2010年07月

ついこの間まではシャワーをする水にも不便さをかこったというのに、降りだしたら降るわ降るわ… そして、まだ降りそうな空模様だわ。 記録によれば1929年以来の大雨だという。

おまけに停電、きのうは通常の停電(5時間)以外にも5時間くらいの停電があったかな? どこか近くでズンという重い地響きがし、電柱上でスパーク。雨の中で火花を飛ばしながらの工事を深夜までしていたが、こうした漏電による事故での死亡者も全国では何人か見受けられる。
本当に電力不足なのか、どうなのかは分からない。しかし政府通達では、局長以下はエアコンの使用が禁止だと。局長以上も午前11時まではエアコンの使用が今週からは徹底されるという。この分では役所仕事はますます能率が落ちそうだ。サドマゾ生活を楽しんでいるオバハンですらも、実際問題としてエアコンなしの生活は厳しい。エアコンなしだと惰眠をむさぼるというか、ついつい寝ているだけの生活になってしまうからな…

ヘリコプターによるTVの俯瞰映像は(パキスタン国内)どこもかしこも水びたし、洪水のニュースばかりだ。 年間降雨量が50mmもないバロチスターン州など、また年に3日も雨の降らないカラチなどでも酷い降り方だ。畑も道路も水の下に沈んで、水牛が洪水の中を泳ぎ渡っている… 水が引けば次は伝染病の蔓延か…。 今朝はようやく雨が止んで時折、薄日も射しているが、昨日は我が家でも屋上からの配管を伝って酷い雨漏りだ。雨漏りというような生やさしいものではなく、ザブザブと家中に雨が落ちて来たと表現した方が良いかも。少し郊外へ行けば、コンクリートやレンガで造られていない泥を積み重ねて乗せただけの家などは、溶けて流れかけている。

カラコルムハイウエーは当然のことながらズタズタ。全国的に洪水での死者は現在300人を超え、50万人くらいの被災者が出、まだまだ被害は増えそうだ。

日本も局地的に大雨と言うが、イスラマバードも未明からドシャ降で、この分では終日雨になりそうだ。普段は家から見えるマルガラ丘陵が雨と雲の中に沈んでチラリとも見えない。 先週末に植え替えた多くの苗木のためには有難い雨で良い天候だが、飛行機墜落現場は悲惨を極めていることだろう。
きのうの飛行機墜落事故では、乗客乗員152人全員が死亡したと報道されているが、まだ全員の遺体が見つかったわけではないようだ。亡くなった方の中には結婚して2日目のカップルが居たり、両親と子供2人一家全員が亡くなったという家庭もある… 子供を置いて自分が先に亡くなるのも、子供に先立たれるのも辛い話だ。自分が、その立場に立ったならどうするのであろうか…

イスラマバードの国際空港管制塔は悪天なのでラホールへ下りるようにと2度も指示を出したとされている。しかしパイロットは、「滑走路は見えている、大丈夫だから」と首都の上で旋回をし、着陸を試みようとしたようだ(他のフライトはラホールへ下りている)
何時も行くジナースーパーのパン屋(店はマルガラ丘陵に向いている)のオヤジは、頭のすぐ上に飛行機が落ちてくると思ってマーケットに居た何人もが逃げたというから、物凄い低空飛行であったのだろう。実際、あと300m南に落ちればマーケットだし大惨事になっていた。

ニュースでは猛暑と豪雨に襲われている日本列島の映像。当地も毎朝のように有難い雨に恵まれ、今朝は気温が下がり、久々に扇風機を止めて寝た。なぁ~~んてノンビリと日記を書き始めたら、外の音も聞こえない豪雨の中で飛行機が落ちたと。他のフライトはイスラマバード空港へ下りられなくってラホールなどへ下りたというくらい、雨雲が低く見通し最悪の雨だった。(イスラマバード空港はただいま閉鎖中)

墜落現場はオバハンの家から6kmくらい離れているかな。爆弾の爆発音より飛行機の墜落音の方が聞き取り難いのが今回は判った。
ちょうど歯医者へ行く時間でもあったので、ほんの5分ばかり遠回りになる道を墜落現場近くへ急いだら… 何時も岩登りに行く尾根の左、小さな尾根の後ろで白煙がもうもうと上がっていた。オバハンのように物見高い人は幾らもいるようで、マルガラ丘陵への登り口(小動物園の入り口)は相当数の見物人で埋められ、車輌通行止めの中を、徒歩で現場へ登ろうとしている人たちも結構いた。
ごったがえすマルガラ丘陵入り口付近、救急車や警察車輌が何台も待機する間を縫って、3台のトラックに立ったままの寿司詰め状態の作業員たち、パッと見て1台に100人の作業員が現場へ向かって行ったが、大雨で濡れ滑る急斜面で400mにわたって散乱している残骸などを集め、救出作業は大変であろう。

軍隊や多数の作業員たちによって懸命の救出作業、事故から3時間の現在、40人の負傷者が発見され病院へ運ばれたと報道されている(だが別のニュースでは生存者はナシと)。 しかし降り止まぬ雨の中、捜索は今からが時間との勝負となるのであろう。 しかし後、300mも南側へ落ちたなら人家のあるところなので、不幸中の幸いと言えば言えそうだ。乾季には山火事もしばしば起こすマルガラ丘陵、もしもこの事故が乾季であれば大火事になっていたことだろう。  生死はアラーの神の御心とは言え、痛ましい。

パキスタン国内で幾つか出回っている、大統領さまに関する「おはなし」の1つをご披露いたします~~~
少し前までは、こうした「おはなし」の流布も厳しい取り締まりの対象になったというが、言論の自由だとか、なんとかという声に押され、最近では取締りが緩んだとか。
いまいち、面白さのニュアンスと唄うような抑揚が伝えられなくって残念だけれど… 分かる人には分かるという「おはなし」なので…とりあえず…。 アメリカよってに盛り立て支えられ、国のトップとして君臨?している大統領サマというのはアフガンも含め、どういった資質の人かと、より分かる。アフガンでは麻薬王を大統領として盛り立てているアメリカだもの、アメリカのご都合主義が良く分かるというものだ。 この「おはなし」から、民意を感じて頂ければと…

ザルダリ殿、あなたはシンド州の田舎で1952年に生まれました。あなたは生まれ故郷で悪人への道と、恥知らずへの道への初等教育を受け始め、恥知らずを極めるための高等教育を受けるため刑務所へ行きました。そこであなたはダコイト(強盗)になった証明書も受け、そして善良なる国民からからは強奪者としての「賞」を受けました。 さらに、あなたは自分自身の努力、奮闘によって早い段階でMr.10%として有名になりました。 あなたは自身の奥さんに天国へのチケットを与え、自身は大統領となって国から略奪する人として高い評価と地位を得ました。 

(数々の高い評価を受けておられるあなたですが)我々はあなた様がパキスタンから去る日をひたすらお待ち申し上げております。 我々は、神がパキスタン国民を、あなたの傘の内から1日も早く解放してくれますようにと、日々、祈っております(アーミィーン)

ムシャラフの指名を受け2007年11月に、陸軍参謀長に就任していたキヤニ参謀長の去就がここ1ヶ月あまり、取り沙汰されていた。 キヤニ参謀長自身は、「後進にもチャンスを…」と、潔い態度で引退表明をしていたので、単細胞なオバハンなどは「権力に執着しないのか!」と、感動したものだ。

年初のニューズウィークなどにはパキスタンを握る(世界にとって…だったかな)重要人物として、キヤニ参謀長が紹介されていた(ザルダリ大統領やギラニ首相は紹介されず)  キヤニ参謀長は原理原則に忠実、かつ早朝から世界情勢などの勉強にも勤しみ、現職について3年近いが汚職の噂も今のところ聞こえて来ないし、パキスタン国家に対してはキヤニ参謀長以上に忠誠を尽くす人はないとまで、国民に認められている。またメディアの評判も良い。 引退されたらパキスタンがどうなるのか判らない昨今、危惧した人は多かったことと思うから、その再任(延長3年)が決まったのはパキスタンという国にとっては喜ばしいことかも。
だから3日ばかり前に、ギラニ首相がキヤニ陸軍参謀長を「再任する」と異例の早期指名をしたのには、パキスタンを取り巻く諸般の状況があった。その中で最も重要なのは、アフガニスタンの安定にはパキスタン軍部の協力が必要と見たアメリカの意向であったろう。


先の20日から、カーブルでアフガニスタンの今後について検討する「アフガン復興国際会議」が開催されていた。日本も岡田外相が出席し、アフガンの治安向上、イスラーム戦士の社会復帰などに大層な支援金を出すようで、日本はアメリカに次ぐ第2のアフガン支援国として、5年間で7000億円近い支援金を出すことが決まっている。  しかし… 良い子の顔をしたアメリカ主導のアフガン復興支援国際会議の陰で、パキスタン北西辺境州では何が起こっているか??? 

先般、ペシャワールの知り合い(日本ともビジネスをしている、当地の基準では金持ちたち)3人がイスラマバードまでやって来て、長々と打ち合わせをしていたが、遠目から見ていても雰囲気が異様に暗い。
後で聞いたところによれば、北西辺境州に暮らす金のある住民たちは居竦み状態だと。 「武装勢力側(タリバーン)からは協力費何万ルピーとか何十万ルピーを出さないと家族を殺す(かちこむと)脅迫状が届き、家族を守るために言われたようにタリバーンへ協力費を出せば、数日後には治安警察がやって来て、タリバーンへ協力したと家族の中の男たちは警察へ引っ張られ、拷問を受ける」
「武装勢力と官憲が裏で手を組んでいるという単純な構造ではないと思える、アメリカが裏で双方を操って混乱を助長しているとしか思えない。イスラマバードへ家族共々、逃げて来たいが逃げれば後ろ暗いところがあるとして官憲に付回され、普通の生活は出来ない」と。

アメリカは、北西辺境州になんとしても駐留しようとし、現地で混乱の種を熱心に作っている。良い子の顔をした陰でのアメリカの仕打ち… 住民の反感をますます募らせているだけなのに。

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