2012年04月

インドの弾道ミサイル実験成功から6日、パキスタンも本日、核弾頭を搭載できる中距離弾道ミサイルの発射実験に成功した。 19日のインドのミサイル実験を受け、パキスタンも「絶対にヤルに違いない。 それでは何時になるのか??」というのがオバハンや多くのパキスタン人の関心事だったかも。
インドのミサイルが射程5000km、北京や上海をも射程に入れられ、中国をけん制できるのに対し、パキスタンの弾道ミサイルは射程3000kmくらいと見られているらしい。パキスタンにしてみれば中国は友好国なので射程距離は必要ではなく、より精度求めて改善してあるとか。

アメリカは中国に次いで人口の多い大国インドには甘々だが、イスラーム国でもあり弱小国のパキスタンに対しては様々な理由をつけアメリカにとって都合の良いように使おうとする。前回の「実験」では経済制裁を受け、パキスタン経済は10年余後退したと言われたが…今回はどうなるのかな。

インドとパキスタンは分離独立以降、敵対関係にあるが、つい先日、ザルダリ大統領が息子を連れてインドを訪問(大統領の訪問としては7年ぶりとか)。印パの関係改善に務めようとしているのには、パキスタン経済がさらに悪化して行きつつあること。
おまけに今春の天候… 実はまだ薄がけ布団をかぶっておリ、昨夜の最低気温は15℃だった。 ということは農作物の出来に今年は大きく影響するのではないか??? イザとなったら隣国インドからの援助や支援を望みたいとするザルダリの深慮遠謀といえるのかも。

いやいや涼しい。というか4月だというのに先週イッパイは寒いくらいで、週末などは夏がけの布団だけでは寒く、再びタオルケットを引っ張り出してしまった。かっての4月10日といえば40℃を超え寝られないくらいに暑かったものだが、きょうも薄曇り空で涼しく有難い。

先日、刊行されたネイチャー・ジオ・サイエンスとかによればカラコルム山脈では、21世紀初頭に微量ながら氷河が増加し、これは地球温暖化により氷河が減少する世界的な傾向とは逆の流れを示していると発表されているとか。カラコルム山脈の氷河は30年前に比べて大幅に痩せては来ている、しかし、ここ10年という短い期間で見れば降雪が多く、気温も低かったので氷河が増加したかもしれない。 世界的には温暖化というが、ここパキスタンに限って想えば温暖化はどこの話か??という感じだ。

温暖化は…というか、過熱しそうなのは… 再び力を持ち返しつつあるタリバーンか。先週末からのタリバーンの一連の動きは過激だ。 旧北西辺境州ではロケット弾やライフル銃などを使って武装勢力が刑務所を襲撃、受刑者の半数、約400人近くが脱走と。またアフガンの首都で大使館が集まっている中心部での派手な攻撃…。なかなか組織立った動きを見せたのは通信手段のなさしめる事柄の一つだと半ば感心している。

通信手段というのは、そして簡単に色々な情報が拡散され、手に入ることは一つの権利でもあろうが、恐ろしい結果をも招くものだと心せねばならない。オバハンもこの2年、凄く気をつけるようになっている。
何日間か前には、カーブル市内で女性のためのネットカフェのオープンが報じられていた。アフガンに於いてはなかなか画期的な事柄であるとして新聞は報じたのであろう。しかし、これなども現地の女性にとっては危険極まりない報道の一つであろう気がしてならない。 オバハンが911同時多発テロ以降、関わっている「アフガン難民を支える会-SORA」の縫製教室や識字教室は、この数年、文字通りヒッソリ、ヒッソリ目立たないようにして運営されている。

過日アフガンでは、女子校で給水器に毒が入れられ、その水を飲んだ生徒150人以上が中毒症状で入院したと。アフガンでは、まだまだ女性が学んだり家の外へ自由に出歩ける環境は整っていない。どこにでも「女子教育に反対する人」というには居る…
きょうは大掃除をしていてタリバーン時代に宗教警察が使っていた、10cmもの幅広の特殊な皮鞭を見つけ、あらためてタリバーン時代に想いを馳せてしまった。

一昨日は、お騒がせな日本人観光客が無事にイスラマバード(軍)空港へ軍用機で到着。それはそれで良かったのだが…… パキスタン国内のTV局も(主要局は10局くらいか? 地方局は数十局もあり、娯楽番組は極少でニュースが主と言える)30分おきに、『日本人観光客約80人が… 日本人観光客約80人が… 日本人観光客約80人が…」と、午後の空港到着から深夜までそのニュースを流したので、知り合いたちから「おい、大丈夫だったのか」と、またまた電話を受ける羽目になった。 某観光会社の日本人添乗員は軍用機の前でニッカリ歯を見せているたし… 金持ち日本人はノーテンキと思われたことだ。

明後日からイランとの核問題交渉再開が、半年ぶりに米英仏露中独の間で行われる。2週間近く前にイランに対する制裁を緩めると言ったオバマ。予想外のガソリン等燃料の高騰で支持率を下げ、大統領選を前に慌てたのであろうか。 ともあれオバマの発言を受けてか、今月に入って原油の国際価格は下がり、それが小売価格にも即、反映されたということだろう。
しかし… 相手はイランだものな… ペルシア湾を取り巻く状況はそうそう簡単に好転はすまい。なによりもイスラエルの強硬で生意気な(というべきか)イスラーム国を敵視する政策を改めて貰わなくっちゃ~~ アメリカはイスラエルを代弁しているとイスラーム国の一部(大半???)では考えている。アメリカがイランに対してどんなふうな「緩和」を考えているのか?!?! でも、まぁ「制裁緩和」と言い出したことで、アメリカはイランの強気に「負けた」と言えるのかも。
なんと言ってもペルシア湾を握るイランは日本を初めとする多くの国々の、喉笛に喰らいついている。そしてイラン(人)の底力、執念深さは侮れないと知るべきだ。

パキスタン政府派遣の軍用機C130でギルギットなどで足止めされていた日本人77人と、国境貿易や工事等の仕事で滞在していた中国人、観光中の韓国人とタイ人(たぶん宝石の原石買い付けだろう)約40人が昨日の午後イスラマバード(軍)空港へ帰着した。やれやれ人騒がせな旅行者たちだわ……
とにかく、オバハン自身は「自己責任で行きます」という一筆を旅行会社に入れて参加したことに拘っている。
日本大使館(外務省)は邦人保護の目的を達し安堵したかもしれないが、その前に団体旅行を催行する会社等に対して、「やるべきこと」があったろうと思う。

パキスタン最北東部シアチェン氷河での雪崩の現場には、軍の統合参謀総長キアニが到着、一人でも多く救助するべく指揮を取っていると。過酷な軍務に就いていた兵士たちの一人でも多くが何とか助かって欲しい。  
「敵国インドが雪崩を起こすべく、基地の上部尾根になんぞ仕掛けたのではないかいなぁ~」というオバハンの呟きに、息子が「アンタの頭の中は、ホンマにパキスタン人と一緒やなぁ~」と呆れた。いまさら何を言うか!オバハンの思考回路は正真正銘、パキスタン人でございますル!!

さて本日は数年ぶりで開催の民族祭へ行って参ります~  首都に暮らしていると本当のパキスタンが見られない。オバハンが心から愛するパキスタンを、息子の小さな娘たちに見せてやりたいと思う。

きょうも、「ギルギットやフンザで足止めを食らっているのが日パ旅行社のお客さまたちではないのか?」と心配をして日本から電話を下さった方々、メールを下さった方々、本当に有難うございます。

パキスタン北部で足止めを余儀なくされている日本人77人。ギルギットからイスラマバードへの移送が難しいとかで日曜日にもかかわらず日本大使館は忙しいようだが、他に騒いでいる大使館はないようだ。(日本人以外の観光客は数えるほどらしい)
パキスタン政府にある民間のヘリコプターは某NGOが保留する1つだけで、他はすべてが軍用ヘリコプターだ。 ネパールのように金さえ出せば気軽にヘリコプターや軽飛行機が借りられ、飛ばせるというものではない。 夏場の山岳事故で生死にかかわる時ですら(事故に備えて前金を何千ドルも軍へ払い込んであっても)、好天でないとヘリは飛んでくれない。 観光客達は緊急時への対応として「無料」で運んで貰うのだ。  「自己責任で行きます」と一筆入れての観光旅行、現地でホテルにいる限り身体への危険はない筈。騒がず文句を言わずに状況の落ち着きを待つべきだ。

おまけに印パ国境最東北部のシアチェン氷河で昨朝、雪崩が発生し現地に駐留するパキスタン軍部隊の詰め所がのみ込まれ、135人もの兵士が生き埋めになったというではないの。 こちらは軍務で悪条件の高所に留まっていた民間人11人を含めた135人の犠牲者だ。当然何人もの生存者もいるだろう。6000mもの高所で救助を待っている兵士もいるのだと思うから、1分でも早く救出して貰いたいと念じるが、シアチェン氷河付近も天候が悪くて作業が進んでいないという。

昨日はギルギットヘ固定電話が通じた。現地状況はイマイチで母子センターも閉まったままだ。
オバハンのPCは立ち上げに20~30分もかかる。なかなかエネルギーを必要とするがオバハン自身の命に関わることではないので不平不満を言わず、じっと我慢をしている。

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