2008年05月

自衛隊機の派遣要請につき、「昨日、北京の日本大使館に中国政府から要請がありました」
町村官房長官の『力を入れた』言い草をTVニュースで見ながら、実に不謹慎だが「ぶふっ」と笑ってしまった。そして、パキスタン大地震の二の舞いにならなくて良かったと、その学習効果を喜んだのだが…。

パキスタン大地震の折にも自衛隊機は来て下さったが、それは、「海外派兵の実績を作りたいとする」日本政府の勇み足であった。 パキスタン政府が要請もしていないのに早々とやって来たものだから、空自はヘリコプター基地では隅に追いやられ、不遇を???かこった。
到着してから『要請をしていない』と言われ、それから慌ててパキスタン政府に泣きつき、要請書なるものを貰ったのは3週間後の10月下旬だったと記憶する。
だからロクなオペレーションにも参加させてもらえず、自衛隊が運んだ物資は31トンきり。アメリカの運んだ物資は3600トン。自衛隊が負傷した被災者を運んだのは2桁にも行かなかった(たぶん2人きりではなかったか?) 日本から遠路はるばるC130に小型ヘリコプターを分解して運んで来て下さって、その組み立てに要した人員約150人。組み立て日数3日。約2ヶ月余りの滞在経費。何億円という支援金は無駄に使われたと、オバハンは思っている。

今回も、それに近い支援状況になりそうだから、自衛隊機が中国へ行かないことを喜こんでいる。自衛隊の海外派兵には反対だが、仮に自衛隊機が中国へ行き、そこで反日感情をむき出しにされるのも不快だ。中国へは民間機が物資を運ぶそうだが、それが良いと思う。
TVニュースのインタヴューに答えていた一中国人の、「自衛隊機が来て、誠心誠意、救助に携わるのなら良いが…」と言うコメントにはムカついた。救援に行って現場を見たなら、不真面目になんか出来る人はないだろう。まったく…言うに事欠いて…。

いよいよサマータイムの実施。ムシャラフが政権についた2001年当時、「6月からの3ヶ月間は、日照時間を有効利用するため、時計を1時間進ませる」とする、合理的な理由があったにもかかわらず、なんとなく不評判だった記憶がある…   オバハン自身には早朝から活動に異存はないが、朝起きの苦手な若者たちには不評のようだ。2週間くらい前の新聞でも報道されていたが、パキスタン人でも知っている人は、まだ少ない。

昨夕、眼科へ検診に行ったら停電中。暗い中で待っているのも嫌だし…と、近くへ買い物に出ても停電中。行く先々、あちらもこちらも停電中。暗い中での買い物には不安感が伴う。 政府は夏の3ヶ月間、商業地とショッピングプラザの閉店時間を夜9時にすると決定している。この措置によって全面的停電を避けるための地域的停電の問題を克服できるというのだが…。

また、首相官房を含む全ての政府の事務所のエアコンを朝8時から11時までの間は控える。街灯を半分だけつけ、電力開発機関(WAPDA)はネオン看板に電力を供給しないとなっている。 それ等と平行して個人を対象にした「エネルギー教育」は大事だと思うが、一般人に対するエネルギー教育は欠落しているように思える。

あっほらし~~~たまらん…
当地の新聞1面、一番目立つ最上段右角で(2段扱いではあるが)オサマ・ビン・ラディンの写真入り記事。ドバイ発、アラビア語のTV放送によると、逃走中のオサマ・ビン・ラディンは新たな攻撃を計画中と。
まぁ、ここまでは何時ものことで、「またぁ~…いい加減なことを…。でも一応は注意すべき事柄!」と、言って済ませられるのだが。

今回はよりによって、パキスタンの北方部族地域(それ、どこのこと?と言いたいような地域名)のK2にオサマ・ビン・ラディンが潜んでいるだと。あっほらし~、ありえん。
なのに、この記事を受け、アメリカ・ミリタリーなどの要請で、今後のオペレーション方策を考えるためにパキスタンの観光省では本日、今から会議だというから、たまらぁ~ん…。
パキスタンには今月からボツボツ登山隊が入り初めている。治安悪化の評判に、登山隊数は例年の半分しかないが、それで生活をしている北方地域の人は多い。あり得ない話をでっち上げ混乱させるのは止めて欲しい。

オサマ・ビン・ラディンやアルカイダはアチコチへ出没させず、せいぜい北西辺境州かアフガンだけに潜ませておいて欲しい(現地の人にはご迷惑だと思いますが…)。北方地域、K2付近を知っている者なら、アメリカの言い草はお笑いにもならない。根も葉もない話、恐怖を煽るだけの話は、もう充分だ!

アフガニスタンでは東部や南部など、タリバーン支配力の強い地方では、タリバーンの脅迫により学校閉鎖が相次いでいるとの報道。
首都カーブルから南へ1時間半ばかりのガズニ州では、すでに50ヶ所以上がタリバーンの襲撃や脅迫によって閉鎖に追い込まれているという。首都から100km余しか離れていないガズニ州でのことを思えば、アフガン政府の無策、無力がわかろうというものだ。それは、とりもなおさずアメリカの無策、無力ぶりをさらけ出しているとも言える。

中国の大地震は予想していた通り、被害が拡大するばかりだ。たまたま、地震直後に中国にいる知り合いとチャットをしていた。知り合いの奥さんは成都にいて、本人は単身で上海だかにいるのだが、M7,8の地震がどれだけの規模かも想像できず、「ウチのは大丈夫だった、たいしたことは無かった」と呑気なものだった。 「いやぁ~これから被害が広がるよ、その規模だと大変なことになるから」とチャットをしたが、上海では実感はなかったようだ。

どの災害も自分自身が体験してみないと理解の範疇を超える。事実、パキスタン大地震の時、当地にいなかった息子も同じ反応をした。海外からパキスタンへ帰って来て、現地へ応援に入って初めて、その悲惨さに肝を潰した。  大火事に向かって、バケツ一杯の水をかけるような作業だと…。でも、やるしかないと決め、地震直後からの1ヶ月間は、睡眠不足を押してオバハンたちも頑張ったが、如何ほどの支援ができたろう…。

四川の地震規模はM8とのこと。パキスタン地震と重ね合わせては被災者の悲惨な状況を思い起こし、暗澹となる。四川地震での死者・行方不明は7万人を超え、今なお5200人以上が生き埋めのままだという。これから夏に向かい2次災害の恐怖も大きい。中国は人口が大きいだけに、被害も爆発的だろう…。 最近では暗いニュースを見る気にもならない…。

四川省には原発の他にも、核利用研究所や核弾頭製造工場もあるというではないか。当初、中国政府は「核施設には部隊を派遣して厳格な保護下だから安全」だと言っていたが、事実はどうも違うらしい… 

地球は地震活動期に入り、悲鳴を上げている。日本もオバハンの暮らすパキスタンでも天災への備えを常からしておくべきだと思うが、昨今の食料品不足、値上がりでは数年前のような備蓄もままならない。いや、明日からせめて備蓄だけでも心がけねば(従業員の食料確保はオバハンの責任)。

出た~ やっぱり~
先の14日、部族支配地域で10人以上が死亡した米軍によるとみられるミサイル攻撃の「報復だ」とする犯行声明が、タリバーンによって出された。報復しても家族を亡くした悲しみは癒えないだろうが、地域の「男」としての評価は下がらなかっただろう…
アメリカによる無人機からの攻撃翌日、現地の沸騰ぶりを(新聞などで)みる限りは、報復間違いナシと思わされるものがあった。たぶん、まだもう少し続くだろうな…たまらん。

一昨日はイスラマバードから3時間ばかりのマルダンで大きな自爆テロがあったと、TVで延々とニュースを流していた。死亡者が1名、2名、5名と増え続け、いやぁ~な気分になっていたら、今朝の新聞では13名にも増え、犠牲者の中には軍関係者も多いと。
その記事の横ではブッシュと話をしているギラニ首相の写真が載っている。TVニュースではブッシュが延々と話し(何を話しているのかは不明)、ギラニは暗い顔をして軽くうなづいているだけだが…。
1時間余に及ぶブッシュとの話し合いは、パキスタンにとっては建設的なことにはならなかったとか。

ブッシュはテロリストとの話し合いに応じることはない、テロリストの要望(人質解放など)にも応じないとする強硬姿勢だが、ギラニ首相(現政権)は話し合いを重視するようだ。苦渋の思いでブッシュとの会談に臨んでいたのだろう。

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