2014年05月

久々に爆風(音)で目が覚めた。爆風は特殊な「籠り音」を伴っていて、直ぐにそれと分る。近場の爆発なら被害が出たろうが、4㎞も離れていたから爆風(音)と僅かな振動だけで済んだ。
だいたいがウチのスタッフと来たら呑気というか、無神経者ばかりで自分に直接の被害(怪我)でもない限り動かない。ガラスが割れようがドアが吹っ飛ぼうが、塀際の立木が盛大に燃えようがヤツ等には痛くも痒くもないもんな。いや、動くのが1人だけいるな…
誰か(たいがいはオバハン)が「きゃぁ~きゃぁ~」と騒がない限り、ヤツ等はなぁ~~~んもしない。
今朝未明の爆弾も、「もしかしたら勘違いしたかな?」と考えつつ、オバハンは暫く耳を澄ませ、2方向のカーテンを僅かに捲って「空でも燃えていないかしらん? もしかしたら遠雷だったか?」と、それなりに神経を尖らせていたが、そんなことをしているスタッフは皆無だった。
爆弾は2発、4㎞離れたスーパーマーケット(2年前だったかに爆弾があった場所とまったく一緒)と、8㎞ほど離れたカラチカンパニー付近のバス停だって。
首都内の爆弾なんて……4月に青果卸売市場で起こった大爆発、首都の安全が脅かされているのは間違いない。また、3日前に政府が部族地帯で行った大がかりなオペレーション(空爆で80人近い死者)とも関係がないとは言えない。いずれにせよ治安に緩みが出ている証拠だな。 
ナワーズ・シャリフ政権が揺らいでき始めたのかも。

1年前までのPPPパキスタン人民党による政権は、オバハンの30数年の中で最悪政権だった。5年間の政権中、自分が取り込むだけで国民のためには何もしなかったと断言できる。 ムシャラフ政権の最後の2年も悪かったが、PPPの悪質さとは「質」が違った。 現政権は軍との間がギクシャクし過ぎ… 
おまけに首都で建設が始まったメトロ、首都生活者には最悪の工事だ。毎日、毎日、通れなくなる道路が増えて、迂回につぐ迂回。10分で行けるところに30分もかかる~~ せめて前日にでも「迂回路案内」でも出してくれれば良いのだが、通行路の変更は朝とつぜん思いつくものらしい。
今朝の新聞でもメトロの工事に関して不満満載だ。対して政権はお手盛り広告。メトロ開通を願ってだか、工事開始祝いだか、「ナワーズ・シャリフ首相、有難う!」だって。
へん! 工事、即刻やめてほしいわ!

日本は5月の半ばというのに、はや真夏日だと騒いでいるが、イスラマバードでは3日前の12日が終日の本降り、肌寒かった。翌日の新聞では、最高気温が19℃最低気温が18℃だったと報道されていたから、寒かった筈だ。そして昨夜は15℃まで下がったとの報道に寒さを納得した。昨夏も5月半ばまでは過ごし易く、後半になって一気に暑くなり首都では47℃と地獄を見た。今夏はどうなるのかしら? 

WHOによる通達が出たのが今月初め、「パキスタンからの出国者は渡航12ヶ月から4週間までの期間に、ポリオワクチンの接種を受けることを確実にすべきである」という勧告。
そして昨日は、6月1日から「施行」すると発表があった。オバハンは25日のパキスタン出国に合わせ、チト焦ったが、それなら、まだしもと納得する。
今月6日だったか7日だったかに通達を出し、「直ぐ」に施行という方がオカシイ! 少なくとも1ヶ月は猶予を見るべきだ。6月10日前後から長い夏休みとなり、海外へ脱出する当地への赴任者やその家族は、どこが一番清潔で安全にワクチンを接種して貰えるのかと大騒ぎだ。 なにしろ…パキスタンの公立病院は、田舎の道端にある肉屋かと想うほど汚いからなぁ…  病院へ行ったら病気が移りそうな気がするだけではなく、事実、雑菌に免疫のない外国人の子供たちなどはイチコロかもしれないと考えたりする。 潔癖症の息子などは、病院へ行ったら極力呼吸をしないし、絶対に壁やモノにも触れないようにすると言う。
オバハンは普段から雑菌に囲まれて暮らすようにしているし、汚い茶店にも平気で入るから… でも、実際はどうなのかなぁ?

きょうの日本のニュースでは振り込め詐欺の被害が増大だと。オバハンにも振り込め詐欺の方々、電話をくれないかしらん?
「そんなもん、くれるわけないわ!まずお金を持っていないし、高額商品も買ったことがないのに…」と息子が笑う。そうか、そういうものか…

日本にいる友人たちに、「月末の日本行き、もしかしたらパキスタンから出国が出来ないかもしれない。出国できても日本へ入国が出来ない」とメールをしたら、今どきの日本、ポリオなるものを知っている人がいなくて驚いた。
ポリオ(小児麻痺)はポリオのウイルスにより中枢神経細胞が破壊され、主に四肢に麻痺を起こす感染症だ。日本では50年前までは普通に流行が見られたもので、1961年から日本でも予防接種が実施され、1980年には日本ではポリオ感染が根絶されたとなっている。 オバハンたちの若い頃はポリオ(小児麻痺)だけではなく、マラリヤや結核の発症も多かった。思い返せば日本も「発展途上国」だったのだ。
3年前、日本はパキスタンに対してポリオ撲滅の取り組みにと約50億円の借款に調印した(ただし、この約50億円は、パキスタン政府によってポリオ根絶事業が一定の成果を出すことができれば、ビル・ゲイツ財団がパキスタン政府に代わって日本政府に債務を返済するという取り決めだ)
今年に入ってからも日本はさらに約4億円の支援追加を決め、これで1300万人分のワクチンや、保管のための設備が提供されるという。

世界で残されたポリオ常在国は、パキスタンと隣国アフガニスタン、アフリカのナイジェリアの3カ国だけだと昨年まで言っていた。しかし先日のWHOによる通達で見れば、ポリオを輸出するリスクのある国は10か国に増えていると。 
地球上からのポリオ・ウイルス根絶へは奮闘が続くが、アフガニスタン国境沿いなどでは武装勢力の妨害も障害になっている。一昨夏から何度か報道されたが、ポリオ患者の発生が最も深刻なパキスタン(旧)北西辺境州やカラチなどでは、予防接種作業員へのテロ行為が続いている。(パキスタンでは、2011年5月にオサマ・ビン・ラーディンが予防接種運動で得られた情報がきっかけで殺害されたといわれ、イスラム武装勢力が各地でポリオ予防接種スタッフをスパイとみなし、テロ攻撃を行って来ており、テロの犠牲になった予防接種作業員の数は30人以上になっている)


一昨日から小雨模様、5月の半ばとは思えない涼しさだ。ただただ有り難い。昨日は暑くない中で最高のストライキ日和となった。政府に抗議をするために集まる人たち、大統領官邸前広場からマイクに乗って聞こえて来る演説、音楽、ざわめき、ちょっとした娯楽のようだったな。

ギルギットから一気に20時間の走行で、イスラマバードへ戻った疲れがようやく取れた。
運転手が居眠りをしないようにと、緊張して20時間、一睡もせず神経を張りつめていたので、余計に疲れた。カラコルムハイウエーに凄く慣れているという運転手ではなかったので、運転手はもっと疲れたと思う。15年以上も勤めていた古い運転手の代わりに半年前に入った今回の運転手、人柄が凄く良いので有り難かったが。
イスラマバードへ帰って来て、さて月末の日本行きに備えようと思ったら…  WHOではポリオ・ウィルスの輸出・拡大を防止する勧告の発表だと。日本では大昔に撲滅された、日本だけではなく世界でもポリオは撲滅されているのに…

WHO曰く、「現在10か国がポリオを輸出するリスクのある国とされており、うちパキスタン、シリア、カメルーンの3か国については、当該国の居住者と当該国に長期滞在(4週間以上)する者が国外に渡航する場合は、渡航前12ヶ月から4週間までの期間にポリオワクチンの接種を受けることを確実にするべき」と勧告。
急に国外へ渡航する場合に備え、出国時にワクチンの接種が出来ることを確保すべきである…と。

パキスタン国内では、通常のポリオワクチン接種にも「ワクチン」が不足していると聞く。それなのにポリオ発症地に暮らしても居ない出国者に対し、空港で摂取出来るように!って。WHOの流行防止という姿勢も分るが…オバハンには納得できないな。
苦手な日本へ行きたくはないので、いっそうのことパキスタンからの出国禁止と言って欲しいわ。

* 今年1月1日以降、パキスタン国内においては59人の乳幼児にポリオ発症が確認されており、主な発症地は(旧)北西辺境州ワジリスタン、カラチでも4人に発症。

半月ばかりもイスラマバードから離れていた。帰って来たら首都ではメトロの工事が始まっていて、大好きな野外大バザールへ行くのにも大回りだ。
「メトロ?」と、思わず聞き返してしまったが、イスラマバードからラワルピンディへの大幹線道路は確か3年くらい前に3年間くらいをかけて完成したと記憶する。それをまたまた穿りかえしての大工事だから、メトロの完成はいつになるのか。オバハンが生きている間にメトロの完成を見ることが出来るのかしら?
落ち着かないパキスタンだが…徐々に近代化???しつつあるのは確かだわ。

実は4月半ばからギルギットヘ行っていた。30年以上、毎年のように4月半ばにはギルギット方面へ行くのだが、今回は初めてアカシアが満開のギルギットに出会った。 そもそもアカシアの蜂蜜が美味しいので一時期、嵌っていたのだが、アカシアの花が町一面を彩って、何処に居ても甘い匂いを満喫できるというのは初体験だった。
アカシアの花満開は素晴らしかったが、ギルギットまでの道中は初日から波乱含みの上、主食の小麦の値上がり反対ストライキが激しく、タコット橋からは警官が安全のためにと同乗。コヒスタンではパトカー先導のサービスまで頂いた。休憩の度に茶店で「お茶でもどうぞ」と勧めるのだが、お茶も飲まずにしっかり周囲を睨めまわしガードをしてくれたのには恐れ入った。
ギルギットヘ入っても、(旧)北方地域の業界団体が五月雨式に各種ストライキを決行。まったく今回もまいった。

しかし、首都でも明日から選挙制度に抗議する?デモが始まる。もしかしたら荒れる可能性もあってガソリンスタンドが閉まるかも……というので、夜も遅いのに今から発電機用の燃料を補給しに行って来ると息子が言いだした。
緊張感のあるパキスタン、やっぱり気合が必要だわ。

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