2013年06月

「無人機の攻撃によってパキスタン観光業は壊滅した」と、新聞論説者が語っていたが、本当にそうだと思う。
911同時多発テロからこちら、アメリカの声高な「テロ殲滅宣言」によってパキスタンの観光業は大痛手を被っている。テロでしか対抗できないテロリストたちにも言い分がある、とは思っていないアメリカにも問題がある。もっとも自分が直接の被害を受けたなら、そうも言っていられないかもしれないが、911に関してはアメリカの自作自演だとオバハンは信じている。

ナンガパルバットでの悲劇、無事だった約40人の登山者やトレッカーたちはイスラマバードへ帰って来た。ナンガパルバットは8000m峰の中では下界から一番近く、ジープを降りてから3日でベースキャンプへ到着できるから、予算に余裕のない旧ソ連出身者からは人気がある。

そうそう、昨日、以前にナンガパルバット(ディアミール)へ行かれたことのあるお客さまから、「テロリストがあの道を3日も歩いて行ったとは想えない。村の中も通るし、その間、村人は誰も通報しなかったのでしょうか?」とメールを頂いた。 今どきは山間部でロバを引いたおバァさんですら、携帯電話を持っている時代だ(オバハンは持っていないが)。 パキスタンの電話代は物凄く安いし、暇さえあれば皆、携帯を片手にしゃべっている。その彼らが通報しなかったのかと。

:ギルギット・バルティスターン主席大臣は、「攻撃者の脱走路が発見された」と昨日、発表したが…

6月23日夜の:スーパームーン、2013年で一番明るく普段の30%増しの光度とか。夜空を見るのは好きで大概の天体ショーは見逃さないのだ。先月の満月も大きく、さらに大きいのが見られるのかと楽しみにしていたスーパームーンだが、いかんせん夜の8時でも外にはまだ体温より遙かに高い熱風が残っており、ゆっくり見る気にはなれなかった。
なにしろ昨日、一昨日の最低気温は明け方でも29℃だもの。で、翌日、掲載されたギリシャ神殿を背景に登る満月や、ヘラルド・トリビューン載っていた満月の前面を横切る1機の飛行機写真を楽しんだ。


今朝の新聞は、ムシャラフ前大統領に対するニュースでいっぱい。すでに10日近く前だったか、ムシャラフ前大統領が何度目かの逮捕をされ、「2007年に非常事態宣言を発して憲法を停止したこと。最高裁長官の解任は憲法違反にあたり、国家反逆罪」と。  また度々、ベナジール・ブット前首相の暗殺を阻止できなかったのも、ムシャラフの責任だとされているが、こっちは『言いがかり』に近い気がしないでもない。
いずれにせよ、あの2007年はラールマスジッドの大事件で神学生が1000人??も殺害されたかもしれなかったし(未だに解明されていない)、あのマスジッド大事件以降、治安が急加速で悪化したのは事実だ。  

2007年晩秋にはムシャラフ大統領の任期も終わりそうだったから、あの時のムシャラフ前大統領には焦りがあったと想う。
しかし、今回の「国家反逆罪」にしろ、何にしろ、根本は現首相ナワーズとムシャラフの(個人的な)深い因縁(恨み)かもしれない。 ムシャラフが軍のナンバー2だった時、海外視察から?だったかの帰国の折に、ナワーズはムシャラフの飛行機をカラチに着陸させまいとし(その直前にムシャラフの上司のナントカ大将を更迭した等、権力闘争があった)  その翌々日だったかに「自分の命を守るためにもと???ムシャラフはクーデターを起こした」ことになっている。

静かな軍事クーデターを起こした後、逆にシャリフ首相を終身刑だったかにしたムシャラフは、シャリフに対して刑務所内でひどい扱いをしたことは有名な話であり(長くなるから書かないが) お互いに死ぬまで恨みを抱えて行くのだろう。
だから、シャリフ政権になって、今度はムシャラフが終身刑の判決を受けるン可能性は高い。もっとも最終的には何年かすればサウジアラビア辺りが「手打ち」のために出て来て、ムシャラフは再び海外へでることになるであろうが。

前首相ベナジール・ブット、元大統領ザルダリ、現首相シャリフ、前大統領ムシャラフ、いずれもいずれも過去の失政や汚職を忘れて海外から帰国し、政権に就く(就こうとする)権力志向が凄い…


ナンガパルバット事件には新たな進展は無し。

昨日のナンガパルバットの事件では… 犯行声明は出ているが… オバハンには少し腑に落ちない。
当事者、もしくは今回の事件の取材のために現地へ行った者の話が直接聞ければ良いのだが、と思って知り合いへ電話をしてみるが、誰もつかまらない。こういうこともあるのだなぁ~と不謹慎ながら好奇心を満足させられなくて嘆いている。オサマビン事件の時は3時間という近い現場だったから、すぐに記者たちをつかまえて話が聞けた。結果、アメリカのでっち上げだと判断したが。

未だに当地の新聞記事も現地を知らない記者が書いたらしく、間違いが多くてチィッとも内容がつかめない。まったくなぁ… もしも事件の現場が報道されているように、ナンガパルバットの北面フェリメドゥであるならば、多くの知り合いがいて怪我でもしていないかと案じられる。このフェリメドゥへには大昔、登山学校を建てようとして購入した土地もそのままあるし。
しかし登山隊が入るのならば北西面のディアミールである(一部報道は、ディアミールと書かれてある)。だが、このディアミールであるならば、ベースキャンプまでトレッカーの足で3日はかかる。
3日間も、あるいは2日間も歩いてテロリストたちがベースキャンプへ行ったのか? それならば誰が手引きと言うか、案内をしたのか?と。

フェリメドゥへもディアミールへも徒歩開始地点までジープ道は1本だし、外国人ではない登山者やトレッカー、地元民でないものは目立つ。 またほぼ必ずジープも使っているだろうに… 
襲撃時には民兵の制服を着ていたというが… そんな怪しげなトレッカーは居まいに。まぁ、現場を見た者から話しを聞くよりはないな…

警察および治安部隊は37人の容疑者を検挙し、ただいま尋問中と言う。地元は殺人犯を早く逮捕せよと、商店街を閉めてストライキをしていると言うが、容疑者たちへの尋問や拘留が長引けば… さらに「ややこしいこと」になる。なにしろ、このディアミール地区の人間の荒々しさは半端ではないからな。
地域を挙げて暴動になり、カラコルムハイウエー封鎖は普通だし…

あと2週間でラマザン(断食月)が始まる。昨夏は宗教抗争でカラコルムハイウエーが走れなかったり、治安の悪化で観光客には酷い年だったが、今年もか…と残念でならない。

一年中で一番暑い夏至を迎えたが、今夏で一番暑かったのは6月11日、首都では新記録の48℃が出た。さすがにこの9~11日までは日に数回アタマから水をかぶった。いやいや凄い暑さだった。12日未明から毎未明4日間、1時間ばかりの雨に助けられて、先週は息を継いだが今週は「夏至」だもの、暑い。電力事情は相変わらずで41℃を超すと停電が1時間おきに来る。昨年もお世話になった蓄電式の直径25㎝ほどの扇風機がなかったら頭がどうかなると思うが、この暑さの中で電気もなく、多くの人が生きている。

今朝は早くから事務所の者たちは「ナンガパルバット事件」の取材で追われたみたい。一応、犯行声明は出たが…なんだかスッキリしない事件だわ。某通信社やNH●などが配信している記事は、たぶんにナンガパルバット周辺の事情と地理が分かっていないから、多くの間違いがある。が、ウクライナ人やロシア人など計10人の外国人が殺害されたのは間違いない。
それにしても、昨夜12時頃の事件が数時間後に警察や、首都に届くのだから、通信事情が良くなったのだと思う。客を放ったらかしにしてすっ飛んで逃げたガイドからの電話であろう。

事件後、ギルギット・バルティスターン州の治安が確保出来ていないと、現地ギルギット・バルティスターン州の警察総監などが左遷されたというが、テロ????を未然に防ぐのは至難だ。そして、今回の事件が[犯行声明が出ているとしても]純粋にテロだと言い切れるか、どうかは怪しい。

今朝は日本からの登山隊が1隊出発した。また昨夜はK2登山隊のメンバー8人がイスラマバードへ到着した。しかし今夏は雪が異常に多くて、なかなか大変な登山になりそう。

アメリカの無人機によりTPP武装勢力のナンバー2が殺害され、武装勢力による報復攻撃がないともいえないとかで市内は厳戒態勢。6月1日から毎日のように先の総選挙によって当選した議員たちの(国会における)宣誓式が次々に執り行われているが、子供たちは学校からが早退だったり、なんだか忙しい。
きょうは首班指名候補者の登録だ。明日には首相が決まり、首相の宣誓も執り行われる。新しい首相が生まれ、電気事情をはじめとする、インフラなども少しは改善されるのであろうか?

シャリフ(首相予定者)は早々とインドのシン首相と会談、原子力協定を早期に締結するため交渉を加速することで合意したと過日は伝えられているが。


最近、興味の対象が広がっている。今までみたいにパキスタンとアフガンを中心とした地域だけではなく、もう少し広い地域に興味を向けるようにしている。以下の記事を見て、何を感じるか??

http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html

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