2012年11月

ようやくネット回線が普通に動くようになった。とはいえ、普段でも酷い日は1~2分ごとにブツブツと一瞬、切れるのでオバハンの好きなネットゲームなどは出来ないが。

週末の金土日はシーア派の宗教的な「感情」が最高潮を迎えるアーシュラーと呼ばれる日で、シーア派教徒のエネルギーが爆発、『流血の行事』と表現されることもある。 このシーア派にとっての最大宗教行事を迎え、パキスタン全土で厳戒態勢。正規の警察官や軍隊以外にもボランティアでの警備員というか、警察官??紛いとでも表現すれば良いのかが何千人も出動して警戒。 そして『爆弾』は携帯電話を使って爆発させられているとの情報もあるらしく、政府は携帯電話のサービスを一時的に中断した。また一部の都市では爆弾テロに使われることの多いバイクの利用を2日間にわたって禁止する等の措置を取ったと。

確かにバイクの2人乗りは、後部座席に坐った者がショットガンをぶっ放して遁走するというのが間々ありで、実に危険極まりない。(普段は車を持たない家族連れが、運転する人の前には(燃料タンクの上に)幼児が2人、後部座席に子供を2人抱きかかえた女性が座るというのは普通に見られ、ほほえましく何時も上手い写真が撮れないかと想うのだが)
なにかの拍子に渋滞が酷くその折にモスクや目立つ欧米系の施設などの近辺で身動きならない時、バイクや怪しげな車が横に並ぶと本当に不安だ。(きょうは週に3日間だけのCNGガスの販売日とかで、ガソリンスタンド前は長蛇の列) 久々に渋滞に巻き込まれゾッとした。

とにかく厳戒態勢を取ったにもかかわらず、全国的に爆弾テロや自爆テロが頻発した。(主にシーア派のモスクを狙った過激派スンニー派によるテロが多かったが) でも、きょうは何事もない週明けとなって一安心かな……

日本ではG-8サミット(主要国サミット)が開催されているが、当地ではきょうからD-8サミット(発展途上イスラム諸国8ヶ国)の首脳会議がイスラマバードで開催されている。
大使館街、外交団地区、会議場に近いオバハンの家の上では、ヘリコプターによる空からの警戒が朝夕ともに厳しかった。 大使館からの注意に従って、本日の買い物は超近場で過ごしたが、市内の道路網の警戒は厳重を極めているらしく走行には大きな制限ありと。多少の制限は我慢が出来る、とにかく何事もなくサミットが終わりますように!

今週明けは早々と息子の娘たちの学校から、サミットとイスラーム、シーア派の宗教行事で通学できない時を見越してと… PC前での授業予定が組まれていた。 学校の予想通り、本日の厳重警戒下では通学時間が把握できないこと、テロの可能性もあって自宅授業となった。 6歳と4歳が通学時と同じように9時近くには(出席を取るらしくて)PCの前に座っているのを、時代が変わったンだと半ば呆れ、感心しながら見ているオバハンだ。

11月16日よりムハラム月に入り、シーア派の宗教行事アシュラは土日に最大規模を迎えるとあって、シーア派モスクの近辺へは絶対に近寄れない。10年以上前まではシーア派の教徒たちが鎖やナイフで身体を叩き傷つけるのを街路に出て眺めたことだが、こう治安が不安定では気軽に出歩きも出来ない。カラチではムハラム月に入って早々から、そして昨夜はピンディでテロでは…… 何時になったら安心して暮らせるのか。

イスラマバードでもプラタナスが紅葉し、通りでは街路樹からの落ち葉が風に舞うようになった。きょうは久々に雲が厚くなり秋の深まりを感じさせる暗い日だ。 
先般、ニュースの前に流れる「NHK国際プレミアム放送」の海外安全情報を見るともなしに見ていたら… イギリスでは秋の深まりと共に、『季節性のうつ病』とやらになる人が多いから注意するようにとの警報!?!が出ていた。 日照時間が減って行くと気分も滅入って鬱になるから、なった場合には信頼できる相談員にかかるようにと、懇切丁寧な???放映だった。解らないでもないが、季節性うつ病とは危険な伝染病やテロと同列らしい。

さてさて、日本。この10日間ばかりニュースの度に「うぅ~~~ん…」とわけもなく唸って声が出てしまうオバハンだ。みんな、みんな、政治家たちは国民のことをどう考えているのか??? パキスタンにも希望はないが、日本にも希望はない。 かっては世界に誇れた??日本(人)であった筈なのに、いまや…先進国だった日本は地に落ちた感ありだ。 そうよなぁ~~ 政党交付金が欲しさに駆け込みで新党の設立を目論むやら、なんやらかんやら… とにかく何から何までオバハンのお気には召さない日本だ。 
大使館から在外投票の案内が来ていたが、今回はシッカリ読みもしなかった。 オバハンの日本国民としての「意識」も欠落してしまったのかも。仮に投票所へ行かなかったとしたら… 投票権を得てから初の権利放棄となる。

いやいやオバハンの日本国民としてのプライドは残っている!! オバハンの大好きな野外大バザールの中古品売り場では衣服、靴、家具、寝具、台所用品等々。生鮮食料品以外は結構、良質のものが格安で何でも揃う。そこでは秋には冬物を、春には夏物をスタッフたちのために毎年、大量に買い込むオバハンだ。しかし中国からの中古品だけは… 自分自身のためには絶対に買わない~~~ 立派なプライド、愛国心だわ~~ということで!

武装勢力タリバーンに襲撃されイギリスで治療中の少女の映像が日本でも放映されたり、新聞でも報道されているせいで、長年パキスタンで女子教育に関わっているオバハンにまで「大丈夫ですか? 安全をお祈りしています」とメールを頂く昨今だ。

彼女には世界中から励ましの手紙等が届いているという。そしてイギリスの元首相(教育問題の国連特使)がパキスタン大統領に本日会い、すべての子供への教育の機会を求める100万人以上の署名を提出すると。大変、結構なことだ!

しかし、このところTVで見かける彼女の表情は(治療のためにイギリスへ送られ、日増しに良くなっているはずなのに)、イギリスで意識を取り戻し、家族に会えた日よりもずっと暗くて痛々しい。 世界中からの応援には感謝をしつつも、賢い彼女は思春期の真っただ中で現状に戸惑い、今後に対する不安やプレッシャーに揉まれているのだろうと案じるオバハンだ。 
父親は、「娘は殺されかかったが、立ち上がった。娘が倒れたとき、パキスタンが(武装勢力に対し)立ち上がった。これが転換点だ」と言い、『事件によってパキスタン社会が一致して暴力に反対するようになったとの認識を示した』と報道されているのだが… 娘が政治上で欧米などに上手く使われていることには何も感じないのであろうか? 

確かに、この痛ましい事件では世界中で女子の教育へとの目が向けられるようになった。世界中では女の子の3人に1人は教育を受けられないという。 オバハンのアフガン事務所の運転手は自前の車も持ち(アフガンでは)中産階級に属するが、8人いる娘の一人も学校へはやっていない。
わが身の平和ボケ、幸せボケにも気づかず、学校へ厭々行く(行った)我々の多くにはなかなか信じられない社会現象だが、オバハンが子供を健やかに育てるためにも女性には教育が必須!と声高にして30年だ。

またまた暫くブログを休みましたが、ビョーキではありませぬ!

アメリカの大統領選挙にも決着がついた。 アメリカに次いで世界第二の経済大国となった中国では共産党大会が始まった。 ファザコンであったオバハン個人にとって「共産党大会」という単語は、幼い頃の思い出と共に深く繋がっている。戦後初の第8回の共産党大会に日本から(戦前の活動家)数人が招かれ、その中に父も入っていたのだ。もっとも当時は日中に国交はなく父は中国へは渡れず、中国に憧れたままで亡くなった。そんな父の影響で長い間、中国贔屓であったオバハンだが10数年前から中国に対して批判的な目を持つようになってしまった。今、父が生きていたら中国の発展と多くの「野望」に富んだ国家運営をどう感じるのだろうか?

第18回共産党大会、胡錦濤総書記は2020年までに国内総生産と国民1人あたりの収入を倍増させるとの目標を掲げている。 目標は目標であるが、もの凄いことだ。 となると、インド洋沿岸の港湾建設を含め、『真珠の首飾り』戦略、尖閣諸島もろもろの領土問題は、中国が世界の資源を確保し、国民を食べさせて行く上でも絶対に譲れないことだ。 オバハンの偏見に満ちた目で見つめると、次期指導者の習近平は胡錦濤の上を行きそうな強硬派の男に見える。
世界第二の経済大国となった中国、日本はどう足掻いてもなんともならんわな… いつも思うが、15億からの人口を食べさせて行くためには形振りは構っていられないだろう。


タリバーンに撃たれた少女をめぐるニュースは(パキスタンでは)減った。その分、世界中のネットで彼女を守る活動や署名活動が広がっている。「世界では女の子の3人に1人が貧困や紛争、差別によって教育が受けられない。この銃撃事件は生まれた国に関係なく、すべての女の子が教育を受けられる社会を実現するために、皆で立ち上がることを世界中の人々に訴えている」と言えると。
結果論から言えば、間違いなくその通りだと思う。

そう思いながら、ここに問題を向けた手法と言うか、なんというか…に一旦、生じた胡散臭さをぬぐえないでいるオバハンだ。 女生徒たちが乗った車に近づき、名前を確認してからタリバーンが「撃った」というが、そんな至近距離で撃った弾が頭を貫通することもなく、脳内に止まったというのだから、どんなヘロヘロなピストルだったのか?? 一緒に車に乗っていた2人については負傷をしたと言うだけで、その後の報道もないし、深い事情があるようだ。 彼女たちをダシにして、何かをなそうとする大人たちは許せない気がするのだが… チト青いかな…

彼女の通っていた私立女子校はスワット地方でも優秀さでは群を抜き、撃たれた少女だけではなく、すべての女子生徒が優秀だと言うのは、その私立女子校に寄付をしたことがあり、撃たれた少女の父親とも会話を交わしたという女性の話だ…  貧しい家庭では私立学校へ子供を通わせることは出来ない。貧しい学校へ寄付をせず、優秀な女子校へ寄付をしていた女性の事情は知らないが… 

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