2010年09月

まったくなぁ… イスラーム圏に暮らすオバハンなどからは、信じがたい行為と思えることが続いて起こるものだ。報道によると、「欧州主要メディアの編集者などで構成する学会が、イスラム教の預言者ムハンマド(マホメット)の風刺画を描き、イスラム過激派から殺害予告を受けたデンマークの漫画家に今年のメディア賞を授与した」と。 
報道の自由という面があるにせよ、世界のイスラーム教徒16億人(世界人口の23%)の神経を逆撫でする行為で、大変危険な一面をはらんでいる。

続いては、「アメリカ南部のキリスト教会が、911同時テロから9年を迎える11日にイスラム教の聖典コーランを燃やすイベントを行うと宣言した」と。この件については、パキスタンでも激しい抗議行動に発展するに違いないし、オバハンたちの支援活動にも必ず影響する。 アフガン駐留米軍の司令官が「米軍を危険にさらす」との懸念を表明しているが、アメリカに追随する日本を含む諸国の人間をも危険にさらすのは確実だ。 日本人のオバハンですら不愉快さを感じるのであるから、イスラーム教徒なら許しがたいと思うだろう。それにしても… なんという独善的な行為か。

コーランを燃やすイベントを行うと宣言した牧師は、「イスラム教が抑圧的で暴力的な宗教であることは明らか。米国はイスラムを歓迎しない」など声明を高らかに出し、イベントを強行すると息巻いているらしいがオバハンなどは、その言葉をそのままアメリカへ返したい。アメリカこそが世界で一番のテロ輸出国家であることは間違いないのに。

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NWA(日パ・ウェルフェアー・アソシエーション)は現在、北西辺境州の街、ノウシェラで支援を続けています。治安の悪い北西辺境州なので、日本からの援助団体HuMAと一緒に活動中。
また、アンチ・テロリストのスペシャリストと、コマンドが我々の警護に来てくれています。

1枚目の写真:
NWAと一緒に活動するHuMAのスタッフ。

2枚目の写真:
NWAのスタッフ、Missファラー
浄水剤の使用方法や正しい手洗い方法等などの指導中。

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NWAには洪水支援のための人手がない、資金もない。なんだかんだと悩んでいる間に7月末からの洪水はドンドン被害を拡大して行った。大好きなパキスタンに置いて頂いているオバハンとしては、ついに見て見ぬふりが出来なくなって腰を上げたのが8月半ばだった。 そして経費節減のためにと考えたのが、家から通える被災地ということ。 まずはパキスタン政府へコンタクト、5日間も水に沈んだノウシェラ方面へ偵察に向かい。ノウシェラならば比較的良く知った地域でもあるし、家から片道車で2時間だというので、町の郊外にいる約5000人を対象に活動を開始した。

パキスタン大地震直後は酷い裂傷と、それを放置しておいたための化膿。打撲、恐怖によるストレスと睡眠不足。それから1週間もしたら伝染性の下痢、脱水症状などが多かった。 
しかし今回の洪水では、日常的に使える水がないための病気ばかりだ。 先般は学校に避難している約60家族約500人を対象に。きょうのキャンプは国鉄の駅の敷地にテントが200張り(1500人)ばかり。いずれにも3つの水道蛇口があって、それで飲料水のみが確保できている状況だ。早い話が飲み水があるからと、被災者たちは「そこ」に(政府からの許可を得て)避難生活を営んでいる。

シャワーに入る余裕は一切なく、酷い皮膚病も眼病も、下痢も全て充分な水がないことが原因だ。 おまけにイスラーム教徒である彼らは、礼拝のためには特別な清めの儀式が必要だ。目耳、鼻の穴、局部を中心に手足などを丁寧に洗う。一度、トイレに行って不浄の身体になってしまえば、清めの儀式(ウズー)は一からやり直しとなる。 多くが水がないためにウズーが出来ないからと、トイレへ行くことも我慢している。 結果、物凄い数の膀胱炎の患者だ。 また、トイレへ行かずに済ませるために飲むのも控えており、脱水症状で病気を悪化もさせている。水がないために2重、3重の被災生活だ。

NWA最大の支援団体である(参議院議員 田城郁の所属する)JR総連では、大地震の時に続いて多大の支援金をお送り下さる予定だという。有難い!!

1枚目の写真:
国鉄構内の水道から1日分の飲み水を貰う男性

2枚目の写真:
60家族(約500人)に3つの水道蛇口のみ。シャワーをする水もありません。
顔と頭を濡らすだけが精一杯です。

昨日はアメリカの有名女優アンジェリーナなんとか(国連親善大使だったと思う)が、パキスタンへの洪水支援を訴えにノウシェラ市へ来たと。 洪水は巨大大地震のようにバッツン、ガーンと来る派手さはない。 しかし延々と地味に災害が続く大洪水の惨事は、地震より規模が大きく悲惨だというのを改めて認識した。
アンジェリーナは洪水への国際社会の関心を高めるのが目的と、昨夕、今朝はそのニュースばかりだ(たぶん、日本では殆ど取り上げられていないのであろうが)。 「これまで体験したことのない規模であり、被災者の状況に衝撃を受けた。自分の訪問で人々の注目を集められれば」と、支援を呼び掛けて頂いたことを、このパキスタンに住むオバハンは感謝している。 

昨日はペシャワール大学内で誘拐があったり、国連親善大使のアンジェリーナがノウシェラへ来たというので、イスラマのオバハンの事務所では反米運動などに巻き込まれねば良いが…と、凄く心配した模様だ。 そのせいではあるまいが、3時過ぎ、もう活動を終えようとしていた時に、中型トラックに立ったまま乗った男共50人くらいが診療をしている場所へ大声と共に雪崩込んで来たので、物凄く焦った。

オバハンたちにはアンチテロリスト専門の警備員、警察からはコマンドも警護に来てくれているが、彼等が一瞬、身を強張らせ身構えた時には、「しまった!」と久々に思ったものだ。荷物は早々と積み上げてあったから、運転手に急かされるままハイエース2台に私たちは飛び乗り、現場からは後ろも振り向かずに、そのままひた走りだった。 いったい何だったのか…

「8月下旬からアフガニスタンなどを歴訪した衆院海賊テロ特別委議員団=団長・石田勝之議員(民主)=は3日、在仏日本大使館で記者会見し、アフガンで会談したカルザイ大統領が、イスラム原理主義勢力タリバンに拉致されたとみられるフリージャーナリスト、常岡浩介さんについて、「(拉致犯と)突っ込んだ交渉を行っている」と述べたことを明らかにした。拘束されている地域にも言及したという。」が…

常岡さんは、すでに昨3日夜、アフガン北部のクンドースで解放されている。
以前は、中央アジア(チェチェンだったか)でも5ヶ月間だったから、今回も(予測通り)5ヶ月間だった。暑い中で、なかなか根気良く頑張ったなぁ~~とは、内情を知るものの意見というところか。さぁ…解放後の本人のコメントや、拉致の事実(真実)がどう報道されるのかと、とっても気になるところ。

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