2012年10月

タリバーンに頭を撃たれた少女、自力で立ち上がるまでに回復~~~ いやいや、本当にめでたい!!!
で、イギリスでは少女を反イスラーム過激主義の象徴にしようとする動きが起きていると!! 

すでに彼女はパキスタン政府から2年前に国民ナントカ賞を受け、欧米でも2年前から『象徴』として注目されていたところに今回の事故であるから、反イスラーム運動の象徴にしようという「話」は唐突ではないというのが、パキスタン報道関係者たちの話だ。 昨夕も9人もの報道関係者たちが集まり、彼女の家族関係等々についての「お話」いっぱい。

BBCの放送によれば、彼女は銃撃後、初めて立ち上がったほか、自分で書くこともでき、「自由にコミュニケーションをとっている」と。 先進国の医療水準は「さすが~~」だ!!  脳だか首だかに止まった弾を(近距離で撃ったわりには貫通せず)取り出すのは大変で、脳浮腫を起こし呼吸もままならず意識不明の重体で、イギリスでも長い治療を必要とするとのことから想えば、実に「奇跡的な回復」だ。 全国民の祈りが神に届いたのであろう。 めでたい、本当にめでたい~~  しかしながら… 欧米の深慮遠謀にはまったく驚くばかりだ……  
パキスタンのアウンサンスーチーの誕生みたいなものかネ!???とオバハンは考えてみたが。

長い長い蒸し暑かったモンスーンの後、9月半ばから3週間ばかりは乾いて最高の快晴だった。しかし、それも未明の時雨連続2日間で一気に気温が下がり、本格的な秋だ。 数年前のパキスタン大地震10月8日:(死者8万6000人、被災者400万人、崩壊した家40万戸)の後も平野部では時雨が続きカシミールの山間では氷雨、支援活動に奮闘したオバハンたちでさえも凍えそうだったのを思い出したわ。
 
パキスタンの貧困度は、一昨年の大洪水:被災者2000万人と、年々酷くなる停電続きで工場が稼働せず失業者が大幅に増えたり等、以前に比べると貧しさに拍車がかかっている。 2005年くらいだったかのUNICEF調査では1日1$以下で暮らすパキスタン国民が50%になったとあり、「あぁ、少しは貧困度がマシになっている!」と、オバハンを喜ばせたものだったが…… 今年は天候不順で農作物もダメ、おまけに原油の取れないパキスタンでは燃料が生活水準に比べると高く、輸送費がかかり諸色は値上がるばかりだ。
当然、家でまともに食べられる人は減って、オバハンの事務所でも朝昼夕食を極力、摂ろうとするスタッフが増え毎食20数人分を用意する。 仕事のない地方では更に生活は厳しいことだろう。 だから(オバハンの皮膚感覚によると)パキスタンでは1日1$以下で暮らす国民が50%をウンと超えたのではないかと想えるのだが。
ここ数年のパキスタンは本当に神の御恵みから遠い。

前置きが気が長くなったが… オバハンの主唱するギルギットの母子センターNWAでは子供たちに、公文式に似た「NWA方式」の算数教室を開いて4年くらいになる。 貧しい家では両親ともに食べるだけに必死で、大概が(両親ともに) 読み書きも出来ない。パキスタンの学校では毎年進級試験があり、貧しい家の子供たちの多くは3,4年生の算数で落ちこぼれる。5年間の義務教育でさえ満足に受けられない子供たちは、口減らしのために衣食住が無料の神学校へ送られ、そこでコーランを暗誦するだけとなり、普通教育の機会から遠ざかる。
1人でも(算数による)落ちこぼれを無くし、狭義で偏ったイスラーム原理主義的な思想から子供たちを遠ざけ、武装勢力などに身を投じないようにするという三段論法的な「算数教室」だったが、地域での評判は良い。 NWAのセンターで学ぶ子、約200人余が成績優秀者表彰の式典に参加、また自主的に熱心な母親たちも10数人が参加、賞品授与(カバン 筆箱など等)を盛大な拍手と共に見守ってくれました。 センターへ通って来られない子供たちには近隣の村8か所に算数教室(一部縫製教室併設)があり、そこでの表彰式は順次おこなって行く予定。
http://npo-nwa.at.webry.info/(ギルギットの夜明け)

仕事柄(旅行会社の他に、首都では大手に入る広告代理店を経営している)我が事務所には、普段からパキスタン人の新聞記者やTV報道関係者がたむろしている。で、報道の裏話等をも聞く機会があるのだが…… 先般、スワット地域で武装勢力のタリバーンに襲撃された少女についても色々と聞いてしまった。

そのうちの幾つかはオバハン自身が感じていた疑問で、パキスタンで最も栄誉あるナントカ賞を受賞したのが12歳。12歳の少女が書けるブログではないというのも疑問点の一つだった。またパキスタンでは最も閉鎖的な地域、パシュトーン族に生まれながら、どんな家族の中にあって、そうしたブログが書け発信出来たのか等々、等々。 新聞記者たちから詳しい事柄についての確認が出来たことで納得をしながらも、悔しいがまたまたここには書けなくって残念だ。しかし何にしても「裏」のある話だということだ。

まずは彼女が襲撃されたことへの同情と、かつ朝から晩までTVは彼女に関する報道ばかりで、お人好しで直情的なパキスタン人の多くは簡単に洗脳され、先週金曜日の礼拝は「彼女が命を取りとめ回復するように」との全国的な取り組み(礼拝)になったと報道関係者たちは口を揃える。
おかげで預言者ムハンマッドへの冒涜に対する抗議と、無人機による無差別的な攻撃に対する反米活動への「眼」が逸れたと。

パキスタンの報道関係者たちの眼は厳しい。スワットから軍のヘリコプターで首都へ移送されて来た時の服装は、ヘリコプターに乗せられる時と降りる時では違ったから、どこで着替えたのか?とか。首都一番の病院ではなく、機密の保たれやすい軍病院に運んだとか等々、等々、等々。

いずれにせよ、「裏」があろうとなかろうと、彼女の傷が発表されているほど酷くはなく、1日も早く治るようにとオバハンを含め、多くの人は祈っているが。

昨日は息子の娘たちの学校行事に誘われ、珍しく出かけた。インターナショナル・スクールらしく各国の紹介や生徒たちが歌や踊りの披露。敵国インドの生徒数の多さと、かつ堂々のインド讃歌にも驚いた。また韓国も「我が祖国!」と歌い上げた中で、日本の「さくらさくら」の踊りを見ながら、そういえば日本の国そのものを讃える歌がないことに気づいたわ。子供の時から「我が祖国、愛する祖国、偉大な祖国」と歌い上げるのは大切なことではなかろうか。 子供たちの学校行事などには1年に1回も行かないせいか、なんだか気疲れして昨夜は早々と寝てしまい、今朝は当然、早くから目が覚めた。 

TVはニュース以外は見ない、それもチラリと眺めるだけだが、今朝は5時からNHKドラマの最終回、負けて勝つ。吉田茂「このドラマは歴史の事実に基づくフィクションです」という字幕を目にして、はて?なんだ??と珍しくドラマなるものをメガネをかけ直してまで見てしまった。
そしてドラマとはいえ、吉田茂を今になって何故、英雄扱いするのか?と考えた。NHK、うさんくっさぁ~~~~

日本における憲法9条の扱い方(まるで若者よ、いまこそ日本を守るために再考せよと言っているみたいに感じられた)、米軍基地の維持や不必要なオスプレイ等々、アメリカに押し付けられている諸問題イッパイの昨今、このNHKドラマには大いに作為的な意図を感じるのはオバハンだけではあるまい。
民主党が政権を取り、日本が少しは変わるのかと期待したが、自民党時代よりも更にすべての面でアメリカへすり寄り隷属してしまったのには落胆もいいところだ。(民主党からは我がNWA-日パ・ウエルフェアー・アソシエーションの理事が参議員として出ているから彼(田城カオル)自身を応援はしているが、自民党や民主党を支持したことはない。もっとも最近は支持したくても支持できない政党ばかりになってしまったが……)

とにかく… NKHは、この時期に何が言いたいのか??????もっともNHK自体の存在が公器とは言い難い胡散臭いものだからな… このまやかしドラマ吉田茂で彼を英雄視し、安保の存在等々を納得してはなるまい。 NHKによるアフガンやパキスタン関係の報道にも、「ン????真実とは言い難いわ。オカシイわい!」とオバハンが感じるものが間々あり、「こりゃぁ…現地コーディネイターの言うがままに撮っているな」と。 NHKに限らず、どの報道も裏面というか、「何が言いたいのか?」を考えながら見なくっちゃ…危ない、危ない。



さて先般、スワット地方でタリバーンに銃撃された少女、脳から弾丸の摘出手術を受けたが脳浮腫を発症し、意識不明で重体のままだ。パキスタン外相は、「自分たちの主張に従わせるために暴力を行使する者に対し、パキスタン国民や世界中が立ち向かわなければならない等々等々」と述べたのに対し、タリバーン側は「イスラーム教とシャリア(イスラーム法)への敵対を説くものは誰であれ、シャリアによって殺害されることを命じられる」との声明を出している。
外相(国際社会の中の)パキスタンと、タリバーン(イスラーム社会)は平行線だわ…

日パ友好交流60周年記念の一環として、日本から大型の経済ミッションが来パしている。パ日双方で当地で何が出来るのか??との一応(形だけの)模索なのだろうと皮肉な思いで見ているオバハンだ…… だがパキスタン側の日本に対する力の入れ方は、ザルダリ大統領自らが食事会を催すというので、少しは日本に期待をしているのかも。

しかし…… 最近、パキスタンについて絶望に近い思いを抱きつつあるオバハンとしては…… インフラの整備、特に電気事情が悪いこの国で何が出来るのか?という思いが強い。 おまけに外国人が自由に動ける地域は極端に狭まっている。治安の悪化は言われ出して久しい。しかしテロに遭うなどは交通事故に遭うよりは確率が低いだろう。 数々の悪条件がこんなにも重なるパキスタンで、お人好しの上、物事に対してシビアにイエス、ノーを言えず、イスラームに対する理解もないに等しい日本人が、どこでどんな事業を起こすというのか??  もちろん日本からパキスタンに大いに進出をして頂き、経済効果をもたらして頂けるのは大変有り難い話ではあるのだが。



昨日、旧北西辺境州スワットで14歳の少女がタリバーンに襲撃され、重傷を負ったと。彼女は、パキスタンの中でも特にイスラーム原理主義者たちの多いスワット地域に暮らし、アフガンと同様に、『女性の教育を制限しようとするタリバーンの脅迫におびえながらも、学校へ通う日常生活をブログにつづっており、18歳未満の未成年を表彰する目的でパキスタン政府が昨年、新設した国家平和賞を受賞していた』という。 
今朝は家族でその話になり、パキスタンの中では目立った行動、反イスラーム的な行動、目立つ服装等々を絶対に慎むべきだということで意見の一致をみた。 オバハンも過激な発言を4年半前から一切しなくなっている。 オバハン的には興味深く面白いと思える現象も、ブログに書いてしまえば何処でどんなふうに〇〇等へ伝わるか…ということを真剣に指摘され、反省したのだ。

他にも、ギルギットの母子センターへ通って来る女性たちが、オバハンの言動や服装で、「あんな外人のババァがいるセンターで何を習って来るやら?! イスラームに批判的なババァではないのか??」等の疑問を生徒たちの家人に持たれないよう、ひたすら現地化して過ごしているのだ。

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