれば911同時多発テロと同じように、米政府の胡散臭さが良く解る。なにがなんでもオサマをアメリカの手で始末して、手柄にしたかったオバマ大統領も、次期大統領選挙を睨んで、実績の一つにしたかったのだろうが、共和党に負けてしまった。

一昨日、ラホールの近郊で、「キリスト教徒の男性とその妊娠4か月の妻が、イスラム教の聖典コーランを冒涜(ぼうとく)したとのことで、怒ったイスラム教徒の集団から暴行を受けて死亡した。夫婦の遺体は職場のれんが工場にある窯で焼かれたという。警察は5日、事件に関連し44人を逮捕した」との報道…

欧米日、イスラーム国以外から見れば、なんとも残酷な話で容認できることではないし、裁判を待たずに私的制裁をしたのは、これまた罪に問われるのだが…  
そもそもパキスタンは英領インドからの分離独立の際に、「イスラームに基づいて」の国づくりをした。パキスタンはイスラーム(教)に基づく国家であることを世界は認識すべきではないのかな。サウジアラビアなどから比べれば、まだまだ戒律は緩やかだとも思えるが。だからイスラームの原点へ戻ろうとする原理主義者がいて、さらには戻るための「闘争」までしようとする人たちも居るのだから。

欧米日から見れば「人権」に関わることも、実はパキスタン憲法(イスラームの理念)にのっとっている。これをとやかく言うのは…俗にいう内政干渉の類でなかろうか。
現在、シリアやイラクで「イスラーム国」の建設を目指している武装勢力も… どの立位置でモノを見るかということで報道のされ方も変わって来る。「イスラーム国」の建設を目指している彼らには彼らなりの、正義や価値観があるだろうから、欧米日の報道だけが正しいとも言い切れぬ。
なんやら突飛な奴隷制復活とか、そうした事柄だけを取り上げ、報道しているようにも想えるが…

パキスタンではイスラーム(教)に関しては言論の自由はなく、違反した場合投獄や死刑に処される。 またイスラム教徒が他の宗教に改宗することも国法で禁止されており、違反した場合死刑である。
聖典・啓典(コーラン)には信仰内容や信者のつとめだけでなく、道徳、政治、経済などの社会生活のあり方についても記している。イスラーム社会では宗教と世俗が分離されず、生活のすべてが宗教的営みとなっており、啓典は神の言葉としてイスラーム教徒の全生活、全行動を規制している。

こうしたパキスタンだが、政府は宗教的出版活動自体を制限してはいない。ただし宗教に関連する発言の権利は制限されている。
イスラーム教への反対論を語ること、イスラーム教あるいは預言者ムハンマッドを侮辱・攻撃する出版は禁じられている。 またパキスタンの刑法では、ムスリム(イスラーム教徒)が預言者として信じるムハンマッドの名を冒涜する者、すべてに死刑を命じている。また、預言者ムハンマッドの口を通して語られた神の言葉、神から預言者へ下された啓典(コーラン)を冒涜する者にも無期刑を命じている。
だからノーベル賞を受賞したマララの自伝は、イスラーム批判を行ったと言えるので嫌悪の対象となったのであろう。

ついに(薄い)布団を出した。今まで毛布だけで頑張って来たが、寒くて夜中に何度か目が覚める。2週間ばかり前、町を取り巻く山々に冠雪も見られた冷え込みの激しいギルギットから、まだ暑く感じるイスラマバードへ戻り、油断をして寝冷えをした。きょうは天気が下り坂、用心用心。

サウジアラビアの国営石油会社が原油価格を引き下げ、3年ぶりの安値とか。
3日ほど前の夜、車の給油に行ったら・・・ 「後、数時間で、日付が変わり燃料代金が下がりますので、それからにしたらどうですか?」だって。やさしいなぁ~パキスタンの人たち。
燃料代が下がれば、輸送費も下がる、超インフレの中ちょっぴり嬉しいな。

当国のガソリン1リットル分は、一般都市労働者の日当3分の1にあたり、生活水準比、世界一高いと言われている。それが1割も下がるとあっては有り難い話だし、またそれを親切に教えてくれるガソリンスタンドの従業員にも感謝・感激! 
原油価格がさらに下がって燃料代が安くなれば・・・今冬の停電や、ガスの供給停止も減るのかしらん?? 
夏場45℃にもなる中での1時間おきの停電も辛いが、冬場、時にはマイナス気温になる中でのガス不足も辛いもの。酷い時は停電と弱々しくポソポソと音立て、今にも消えそうなガスストーブ。田舎では炊飯時間になってもガスの火が弱く、調理に時間がかかる生活が今冬はどう変化するのかな。

先月末、マララが撃たれた時のスクールバスを実測し、その不可解を書いたが、「車輌の長さなどがバグっている」と知り合いからメールを頂いた。オバハンのブログ上ではバグが見られないンだけどね……

ま、早い話がマララが乗っていたスクールバス(トヨタのハイラックス)の荷台面積は、畳2畳分よりやや大きいと言いたかっただけだ。実測の結果は10月28日のブログを見て欲しい。
パキスタンの小中学生が通学に使うスクールバスと称する乗り物は、殆どがスズキの軽トラか、ハイラックスに幌をかけ、ベンチ式の椅子を設置したものだ。
自伝では、この畳2畳余のスペースに2人の襲撃者が乗り込んで来て、「どいつがマララだ?」と聞き、ピストルを撃ったとなっている。 マララは真ん中あたりに坐っていたから目線は荷台の上で約120㎝くらいだろう。対して襲撃者はやや屈み込むことになっていたろうから目線は約130㎝くらいか。
わざわざ車内に乗り込み、マララと顔が触れるほどの距離にまで近づいて3発も撃ったにもかかわらず、「あの程度の傷」で済んだのには、確実に殺そうとする意思はなく、むしろ確実に軽傷にするための至近距離だと知り合いの報道関係者は言う。また他の報道関係者の一人は「マララを撃ったのはゴム弾」であったと言い切っている。
第一、コルト45を至近距離で撃ち、弾が首を通過、鎖骨で停まっていたとは、どんな粗悪なコルト45であり、弾を使用したのだろうか。

全パキスタン私学連盟(約15万2000校)のミルザ会長は、自伝の購入を私学連盟は禁止している。「マララに反対しているわけではない。マララは私たちの娘でもある」と述べた上で、マララ自身も自伝の内容に混乱していると指摘していることに注目すべきだ。
マララ自身も自伝の内容が混乱していると表現は優しいが、別の言葉で言うならば、内容は大いに怪しいと言っているのに等しい。出版までには何度も推敲されたであろう自伝、パキスタン以外の人々ならば欺けると考えたものであろうか。
オバハンもミルザ会長と同じように自伝をたんねんに読んだ。現地を良く知っている者たちとしては、どう贔屓目に読んでも怪しいし、英米目線で書かれているとしか思えない。

マララの国連でのスピーチは素晴らしかった。だがマララに振付やスピーチ原稿を書いた「国際機関の人たち」はやり過ぎたと思う。 何事も過ぎたるは及ばざるがごとしという。マララが国連でスピーチをしたとき、故ベナジール首相のスカーフを巻いていたという。これなども過ぎたる演出の好例ではなかろうか。おそらくパキスタン以外の人々にとっては印象的なことであろう。 しかし、ここまでの演出、振りつけに、聞き取りをしたパキスタンの人々は「あざとい」と言う。1年前、マララは「私にはノーベル賞を貰う価値があると思う」などと自由闊達に述べていた。本来のパキスタン女性はつつましやかだ、ここにも振付師によって洗脳されたらしいマララが見える。

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