2013年01月

本日はEid Milad-un-Nabi預言者ムハンマッドの誕生日だったと思う。薄明の中で祝砲がマルガラの丘にあたって殷殷と響き市内へとはね返って来る。きょうは晴れそうだが、国内には相変わらず暗雲びっしり。

首相の汚職疑惑を調べていた捜査官が官舎で扇風機から首を釣って亡くなっていたのを、国民の誰もが自殺だなんて思わなかったが、汚職政権に連なる当局は「自殺」と断定。
しかし誰がどう好意的に考えても「首相の逮捕を回避したい政府の仕業」としか想えない。TVのインタヴューに答えて、自殺と断定された捜査官のお兄さんが、「弟が亡くなって得をするのは誰だと思うのか?? 汚職で追及されている政府首脳の18人の中に犯人がいる」と息巻いていた。
現汚職政権と18人全員(そして現政権に連なる幹部の殆どが汚職官僚も)がグルだもん… 
言ってはナンだが… 現政権の構造は「やくざ」さんに似ていて、上納金システムもあるという噂だから、首相が受け取った賄賂は当然、上納されているということだわ。
そしてようやく最高裁が独自捜査に乗り出すと発表だが、「行動が遅いわ!!」とオバハンなどは怒っている。どこまで追及が出来ることやら…

汚職を追及していた捜査官の家族については、国から約2000万円の弔慰金が支払われると2日前だったかの新聞で報道されていたが、これについても国民は「口止め料」と解していた。しかし、昨日のTVによる家族の話しぶりでは、口を閉じる気にはなれなかったのが判る。
汚職追及の捜査官死亡については、首相やザルダリ大統領ら、政権側の要人は一切コメントしていないと。

過日、最高裁が首相の逮捕を命じたが、汚職問題を捜査する政府機関の長官が17日、最高裁法廷に出廷し、「逮捕に踏み切る証拠が集まっていない。報告書に不備があった」と逮捕拒否する姿勢を示したので、最高裁では、すべての捜査資料の提出を命じ、逮捕の是非を最高裁が判断する考えを示した。

とにかく首相の逮捕撤回というか、再調査とのことで国民を愚弄しているのか!!とオバハンは怒り心頭に達していた。が、首相の汚職問題を捜査していた高官が一昨日、官舎で天井から首をつって死亡しているのが見つかった!!とのニュースに「出た!」と再び叫んだオバハン。 パキスタンでは宗教的に自殺は極々僅少だ。どんな理由にせよ自殺をすればアッラーの御許へは行けない!! 
おまけに(どこの家にもある)ピストルでの自殺ならともかくも… 天井からの扇風機に紐をかけての首つりなんてありえ~~~ん!!と新聞を見ながら喚いたオバハン。(これまた詳しくは書けないから悔しいが)
警察が自殺かどうか調べているというが、自殺などは絶対にあり得ないと殆どのパキスタン人が感じた。

汚職捜査局のスタッフたちは、昨日から亡くなった高官との連帯(結束)を示すために黒いアームバンドを着用し、暗黙の抗議をしたというから、この問題につき現政府はどんな決着をつけるのか?? しかし…こわいなぁ~現政権に楯突いたら…


当国では… 何事につけ真実を伝えようとする者には大きなリスクが伴う。 パキスタンがジャーナリストにとって、最も危険な国の一つと言われるのもむべなるかな…

抗議の大行進(集会)初日、14日朝から夕方までは純粋に集まった人で、国会前(大統領官邸前)大通りは抗議の先頭集団から約5.5km地点までイッパイだった。しかし3日目からは参加者が徐々に減り続け(夜の野外は骨まで凍みる寒さ) 2時間の降雨で集会参加の列は800m、カドリ師の神学校から集まった1万人くらいになってしまった。 が、一人の逮捕者もなく死者もなく終わって心から安堵した。

超腐敗政権打倒の抗議集会4日目、政府からの回答(政府首脳との協議)は3回目のデッドラインを1時間過ぎた午後4時から始まった。協議が始まるころには雨避けのシートや傘がキチンとたたまれ、整然と協議を見入る若い参加者たちには何度目かの感動を覚えた。カドリ師の薫育の賜物なのであろう。

誰がカドリ師の梯子を外したのかはしらない。もしかしたら軍なのか、野党連合党首の誰かなのか… 
政府がカドリ師の要求を一部飲んで、議会の早期解散(総選挙を早める)等に合意し、カドリ氏は「勝利」を宣言したが… 「現政権の即刻退陣」は合意に盛り込まれなかった。  
なんだかなぁ… 疑問の残る結末だわ。いったいどんな取引があったことか…

また。過日は最高裁が汚職首相の逮捕を命じたが… 『汚職問題を捜査する政府機関、国家説明責任局の長官が17日、最高裁法廷に出廷し、逮捕に踏み切る証拠が集まっていないと逮捕を拒否する姿勢を示した』って。
そんなの、ありなのぉ???って感じ。 おまけに… 集会の間は殆どなかった停電が、今朝から再び定刻通りに始まった。国民を愚弄しているとしか思えない。

カドリ師の「勝利宣言」に学生たちは整然と今朝未明までに首都から退去。何時ものように物見高いオバハンは朝早くから大統領官邸前の道路へ偵察。 集会場となった道路4kmは首都開発公社清掃局とカドリ師の手配した人たちであろうか、清掃と後片付けに追われていた。(充分な人数とは言えないが)後片付けの人まで置いて行った主催者側は立派だと思う、通常パキスタン人は後片付けや掃除等を自分たちではしないから。

現(超腐敗)政権に対する抗議の大行進。一般国民は電気なし、ガスなし、水なし等々の生活苦を解消して欲しいと念じていたが、腐敗政府はノラリクラリに終始、抗議集会の指導者カドリ師の要求に回答せず。

おまけに昨日は野党連合が挙って、この抗議集会への参加を拒んだことで残念ながら勝負はついたかな… 
先ほど超特急で「偵察」に出てみたら、集会人数がやや減っていて疲れが見えていた。 しかし街は平穏、通常の生活が営まれており、この種の集会としては物凄く統制が保たれていて、ただただ感嘆する。
雨もパラついて来たし、神の恩寵にも陰りが見え、今夕からが山場かな…  
抗議集会側の「勝利」は覚束なくなった感じ。 最後は「力づく」で政府が集会を蹴散らすのだろう… とても心が痛む…

国内最大の証券取引所(カラチ)は最高裁から首相への逮捕命令が出た、抗議の大集会2日目、僅か10分で500ポイント(約6%)も下げて投資家をビビらせたが、いまは何とか元へ戻している。

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4時間前にブログを更新、その30分後(12時昼)から街灯を必要とする暗さ、雷、土砂降り。
大集会の参加者の多くは4日間、良く頑張ってくれたと思う。しかし、こういう集会は「引き際」というのも大切だとシミジミ思った。そして根回しも。根回しに関しては、していない筈はなく、きっと何処かの政党なり機関が裏切ったのであろう…

土砂降りの中、大きなナイロンシートや雨具のない人たちも居て、本当に見ている方が辛かった。オバハンの家は集会の中心(先頭集団)まで1km足らず。雨よけのシートを運んであげたいと思いながら、何も出来なかったことをお詫びする。

昨夜も寒かったが、きょうも晴れた!!!しかし天気は下り坂になって来たようだ。今のところ抗議の大集会側は神の恩寵によって好天に恵まれている。 一雨くれば集会は散々のものとなるであろうと、オバハンは初日より凄く案じているのだ。今朝は参加の女子学生たち全員が、薄いナイロン地のシートをポンチョのようにして被り、テルテル坊主がズラリと並んだようだった。ナイロンシートは夜露や風よけとして幾らかでも役立ったことだろう。どうぞ今夜も雨が降りませんように。

市内に掲げられた垂れ幕(横断幕)には、カドリ師と前大統領ムシャラフの写真が載せられていると昨日書いたが、カドリ師側のスタッフが垂れ幕を引き下ろし破って歩いていたとのこと。元大統領のムシャラフ側はカドリ師に無断で??垂れ幕を作ったらしい… カドリ師は軍部との関わりを必死で否定している。また昨日タイミングよく出された最高裁の判決について巷は(パキスタンらしく)最高裁とカドリ師は関わりがあるのではないか??と言い出した。
万々が一、軍部や最高裁がバックアップに付いているのならば…… そして、もし…アメリカがカドリ師の後ろについたならば… 国民による『民主革命』は成功するであろう。中東チュニジアだったかのジャスミン革命、エジプトの民主革命のように…

過去、パキスタンでは何回かの社会改革らしきものに「学生の力」を無視できず、官憲も「大学生」を恐れたものだった。今回、集会の先頭に立っている(立たされている)のは女子学生が圧倒的だ。
官憲も女子学生には無茶な暴力を振るわないだろうとの作戦ではあろうが、それにしても女子学生たちのシッカリした自己主張能力の高さは見事だ。

またMQMは300万人を動員するといいながら腰砕けで?最終的に参加しなかったが、昨日はカドリ師に電話会見を申し入れたと。早くも日和見、素晴らしい。この20年だか30年だか、常にどの政権にあっても内に入り力を持ち続けてきた政党らしい。

きょうのスピーチでカドリ師は、政府に対する4つの要求と共に、パキスタン正義行動党のイムラーン・カーンに共に抗議集会への参加をするようにと呼びかけたが、正義党は参加しないと。また野党々首合同記者会見が行われ、カドリ師の行動に対して批判的だった。 しかしカドリ師は、市民にも「この抗議の集会に参加せよ」と呼びかけている。

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