2009年01月

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パンジャーブ地方はパキスタンで一番、開明的です。女性の多くは持参金つきで輿入れし、ある程度の実権(財布)をも持っているようです。女性の実家に実力があれば、大きな後押しにもなります。実に羨ましいことです…

しかし、北方地域のギルギット(スンニー派)は、北西辺境州の原理主義者並みの思想でしょうね。山越えでジハード(聖戦)だと、アフガンへ行く男たちも、まだたまにはいますから。
最近になって「女もメトリック(10年生)を卒業しないと、良いところへお嫁に行けない」という風潮が指導者階級にも生まれて来ました。しかし10年生を終えるハードルは高いようです(100分の34点で合格)。 
殆どが地元出身の先生たちで、先生自身の能力が高くありませんから、毎年の進級試験では英語と数学で落ちこぼれます。女の子は5年生まで学校へ行けば充分だとする考えが、まだまだあります(義務教育は5年間)から。
(私が知っているギルギットの家族たちの多くは)女性は夫や、その家族に対して完全服従で忠実であることを求められています。「そこに24時間立っていろ!と言ったら、24時間立っていられる。ウチの嫁は素晴らしい!」と、褒められるような社会です。家長や長兄の言うことは絶対です。

それに対しイスマイリ派は「女性にこそ教育を…」というので、殆どが10年生を終えますし、奨学金制度が完備していますから大学へ行く人もたくさんいます。結果、教育指導者や医者などにイスマイリ派の女性が占める%が年々多くなっています。しかしスンニー派でもよほど開明的でないと、イスマイリ派の医者にはかかりません。中にはイスマイリ派の人間が作った食事など出来ない、それなら食べない方がマシだという年よりもいます… 年長者にそうした考えがあれば、忠実・服従を要求される社会としては、(表向きは)絶対に従わなくてはならないのでしょうね。

北方地域は宗派(スンニー、シーア、イスマイリ、ヌールバクシュ派など)でモザイク模様になっていますから、それぞれの宗派は自派の教えに(余計に)忠実、過激?に傾くように私には見えますが。

なお、ギルギットの人たちは自分たちのことを、パキスタン人だと認識していないように思われます…
海外に行く時は「パキスタン人」のパスポートを便宜的に持つが、俺たちはギルギット人だ!という認識です。

先般から雨模様の天候が続き、北部の山岳地帯では雪だという。幸いギルギットは標高が1400mと奥地に比べて低く、雪に見舞われていないが奥地では雪崩になり29人もが行方不明のままだ。

母子保健指導センターも後2日で冬休みが終わり、来月曜日から授業が再開になる。
通学用車輌の整備、毛糸編み機や縫製ミシン、灯油ストーブの整備など等、ギルギットでは充分に出来ず、イスラマバードまで運んで来た。が、ようやくそれ等も完了したので、種々機材を積んで車が明日、イスラマを出る。
「女性たちの大半が、自分の小遣いを持ったことがない」と前にも書いたが、自分で何かを管理したり運営することのない彼女たちは、目先の家事や育児、畑作業の他は自分自身にに関係のないことだと思い込んでいる。

女性の一人歩きが出来ないお国柄、女性が自立していないのは仕方がないとは思いつつ、細やかな何から何までの支援はなかなかヘビーだ。いま少しセンター運営の出来るスタッフが欲しいものだ。ただ今、育てている副校長は若いがなかなか能力もあるが(解明的なイスマイリ派)、残念なことに夏には結婚してしまう。 結婚していない女性は一人前とみなされないし、結婚は義務ともみなされている(一度、結婚してしまえば良いのだとも言われているが…)から、女性に生まれつくのは(国、地域によっては)不便なことだ。

過日、アメリカの国防長官が「アフガンとパキスタンの国境付近に無人武装機による越境ミサイル攻撃を、パキスタン政府も承知している。今後も続行する」とした方針を明らかにした後、パキスタン政府(ダボス会議で首相も)改めて、「認めていない」との声明を出し、抗議した。
国境付近にに限らず、パキスタン国内に軍事上重大な問題が生じた時には、アメリカ(ブッシュ)はパキスタンの承諾を得ることなく、軍事行動を起こすことが出来る等、なんとも唖然とするような「ことがらを」を自分たちで承認しているお国だから、アメリカの勝手な言い分は今さらでもないが、それにしても傲慢さが過ぎる…

いまも当地のTVで、米軍による無人武装偵察機(攻撃機)の飛行映像を見ていたが、実に不気味で卑怯な存在だと思う。 自分たち米軍のリスクは極小にして、内通者による情報などを基にして攻撃するなどということが、許されて良いわけはない。彼らは内通等によってテロリストが居る場所を特定しての攻撃であるとは言うが、村々には小さな利害が対立して互いに敵対する者も多い。村人の悪意ある内通もあると聞く…

パキスタン政府の度重なる抗議にも耳を貸さず、越境ミサイル攻撃は激しさを増している。その結果、地域住民だけではなくパキスタン国民の、さらには多くのイスラーム教徒たちの反米感情を募らせているだけだというのが、どうしてアメリカには分からないのであろうか?

米軍のイラク攻撃、大量破壊兵器を持っていると言い募っての攻撃だった。アフガンへの攻撃はオサマ・ビンを逮捕すると言うものではなかったか? どちらの目的も達せられないまま、目標がどんどんとズレて戦争(紛争)を拡大して行く不思議さ。もちろん世界は動いているのだから、目指すところも変わってくるのだろうが、イラクとアフガン攻撃に対してはすり替えが酷すぎる。
そして今、イスラエルとパレスティナ問題が大きく再燃だ。イスラーム教徒の側に問題があるように報道されがちだが、イスラエルを陰に日向に支援するアメリカのダブル・スタンダードも問題だ。
パキスタンでも、ネットによってイスラエルとアメリカへの抗議署名が集められるようになっている。

ついにソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊の護衛艦が派遣されることになり、3月には現地へ向かう見通しとか。でもでも、記者会見などの答弁を聞いてると苦しいなぁ。応急処置とかで委細な~~んも決めずに…。
タロ~首相は、「(自衛隊の)艦船が航行するだけで一つの抑止力が働く」と、お考えでいらっしゃるようだし、「しっかりヤレ~」とハッパをかけられるのも良いが、派遣される海自や海上保安庁職員の方々には、誠に気の毒な気がする。後日、自殺者が増えるのは避けられまい。言ったら悪いがオバハンから見たら、平和な日本で育っている現代の日本人の多くは、心身ともに虚弱だもの。

過日は、たまたま元自衛隊関係の方とお話する機会があって、話題がソマリア沖への派遣になった。
「いやぁ~ 乗組の海自隊員たちは海賊に出会わないようにと祈っておることでしょう~」
「出会っても見なかったふりをするかもしれませんなぁ~」と笑っておられたが、内心は遠からずだろう。
「護衛艦に海賊を寄せ付けないようにする」としたTVの解説にもチト、笑えたが。

世界中に情報が氾濫するこの世の中。鳩山元法務大臣の友達の友達とやらはアルカイダと友達(知り合い)だというから、日本の護衛艦、自衛隊が武器を使用出来ないこと、専守防衛なども熟知していることだろう。幾ら護衛艦2隻が日本関係船と船団を組み、安全な海域まで伴走すると言ってもなぁ…。 護衛艦には自衛隊の特殊部隊が乗り組むとも言うが、海賊どもは「死ぬ日は決まっている」とする、宗教観を持つ輩に違いない。早い話が怖いもの知らずだ。
海上保安庁職員が乗り組み、「必要に応じて海賊船に停船命令や、立ち入り検査を実施。武器の使用は警察官職務質問執行法を準用」とか言ってもなぁ~。

昨年のソマリア沖の海賊事件は100件を超え、日本(人)関係船舶関連では3件の海賊事件があり、国際社会への脅威であるとは言え、政府の自衛隊派遣は支持出来ないワ。政府は護衛艦をソマリア沖へ送る前に、アラビア海での給油について、すべての情報を開示せよ!

欲張っていろいろな種類を買ってしまったが、薔薇の花の苗100本が届いた。
センターには(喰えない)薔薇の花だけではなく、広い敷地に杏やサクランボ、リンゴをさらに数本ずつは植えてみたい。やっぱり花よりダンゴだものな…

3日間静かに降ったり止んだりした春を迎える雨。昨日のギルギットは日中気温が10℃近くにもなった。しかし、まだまだ灯油ストーブのお世話にならなくてはいけないし、4月を迎えるまでは寒い。北西辺境州の多くで、中でもスワット地区では学校の再開が危ぶまれているが、どうぞギルギットヘ波及しませんように…。そして無事にセンターが始まりますように。

夏前からブログが停まっていた理由、思い出した。
活動資金を稼ごうと、懸賞金めあての小説を書いていたのだ。6月から8月イッパイまでの3ヶ月間で原稿用紙にして550枚ばかり書いたが、主人公が思うように動いてくれず、まったく面白くなくてメゲたのだった。確か3年前にもネット・ゲームのゴルフで賞金を稼ぎ、活動資金を得ようとしてメゲたのを思い出した…。小説を書く、ネット・ゲームをやる。ボケ防止と並立しながら賞金を稼ごうという、ムシの良い考えがダメだったみたい。
目的は一つに絞るべきだ…と、反省…

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