2008年10月

TVニュースの画面から地震の全容が徐々に判って来た。余震が続き、家を失くした被災者は4万人、負傷者は3万5600人、犠牲者も300人近くと増え続けている。壊れた家の多くは細い柱が入っただけの日干しレンガ(もしくは、単なる泥)積みで、それを手作業で掘り返し家族を捜す映像も3年前を思い起こさせる。 とはいえ3年前のパキスタン大地震に比べるとスケールは10分の1くらいと小さい。(パキスタン地震:国連発表では死者8万7000人、被災者400万人)
そのせいか、ニュースにも「被災者支援」に対する熱気があまり感じられない。パキスタン国民の多くから見れば、クエッタは馴染みが薄い。そこからさらに2~3時間も山の中のジアラット近くなど…外国にも等しい。ジアラットは、かっては美しい樹林帯の中の避暑地として一部には知られていた。しかし、ここ数年、治安の悪化でクエッタの金持ちたちも足を運ばなくなったと聞く。

ジャパン・プラットフォーム傘下の大NGOが、被災者支援の方策を探っていて下さるそうだが、現地はパキスタン地震の時とは異なり、なかなか大変だ…。 ごくごく最近の様子を知らないが(改善されたとは思わないから)少なくともクエッタから郊外へ外国人が自由に走れるような状況にはないと思うべきだ。政府とクエッタの部族関係者との数々の摩擦。ムシャラフからPPPへと政権が変わったからといって、解消されてはいないと思う。 
政府関係者の多くも政府ナンバーの車ではクエッタから外へは走らないように気を付けている現状では、外国人が支援活動だからといって自由に出入りが出来ないだろう。走るための許可、護衛をつけるなど…なかなか大変な支援となるのが目に見えるようだ。

みなさま、地震のお見舞いを頂き、有難う存じます。
幸い、イスラマバードは震源地からも遠くて、揺れも感じずに済みました。が、被災地ジアラットは(確か標高が2500m以上もあったように記憶しているので)被災された方々には寒さも一入だと思う。クエッタ在住の知り合いからは、余震が続いている旨の連絡があった。

報道では、家を失くした人が1万5000人以上、被災死者が200人近くにもなったと。今後、被害の実態が徐々に報じられることだろう。被災者への支援については、ジャパン・プラットフォームなど等が対応すべく調査を始めているようだ。 オバハンは今のところ手がイッパイで身動きは出来ず…この災害については役立たずだ。被災者のみなさま、お詫び!

昨夜と昨深夜は停電がなかった。停電のコントロールをする地域担当者が急に欠勤でもしたのか? 
首都ですらも6~8時間の停電だとオバハンは嘆いているが、地方での停電は12時間以上、場所に拠っては16時間、20時間も停電だとというから、もう何をか言わんや…。 国民には先月から電気代を40%も値上げをしておきながら… 政府には電気公社へ支払う金がないというのか…徴収した電気代は何処へ行くのか???
停電になる度に自動切換えで廻るオバハンちの大型のジェネレーター、この燃料代たるや1日分が従業員の10日分の日当に相当するようになって来た。日本の駐在員たちもジェネレーターの燃料費を気にするようになって来たという… 

停電続きで、買って2ヶ月にもならない中国製の電気釜が壊れた。代わりに嫁ハンの持っている日本製の電気釜を借りたが、それも壊れた。大型の冷凍庫もついに壊れた。何でもかんでも「もったいない」とガメ込んでいるオバハンだから大変だ!! 単に「もったいない」だけではなく、万が一を考えたら最低でも2か月分の食料や燃料は確保しておきたい…。 
それにしてもこの半年間でいったい幾つの電気製品が壊れたことか…。 サマータイムは後数日で終るが、次は新たに何が始まるのか??

きょうは各社ともに「パキスタン軍が武装勢力と、対話による解決」に方針を転換すると報じている。
パキスタンの新政権は春から「対話による解決」に向け2ヶ月間ばかり努力。その後、軍による武力の後押し?も解決には必要だとして4ヶ月間の掃討作戦。そして再び「対話」による解決に向かおうとしている。ある意味、新政権にとっては「想定通り」の展開なのだろうか。それとも武装勢力やタリバーンには勝てないと判断したアメリカの政策転換に添うものか…
武力による解決の結果は、昨夏のラール・マスジッドで証明済みだ。 武力による掃討の後の「憎しみによる連鎖」からの自爆テロ急増を見れば、武力の解決が何ももたらさないのは一目瞭然だ。憎悪には憎悪でしかない。部族地帯に暮らす人たちの美学、「復讐、敵討ち」を、もっと理解すべきなのだろう。かっての日本、武士の世界でも実存していた「美学」なのだから。
身内を理不尽に殺された人の怒りがなかなか収まるまい、それには政府による努力が必要だ。身内が承知をすれば…「命は黄金で贖える」。自爆テロでの報復を考えずに済むような善処を、オバハンは政府に願うばかりだ。

夏からの掃討作戦によって、アフガンとの部族地域では約300万人もの避難民が出ていると報道されている。中にはパキスタンからアフガンへ難民として出て行く避難民もあると言う。確かに多くの避難民が出ているが、300万人とはチト大げさだとも思える。 しかし、北西辺境州内だけではなく、首都近郊にまで避難民のテントが見られるようになっている。
治安の悪化、世界経済の悪化等など、パキスタンでも経済状況の急激な悪化は甚だしい。そして良くなる見通しも極少だ… 掃討作戦によって出てきた避難民に対しての、充分な支援が出来るとも思えない。 イスラーム的な発想では、すべて神の御心として受け止める「運命論」とは言え、辛いものがある。



マリオット・ホテル爆破の容疑者4人が逮捕されたと。あの大爆破から、はや1ヶ月になるのか…。しかし、新聞に載っていた容疑者?の写真は不思議なものだった。
早い話がパキスタン人の多くには「人権」なる意識が薄い。容疑者であっても顔はむき出しが普通?だが… 新聞に載っていた容疑者には目だけ出した白布が被せてあった。何時からパキスタンの警察はこのような配慮をするようになったのであろうか?? 治安当局は4人の背後関係を部族地域で活動するイスラム過激派の犯行と見ているというが、政府発表の胡散臭さ…。

まったくなぁ… 日本大使館からのお知らせでは、「ジンナーマーケット、及びスーパーマーケット(いずれも商店街の地名)に対して爆弾テロの可能性が高まっているから、1週間ばかり両商店街へは立ち寄らないように」だって…。  欧米人の利用する宿泊施設やレストランへの爆破予告、有名私学への爆破予告、いずれも単なる脅しかもしれないが見過ごすわけには行かない。日々、生活圏は狭くなる一方だ。

おまけにブチブチとネット回線の切断で、満足にネットにも繋がらない。オバハンの楽しみ、ネット・ゲームにも励めない。これは実に良くない傾向だ…。  首都でさえ6~8時間の停電、地方では日に12時間以上の停電では、生活に直結の製粉を初めとする生産活動も、商売も成り立たないだろう。
パキスタン経済は瀕死の状態、対ドル・ルピーレートの下落振りは甚だしい。日本は対ドル円が90円台前半にまでなったと大騒ぎだが、当地でも終日そのニュースだ。日本とは違って経済体力の無いパキスタン、先行きは各国からの支援に頼らざるを得ない…
各地で政府に対するストライキが目立ち出した。秋分を過ぎた今も実施されている無用なサマータイム等など、国民の関心を何から背けさせるための政策なのか? パキスタン国民の不満エネルギーは徐々に醸成されている。
9年前の軍クーデターで非常事態、そして何かが起こるたびに首都を南北に分断する大通りの封鎖で身動き出来ずに考えたのは… イザとなった時に逃げ易い場所に家を構えること。 で、大通りの南側、今の場所へと引っ越したのだが、こう頻繁に不穏な状況になると何処に居ても同じかもしれないと開き直った。


CNNなどによると、アフガンと国境を接する部族地域でアルカイダの(現地最高)作戦司令官が最近、殺害されたと。いよいよブッシュ政権も任期が終るから、これぞ!といった成果を見せねばならない時が来たようだ。前回はイラクでフセイン大統領を捕まえてみせた。 この分ではオサマ・ビン・ラディンも劇的に殺害したと発表があるかもしれない。いやいや、アフガンに米軍が駐留するための大切な「大義名分」だ、まだまだ殺害の発表は先になるのかな? 
オサマ・ビン・ラディンの方は、我が闘争なる自叙伝を出版した昨日、報道されていたが。

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