2008年06月

先10日、パキスタン側にある治安部隊の国境検問所が、アフガン連合軍数百人によって攻撃を受けた。攻撃を受けたとされる検問所について、アフガン政府は「アフガン領土内にある」と撤去を求めてきた経緯があるとも伝えられている。
パキスタン政府は翌日「連合軍に国境付近の治安部隊検問所を攻撃された」と異例の非難声明を出したと伝えられている。しかしアフガニスタン駐留米軍は12日、「検問所はなかった」と反論している。ついで米軍が空爆の一部を撮影したとみられるビデオによると、地上の岩陰にいる男性らにミサイルが発射されており、米軍は「男らは武装勢力」と主張したと。

パキスタン北西辺境州の州兵や警察官は、パキスタンの民族衣装を着ている。まぁ…ビデオで見たというが、武装勢力と見間違い易いだろうなぁ…とは思うから、誤認の可能性は高い。が、問題はこれだけではない。
アメリカ様のご意志に背いて、武装勢力側との話し合いをするギラニ政権に対する嫌がらせ?なのか。 あるいはアフガン政府の後ろにはピッタリとアメリカ様がくっついているとばかりの示威行為なのかと勘ぐってしまうオバハンだが、最近のアフガンは強腰だ。もしかしたらブッシュと共に倒れる前の線香花火なのかも。

国境問題は微妙だが、正規の国境であるトルハムでも先般より揉めている。行ったことのある人なら見覚えがあると思う、あの国境ゲートが先般より無くなっている。建て直しをしたいというパキスタン政府からの申し出により、ゲートを撤去したまでは良いが、再建にはアフガン政府が強硬に難色を示し、一触即発だという。
国境を区切るゲートがない…。ゲートがないから「検問所もない、国境はもっとパキスタン寄りの東だ」と言いかねないアフガンの強腰ぶり。国境を区切るゲートも建てさせない、その思惑は何なのか?

先般のパリ会合、カルザイ大統領は今後5年間で総額500億ドル(5兆3000億円)」を支援国に要請、(1)治安(2)インフラ整備(3)麻薬対策(4)行政機能円滑化などを策定した、今後5年間の「国家開発戦略」を改めて説明したと。
言うだけだから幾らでも言えるにしても凄い金額だ。すでにカルザイ政権には6年間で世界中から莫大な支援金が費やされ、さして明るい結果が見えていないというのに。

確かに都市部ではTVを持つ家も増えた。聞くところによれば田舎でもTVを持つ家は10~20%に増えたという。しかし電力事情はパキスタン以上に悪く、首都のカーブルでも庶民の暮らす地域では12時間の配電が1日おきというではないか。そうなるとTVもなかなか簡単に見られるものではない。

パリで開かれたアフガニスタン復興支援会合は、最終的には参加67カ国と17国際機関が総額200億ドル(2兆2120億円)の支援を約束して閉会した。参加国側は予想を上回る支援を約束する一方、アフガン政権に「汚職撲滅と法秩序の回復」を強く要求したと伝えられている。
知り合いのコンサルなどは、「ブッシュ政権も後半年、最後の自分たちへのキックバックをかけて頑張った」などと皮肉っている。
アフガン政権に「汚職撲滅と法秩序の回復」を強く要求するのは勿論のこと、その上に繋がるものへも目を向けるべきだろう。どっちにしてもアフガンの国民まで支援金がこぼれることは僅少だ。

2~3年前、SORA-アフガン難民を支える会ではワルダック県に診療所を建てようと計画をしたことがあった。政府は、「すでに各国支援団体で診療所は幾つも作ってもらったから、これ以上の診療所は要らない、運営費だけをくれ」というものだった。アフガンの山間部を走り回っても、そんなに目に付くほど診療所が多いわけでもない。運営費などは、今回の2兆2120億円という莫大な支援金の中では微々たるものであろう。なら莫大な支援金は、いったい何処へ消えるのか?

米大統領選民主党指名争いに敗れたヒラリー・クリントンが指名競争から撤退。オバマを支持すると正式に表明した。オバマも撤退を決意したクリントンを立派だと褒め上げた。双方共に大人だなぁ… 政治家というのは、みんな凄い…。

ムシャラフは昨日、久々に地元メディアを集めて、「ギラニ首相と協調関係にあり、対立はない。私は辞任しない」と強調したと報道されている。ムシャラフの去就については、アメリカの大統領選の結果次第だろうとも言われているから、アメリカ様との間で何らかの「お話」があったのかもしれない。

パキスタン人の多くに、「このギラニ政権は何時までもちそう?どうなの? ムシャラフの退陣については、どう想う?」と聞いてみるが、いずれの答えも「11月のアメリカ大統領選次第かなァ…」と、頼りない。頼りないというよりも、自分たちには何も出来ないという無力さが漂っているというべきか…。


米大統領選民主党指名争いを始めた当初のオバマには、北西辺境州に米軍を入れることに躊躇しないと言っていたような記憶がある。 「わぉ~強硬派か!」と嫌な気分になったものだ。

米駐日大使が、「日本がアフガニスタンへの貢献を高めることを歓迎する」と表明。「アフガニスタンは困難な情勢にあり、国際社会がもっと協力すれば成功のチャンスも増える」と述べているのを読んで……、国際社会の多くがアフガンからの撤退を視野に入れている中で、なんという日本政府のピントはずれ発言かと呆れた。が、いや待てよ!もしかしたら、日本政府の「派遣を検討している」というリップサービスかとも思い直した。どうぞ、リップサービスだけに留めて頂きたい~~。

アラビア海からのモンスーンの影響も出始め、湿気とともにイスラマバードの外気温は43℃。
きのうは水シャワー5回(ザッと濡れるだけ)、ついに扇風機の下で過ごしてしまった。根性ナシや…
しかし、サドマゾ、やせ我慢、ケチも大概にして、エアコンが使えるかどうかくらいの心準備はしなくっちゃなぁ~。
でもエアコンの中に住み着いている小鳥を追い出す のも…と躊躇しているから、たぶん、今夏もエアコンの使用はナシだな。

暑さと共に国内の電気使用量はうなぎ上りとみえて、この3日間は1時間の停電、2時間の通電。おかげで電気器具の壊れること、 壊れること。暑さもあって冷蔵庫2台のコンプレッサーが焼けたのかな? ついで肝心要の大型ジェネレーターもヘタリ気味、キケン~~~~
お隣でも冷蔵庫とエアコンを修理に出していたというから、全国内ではいったい、どれだけの電気製品が壊れていることか。 電気製品の修理、購入、電気屋を儲けさせるための政策か?


ギルギットの女性たちのために、40年くらい前に日本で流行っていた毛糸編み機を、この1ヶ月ばかり捜しているのだが…なかなか見つからない。 誰に聞いても、「邪魔にもなるし、使わないから」みんな捨てたという返事ばかり。当地にも毛糸編み機は売っているが、針が弱くて使い物にならない。昔、日本にあったのは(オバハンは使ったことがないが)、丈夫だというのだけは聞いていた。

「ない、ない」返事ばかりの中で、でも、でも、もしかしたら何処かにあるかもしれないと、未だに諦めがつかない。ギルギットの冬はー10℃以下にもなる。女性たちの冬場の手作業、現金収入に結びつくかもと…。暑い夏の間に準備してこそ、冬へ備えられるし…。

暑くて湿気も増えたせいか寝苦しくて、身体がシャンとしない。どうも作業ピッチが落ちる…。 自分でエアコンを付けるには「もったいない」と、息子の部屋で10分ばかり涼んでは事務所へ戻るが、イマイチ集中ができない。日に水シャワーを浴びること3回の夏が来た。本日の外気温は43℃、室温は33℃。まだ扇風機はつけずに、やせ我慢をしている。どこまで痩せ我慢が出来るのか…

昨金曜日のイスラマバード市内は、超厳戒態勢。先日のデンマーク大使館で起きた自爆テロが、盗難車に偽外交官ナンバーを付けたもので行われたこと。次いでイスラム過激派のウェブサイトに、アルカイダを名乗る犯行声明が投稿されたこと。さらにはデンマークが風刺漫画への謝罪を拒否した場合は、「攻撃を継続する」と警告していることなどを受け、首都警察は「犯行声明の信ぴょう性は確認されていない」としながらも、首都には3台の盗難車?が爆薬を積んで潜入なるニュースも流され、街の検問などは厳戒を極めた。

で、昨金曜から明日曜は国連クラブも臨時に休館という。週末でもあり、首都在住の外国人やクラブメンバーのパキスタン人には、安くアルコールも飲める国連クラブは数少ない娯楽(接待)施設だ。しかし大通りに面した国連クラブは(オバハンの中では大昔から)要注意施設の1つで、ノコノコ行ける神経が解らないと思っていた。週末だけではなく、今後はさらに注意を要するな…。



今朝の新聞では、市内に潜入した3台の爆薬積載車を警察が捕獲したとある…。 パキスタンの情報機関の巨大さは、イギリスのM16やアメリカのCIAなどに劣らないとも言われるので、ちょいとバカには出来ない存在だ…。
しかし、せっかく落ち着きかけていた市内だが、「攻撃を継続すると警告している」過激派がいることを思うと、欧米系の施設だけではなく、欧米人が集まりやすいレストランや、主要大使館近くへは近寄れないということか。

これで自衛隊がアフガンへの派兵ということになると、風刺画問題だけではなく、日本も多国籍軍の一員として、過激派からのターゲットになるということだろう。自衛隊は国防のために存在した筈なのに、年々、色々な大義名分の中、本来的な事柄とは違う方向へ行っている…

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