2008年07月

昨年末、暗殺されたブット元首相の警護責任者が、カラチ市内の外出先(ブット元首相の弟宅)から自宅へ帰りつき、家に入ったところを6人組に(待ち伏せされていたようで)襲われ、銃弾を浴びせかけられ死亡したと。 警護責任者を家へ送り届けた友人は、車に乗り込んでいて一歩違いで助かっている。

ブット元首相の暗殺については、現パキスタン政府の要請を受けた国連が近く、調査に乗り出す予定と2週間ばかり前に決定・声明を出している。
昨夜、殺された警備責任者は、ブット元首相が暗殺された当時、同じ車に乗っており、ブット元首相が殺された瞬間を一番近くで目撃していた。こういう事態になれば…他の同乗者2名、運転手も落ち着かないことだろう…。
国連の新たなる調査で公の下、ブット元首相死亡の原因が明るみに出れば、今までの政府発表への信頼性や整合性がなくなり、不都合な人(団体)があるということだろう。イギリスからやって来た特別調査団スコットランドヤード(ロンドン警視庁)はお茶を濁して、ムシャラフ政権に都合の良い調査結果を発表して帰ったようだが、国連の調査には「それ」が望めないと思ったものか。

疑わしきは2組ある。一番怪しいのはムシャラフ大統領の懐刀、ブット元首相が暗殺された当初から巷で言われていた政府の要人。そして…… もう一組に関しては怖くて、(名誉毀損にもなるから)書けないな…。
早々と当時のムシャラフ政府が発表した、タリバーン(武装勢力)のメフスード司令官ではないと思う。

アメリカの時期米大統領候補オバマが、いかにイラクからアフガンへの軍事シフトに力を入れているか?
昨日も書いたが、中東、欧州諸国訪門の第一番目にアフガンへ寄ったことでも、そのことが分かる。アメリカの傀儡、カルザイ大統領のバックアップに力を入れる表明でもあろう。

オバマは(最近の演説で)、「イラクは完璧に平和な場所にはならない。アメリカはイラクを平和にする力もない」というような意味合いのスピーチをしていたと思う。その理屈でいけば、アフガンの平和はアメリカ(オバマ)によって構築され得るというのか? イラク以上に多民族の集まりであり、教育水準の低い人が多い(偏ったイスラーム原理主義者の多い)、国家としての体をなしていないかのアフガンをアメリカは率いて行けると言うのか?? あの大国ロシアも、アフガン人の命を惜しまない執拗な反撃にはしてやられたというのに…  

6月1日~15日にかけて、アメリカ某国際リサーチ機関がパキスタンで調査をしたところによると、ムシャラフ大統領の退任を願う国民は86%(別の現地紙では83%)に上ると。 アフガンでもアメリカの傀儡大統領ではアフガンに平和をもたらすことは出来ない。身内を肥やすことに熱心なだけのカルザイの退任を願うアフガン国民も(最近の調査では確か)70数%だったと思う。

15日の夜にはアフガニスタンに駐留するNATO軍+アフガン国軍と、パキスタン治安部隊との間で国境を挟んで迫撃砲などによる交戦が数時間あったと報道されていた。NATO軍が国境手前約10キロ付近から迫撃砲をパキスタン領内に発射、国境から約5キロのパキスタン治安部隊の駐屯地付近に着弾し、治安部隊側も応戦。双方の攻撃はしばらく続いたとあったが、その後、詳細・続報を(オバハンは)確認していない。

アメリカとパキスタンの武装勢力掃討についての話し合いも、合意に達しないとの見込みが濃厚で、決裂の場合は近々にもパキスタンとアフガンの国境沿いを多国籍軍、NATO軍、アフガン国軍が攻撃するとの噂が高い。それらの不安材料もあってパキスタンでは株価の下落、ルピーの下落が続いている。当然、インフレに繋がる。

昨日、日本政府はアフガニスタンへの自衛隊派遣を見送ると決定。とりあえずはヤレヤレ!
自衛隊派遣中止の理由は、アフガン現地の治安情勢が悪化、与党内でも慎重論が強まって自衛隊派遣のための新法制定は困難と判断したらしい。 

つい数日前にお見えになった元自衛隊幹部の方から、今回は「派遣が見送りになる」と聞いてはいたが、派遣そのものが立ち消えということではないらしい。元自衛隊幹部の方のお話では、海外派遣のたびに「専守防衛」の意識が徐々に変わっているという。具体的に書けないのが非常に残念だが、「専守防衛」の実際的な話を聞いて(失礼ながら)笑い転げてしまった。 海外へ派遣される1人1人の自衛官には気の毒で、負担の大きな話だと思う…

さらに、日本での報道によれば、8月下旬に召集される臨時国会では、アラビア海での給油活動継続に向け、新テロ対策特別措置法改正案を成立させる方針だという。 が…自衛隊がアラビア海で補給しているオイルがどう使われているのか、もっと真剣に討議するべきだと思う。
当地では、海軍によるオイルの横流し等は、誰でもが知っている話だから…。

パキスタンへ移住して約30年、昨年からの治安関係(特に北西辺境州)では今までになく悪く、今後よくなる見通しも余りない。タリバーン(武装勢力)などとの和平交渉が決裂した今月に入ってからは、北西辺境州(ペシャワール)に住む人たちからの話に、ますますパキスタンの将来は暗い。

特に、ここ何日間かのニュースを見ていれば、アメリカ軍のイラクからの撤退(削減)、アフガニスタンへの増派は確定。米大統領選で民主党の候補者に確定しているオバマは、「自分が大統領に就任したなら、初日にイラク戦争を終わらせ、アフガンには2個戦闘旅団を増派、旧支配勢力タリバンと国際テロ組織アル・カーイダ掃滅を強化。アルカイダが潜伏しているとされるパキスタンの部族地域に米軍の力を集中する」と明言。 オバマは年初より、アフガンとパキスタン国境沿いへの駐留・戦闘には意欲を示していたし、戦線の拡大は免れないようだ。

アメリカは、アフガンとパキスタンの国境沿いで絨毯爆撃を予定していると、当地でも報道されている。
そして、それらの戦線拡大を裏付ける怖い話がある。どういう形で地域住民への通達があったのかは知らない。しかし今回パキスタン軍の駐屯地に隣接するペシャワール市西端の高・中級住宅地の住民には、「戦線が拡大する可能性がある。直ぐにとは言わないがパンジャーブ州などへの移住を考えて欲しい」と話があった由。もちろん住民は大いに困惑をしている。 オバハン自身は確認していないが、国境から約50kmも離れたペシャワール西端の高・中級住宅地からは住民が歯抜け状態になりつつあり、その地域では家賃が大きく下がっていると聞く。

アメリカによる戦線が拡大されたなら反米行動、反米感情は当然増すだろう。イギリス大使館だったか、アメリカ大使館だったかは規模の縮小に入り始め、現地スタッフ100人の解雇が伝わっている。大使館員をも3分の1に削減の予定と聞けば、欧米諸国がアメリカのアフガン・パキスタン戦線を真剣に捉えていることが分かる。

パキスタンの新政権は単に和平交渉の失敗だけではなく、アメリカの力に屈したのだろう。世界のどこがアメリカに正面から対抗できるというのか? こうなるとテロという形でしか反撃できないとオバハンですら思ってしまう。 30年間も置いて頂いたパキスタンだが、状況によっては(歳も歳だし)パキスタンを離れることも視野に入れなくては…と、先の見えない宙ぶらりんな状況に心が揺れ、無気力感も強まり、何をするにも力が入らない。忙しければ、こんな気分にもならないと思うが、治安の悪化でお客様も減少、暇を持て余している。この重苦しい気分を打開するには、なんぞ新しいことでも始め必死にならねば…とも思うが、外へも出にくい状況でイマイチ、身動きもし難い。(など等で落ち込み、ブログ更新をサボっています。ご心配下さった方々、有難う存じます)

オバマは近々、中東や欧州歴訪を予定していると報道されている。この分では駆け足でアフガンへも立ち寄るのだろう…。アフガンの南部、東部では国際治安支援部隊(ISAF)の米兵がタリバーンと交戦死亡、ここ3年で最悪の事態となっている。今年に入ってISAFの死者数はイラク駐留多国籍軍の死者数を上回り、先日は米兵死者は15人とこれまでにない被害となっている。オバハン自身は米軍がイラクからの撤退するだけではなく、アフガンからも撤退してして欲しいと願うのに… 今のところは、ひたすら戦線拡大らしい…

春から噂には聞いていたが… 治安が悪く外出を控えている昨今なので今まで行く機会がなかった、首都の中心部から15kmばかり離れた郊外に出来た量販店。 いやぁ~~~久々に驚いた。もっとも、この驚きもパキスタンに住んでいるからこその驚きで、日本や欧米ならば、さほど驚くことではないのだろうか。

量販店は日本の地方都市にもありそうなスタイルで、3階建てくらいの高さ天井までが在庫品でイッパイ。建物だけで約150m×150mくらいの規模。駐車場は推して知るべし、広かった。そして、こうした量販店がカラチやラホールなどにも出来ているというから、驚きだ。 ただし、納税証明書を持っている人にしか会員証が発行されないから会員証なしでは中に入れない。おかげで、まだ利用者は少なく静かで良かった。 この大型量販店とは道路を挟んで(とは言っても距離は300m以上あるが)、かってのアフガン難民5万人の居住地は目の前。貧富の差をこれほど感じさせる「場」もないだろう…

町では何日間も並んで、アタ(小麦の荒挽き粉)や食料油などを買わなければならないというのに、あるは、あるは。おまけに広い食肉売り場は、部屋全体が冷凍庫になっていて、備えつけの防寒着を来てゆっくり食肉各種を選べる素晴らしいシステム。国産品から輸入品雑貨、食料全般多種多様。商品の1個売りはなく、卸売り屋さんの感じでバザールで買うより超安かった。安さの理由は納税分を勘案しているようにも想えた…。
ただし、最低購入料金が2000Rs(庶民10~15日分の収入)と条件付だ。

今回は見学のつもりで行ったから、買い物も「緊急用」のアタや食料油くらいしか考えていなかったが、ついつい大量の買い物をして乗用車には載せ切れず、膝の上にまで抱えてしまった…。従業員の主食だけで月に400kgは必要だし、次回からはハイエースで行かなくっちゃ…

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