2009年03月

ようやく外が明るくなりかけた朝6時、いきなり鳴り響く大砲の音。  ウン??パキスタンの独立宣言記念日は2週間近くも先だし、ことしのパキスタンは超緊縮財政で例年のような式典もないのに、何か?? 
大砲の音、11発目で家人も起き出して来て、「近いナァ… 何かな? どこかな?」  
先般のムンバイ・テロやクリケット・チームへの襲撃などで、印パ間(特に弱小なパキスタン側の国民には)疑心暗鬼が渦巻いている。何か不穏な様相があれば、インドが攻めて来たのではないか?と想う国民も多い。 ましてや2001同時多発テロ以降、とみに不穏続きのパキスタンだ。
「TV、TV、ニュース速報は出ていないの?」
カラチとペシャワールではムハンマッドの誕生日に祝砲を…とテロップが流れているから、イスラマでも祝砲を撃った模様。そういえば、きょうは祝日だ。

かっての日本では犯罪者の逮捕率が90数%だったらしいが、最近は%が随分、落ちているとか。対してパキスタンでは犯罪者の逮捕率が10%台、種々のテロでは2003年以来、解決をみたものはないという。  確かに「○○事件に関与した者を逮捕した」と新聞などでは報道されるが、真犯人であったか、どうかは報道されない。
今回のラホールで起きたクリケットチームを襲ったテロも、解決をすることはないのだろう…。

スリランカ政府は、事件には「インドの関与はないと公式に伝達、独立した機関による事件の真相を解明するように要望した」というが、イスラマバードのマリオット・ホテル全焼、ムンバイでの大がかりなテロ、今回のクリケット・チーム襲撃の根っ子は一つのような気がしてならない。いずれの事件も現場到着までの手口が似ていると想うのだ。すなわち大がかりな現地協力者の存在を。
パキスタンの治安の不備を言い立て、より大がかりに、より大っぴらに駐留したいアメリカの仕業だと、国民の多くも感じ始めている。

「ラホールでクリケット・チームを襲ったテロリストたちが、落ち着いて犯行現場を去っていく姿を放映している」と、インドの新聞による抜粋記事が日本でも報道されているようだ。
う~~む… 「落ち着いて犯行現場を去って行く」という一行にオバハンは拘るなぁ…。 繰り返し流される映像からは、後ろを振り返り、振り返りしながら、やや頭を下げ背中を丸め気味にした実行犯たちが、背中の重い荷物を気にしながら慌しく小走りになって人が疎らなバザールの中を移動。待ち受けている支援者(バイク)のところへ走り寄り、慌しく飛び乗ったかと思うとバイクに摑まる間もなく急発進。少し遠くから捉えている映像だが、落ち着いて…という表現は当たらないと思うが。
まァ、物事には色々な見方が出来るので、受け止め方も色々だとしておこう!
ムシャラフ元大統領が最近ちょくちょくTVに出ている。本日もインド行きについて、リラックスした様子で報道陣のインタヴューを受けていた。以前に比べて顔色の艶も良く、疲労感は払拭されている。

昨夕、シャリフ元首相がイスラマバード入りをしたというので、空港からの道には障害があったようだ。先週の金曜日には知り合いの立派なランドクルーザーが空港への道で、減速用段差でスピードを落とした途端に暴徒に襲われ窓、ガラスを全部割られた。というので首都で反政府運動の盛り上がる日に出発だったオバハンの日本行きも急遽変更。苦手な日本へ1便早めて行くことになった。空港へ辿りつけないだけではなく、怪我でもしたらタマランからな。



NWAのHPが昨春から更新になっていない、活動しているのか??とメールを貰ってしまった… 
活動はしているが、諸所の理由で確かにHPは更新されずに、そのままだ。 オバハン・ブログにギルギットの活動として時たま載せているが、先月末からNWAの公式ブログが出来たので、時間のある方はそちらも合わせて見て頂きますように!
http://npo-nwa.at.webry.info/ 

日本も民主党の小沢が検察(国家権力、もしかしたら政権政党かもしれない)に狙われたのか、総選挙を控えた「この時期に」と大騒ぎだが、当地パキスタンも大変な時を迎えているとオバハンには感じられる。
明日の金曜日は、シャリフ元首相支持派が大きな規模でデモをするという。また支持者が暴動を起こす可能性が捨てきれないので、滞在されている方々にも注意喚起!!

さて、先日のラホール、クリケット選手団への襲撃者たちも12人のうち9人くらいが捕まったという。クリケット・グランドに近いところから逃げる襲撃者たちを拾って3人乗りになり、バイクで走り去る映像。徒歩で人ごみを逃げて行く襲撃者の映像。防犯カメラの映像だけではなく、試合を撮影しようとしていたTV局なども多数だったせいか、多くのリアルな映像が残っている。

前パキスタン諜報機関長官のグル将軍は、テレビの討論会で、「テロはスリランカ軍に追い詰められた、タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)がインド諜報機関の命令を受けて実行したものと述べている」が、そうであっても、なかってもパキスタン人の多くは背後にはインドの関与があったと考えている。

印パ間のテロでは、何時の場合もインドもしくはパキスタンでのテロの後、1~2ヶ月で似たようなテロ事件が双方どちらかの国で起こる。今回もそのパターンにバッチリ当てはまっているから、国民の多くが「インドによる報復事件」と、見るのもうなづける。

パキスタンはタリバーンや反政府武装勢力の攻勢、今後の政党間争い、数々の解決不能な事件を抱えて政権に対する信頼は薄く、今後の先行きは暗い。

朝、事務所が始まると同時に、出勤して来たスタッフたちが「TVを見て見て!」と大騒ぎだ。 
パキスタン・チームとスリランカ・チームのクリケット試合を取材をしようと多くの報道陣が集まっていたこともあって、ライブのような感じでスタジアム近くでの襲撃事件が報道された。 襲撃者たちは、まず警察車輌と警察官たち(保安要員たち)を狙ったと言うから、まさしくプロの仕業だ。
何度も何度も流される画面からも、襲撃者たちはとても良く訓練をされた兵士(コマンド)たちと見えた。しかし襲撃者たちの遺留品は山のようだし、あの(パキスタン軍にはない)コマンド服のままで12人もの全員が逃げたとなると、はてさて????どこへ??? 

パ政府は先般のムンバイの敵討ちかのように、すぐさま「襲撃者たちはインドからの国境(ワガー)を越えて入って来た」と発表しているが…。 ムンバイ・テロと同様に、この襲撃事件にもパキスタン政府が関与をしているとは決して思わないが、実に不愉快な展開だ。
僅かな過激派、狂信派たちために普通に暮らす市民たちの生活も脅かされるし、オバハンも朝からの予定が狂った。

息子たちもラホールへ行く予定を急遽、キャンセル。この襲撃事件が12時間ズレていたら、息子たちも大混乱に巻き込まれ、路上で身動きが取れずになっていたことだろう。治安が良いと言われているパンジャーブ地方だったが、シャリフ元首相の反政府活動にも熱がこもっていて予断を許さない。

ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊と防衛省など関係機関による合同の図上演習が行われたと。海自が武器を使用するケースも想定し、海賊を排除しながら民間の商船などを警護する方法などを確認するらしいが、この分ではアラビア海などでの実際の合同演習も近々であろう。
タロ~首相とオバマの会談、きっと数々の協力を言葉巧みに押し付けれらたのだろうと思うが、具体的な内容がちっとも伝わって来ない。アメリカにとって日本が初の訪問国だとか、初の会談相手だとか、どうでも良いことばかりを延々と言い続けるマスコミの報道。友人がマスゴミだと何時も怒るが、本当にそうだと思う。

両者の会談ではアフガニスタン新戦略への日本の参画が決まったというが、日本がアフガンで直接行動をするにはハードルが高い。そうなると、また「金を出す」だけしかない。 日本政府はアフガンとパキスタンへの特使を任命、また国際協力機構の理事長様など、現場を良く知っていると日本では高く評価をされている方々を「アフガン新戦略」へ積極的に組み入れたらしいが、おエライ方々はオバハンに言わせれば余りにも現地を知らなさ過ぎる。おエライ方々、国会のセンセイ方は行った先々のお偉方、日本の出先機関のお偉方に囲まれて数時間、2~3日の視察で何が見えるというのか? 日本政府から研究費を頂きながらアフガンなどの途上国へ「研究」と称して来られる学者方も同じだ。難民キャンプの1つ2つを数時間見て、何が分かると言うのか?現場には足を運び、見ないよりは見た方が良いとは言うものの…。

ま、エライ方々には色々なモノを見通す眼、そして考察力に長けていらっしゃるのであろうから、地べたを這い回って村人と会話を交わしているオバハンとは視点も、村人の利益点も異なるので、細かくはとやかく言わない。

しかし、アフガンの隣国であるパキスタンへの支援に関する国際会議が4月半ばには日本で開催される方針だとか言うから、パキスタンも少しは落ち着いて欲しい。
先般のパキスタン最高裁がシャリフ元首相とシャリフの弟の「昨年2月の総選挙などに出馬する資格がなかった」とする決定。しかし、最高裁の判決は間違ってないという世論も大きい。
シャリフ元首相は自分たちの支持者に決起を呼びかけ、ロングマーチも予定している。またシャリフ元首相は大統領と首相の分断作戦??を取ろうとしているのか、ザルダリ大統領を糾弾しているが、ギラニ首相に対してはしていない。 PPPが割れて困るのは今の政権だから、ザルダリも厳しい立場だ。

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