2007年09月

27日は、大統領選挙に20人ばかりが立候補の届出を完了。
昨28日は最高裁によってムシャラフの立候補が「認められ」、きょうは選挙管理委員会によって候補者の審査が終了。ムシャラフの立候補も正式に受け付けられた…… 
最高裁判決は「兼務を禁じる憲法条項は国会によって07年末まで停止されている」ということらしい。憲法改正や特別法などによって、憲法の規定は停止状態にあるとの最高裁判断だが、何のことかオバハンにはサッパリ解らん… ようは、ムシャラフ側に取り込まれたということだ。
例の最高裁判事のチョードリー氏は、「私とムシャラフの間には、個人的な確執があるから」として、最高裁での判決に加わらなかった。賢いというか、うまく立ち回ったというか、ズルイというか… 判断の難しいところだが、ムシャラフの再選が固いと見られるところから、摩擦を避けるための処世術だと、巷では鼻でせせら笑う人もある…

ムシャラフは当選後、参謀長職を辞職すると表明しているが、今までの「脱ぐ」「脱がない」を延々と聞かされて来た国民からすれば、どこまでが本当かという疑念が捨てきれない。
さぁ、後はパキスタン人民党(PPP)を率いるブット元首相がどう出るのか。PPPは嵐の目になり得るパワーを備えていると見る人は多い。

きょうは午前10時頃から選管による立候補者の審査結果が次々と発表され、それにつれて怒号と投石。ただ、ムシャラフに反対する野党側の足並みはまったく揃っていなくて、各グループ毎に違う方向を向いて警察官ともみ合い衝突。一般警察官の他に治安警護と称する真っ白な民族服に身を固めた一団(初めて見た)、アンチ・テロリズム警察官までが出動して混乱の開始… 
カメラを持った報道関係者が警官の持つ長い棒で殴られ、頭を割られて血を流す人がアチコチに見られ、その頃から報道規制、TVの生中継はすべてストップ。
日パInternational旅行社からは、前の道路で催涙弾が撃たれガスが飛び交っているとの電話。自宅にいても救急車とパトカーのサイレンが約5時間ひっきりなしに聞こえた。
大統領官邸前大通りでは一時、火の手も上がったというが…これは確認していない。

やっぱり荒れそうだわ…

パキスタンの憲法では、公職兼任者(陸軍参謀長)の大統領選への立候補を禁じているにもかかわらず、午後2時43分、最高裁判所はムシャラフの立候補を許可。
制服を着たまま選挙に立つのは「合憲」ではない。しかし、最高裁は立候補を「認める」というあやふやな決定をした……

もう、きょうは最高裁の決定は出ないのではないか?と、多くの人々がヤキモキする中で、金曜礼拝が終わって、人々が三々五々マスジッドから帰宅した時間帯を狙った最高裁の作戦とでも、言えばいいのかな…  実に苦肉の策というところ。
ピカピカ青空の下、最高裁前に集まった人々の反応は、怒号もなく思ったより静かだったな。

これでムシャラフの大統領再選は決まったも同然。
どうぞ静かな大統領選挙になりますように…

パキスタン大統領選挙の立候補者受け付けが、きょう締め切られ、ムシャラフ他、20人もの人が立候補したと。海外に亡命中のブット元首相のパキスタン人民党(PPP)からはファヒム副総裁が立候補。反ムシャラフ派の弁護士団体もアフマド元最高裁判事を立てたというが、一部には「これは出来レースで、あたかも公平に見せるために仕組まれているだけだ」という冷めた見方もあるようだ。

今月10日、入国を拒否されたシャリフ元首相の政党は、独自候補を出さなかった。一度、「キャイン~」と鳴いたら、やっぱりお終いだな。あのまま収監されてもいいからと根性を入れ、パキスタンへ残っていたなら支持者も燃えただろうに…

結局、本日は最高裁の決定は出ず、またまた明日に持ち越された。
最高裁も気軽に決定が出せないと、苦慮しているようだ… 最高裁が「合憲」と判断すれば国内はミヤンマー並みに荒れる可能性もある。というのも、この数年で生活格差は広がり汚職は増え、親米路線を取る現政権にイスラーム政党などが大反発するのは必須だから…

きょうも地方からの抗議者が首都に入れないようにと、幹線道路や首都内の主な道路は朝から午後2時頃まで全面的に封鎖。
事務所のスタッフたちの半分は首都に入れず欠勤。明日の金曜日はどうなることか…
こんな(道路封鎖が)大統領選挙の10月6日頃まで、さらにはその後々まで続くのなら、経済活動にも大きな影響が出る…

先週ムシャラフは、大統領に再選されたなら陸軍参謀長の制服を脱ぐと表明。選管が立候補を受けず、大統領になれないのなら制服を脱がない…なんて、まるで駄々っ子じゃんか…

パキスタンの憲法では、公職兼任者(陸軍参謀長)の大統領選への立候補を禁じている。陸軍参謀長を兼務したままで選挙に臨むムシャラフ大統領に対し、野党を初め国民の多くも先々月から一様に反発。
最高裁は24日、その立候補資格を審理。
しかし24日は「パキスタンの歴史が変わるかもしれない」とまで言われたにもかかわらず、TVも大きくは取り上げなかったし、新聞も翌日の報道は1段ベタ記事のみ。

だが立候補の締め切りは明日、きょうには最高裁判断が下るとみられている。ムシャラフは立候補を阻止された場合に「非常事態宣言」を出すとの見方が早くから出ている。
反対に、ムシャラフ側に有利な判決が出た場合は、パキスタン各地にある裁判所前では、抗議行動が起きるのは必須。報道関係者たちも海外からイスラマに到着し出した。

実は23日夜中、幌をかけた軍用トラックが大統領府方面へ連なって向かった。25未明に軍用トラックは反対方向へ戻っている。ラール・マスジッド事件の折も、住人の少ないわが家前の道路は「ややこしい物資」を積んだ大型トラックが何日間も数珠繋ぎになった… 大通りから離れた住宅街の道路は国民の盲点なのか、昨夜も遅くまで重車輌の音が響いていた…

さきほど最高裁前、大統領府付近をぐるりと車で走って来たら、青色制服の警官たち大勢がノンビリと芝生に腰を下ろし待機しているだけだった。しかし軍からは騎馬隊も送り出されて来ているようで、何頭もの軍馬が木陰に繋がれている。
5月12日のカラチ事件と同様、場合によったら軍の介入も考えているムシャラフ、今週末のイスラマバードは大きく要注意モード。

ただいまぁ~~~ 思ったより早くギルギットから帰って来られました!
少し前まではギルギットまで有視界飛行、ナンガパルバット(標高8126m)横に雲が出ればフライトは不可。
今回はC-130(軍用機)でギルギット行きか? 何で飛ぶのか??と考えていたが、今までの双発機とは異なり、新しく導入されたのはATR-42機種。
鋭角的なプロペラの羽が6枚、シャープな感じの双発機「ほ~~っ」と思わず見とれたね。
ATR-42はエンジン音も軽やかに急加速、短距離でグイと飛び上がり、着地もヒラリと降りた途端に逆噴射急ブレーキ、少々の雨風にも負けずに飛ぶと地元でも好評。おかげで、オバハンも予定していた日数(フライト待ち)は大幅短縮。
大昔からギルギット行きのPIA(パキスタン航空)は、お天気フライト。Pパハップス(たぶん) I インシャラー(神の御心のままに) A エアライン(飛ぶでしょう)と巷では言われたものだが、ATR-42で汚名??が少し返上出来るのかも。

古来よりシルクロード要衝の地ギルギット、昔は駱駝やラバで大陸分水嶺を徒歩で越え、中国からの物産、インド平原(パンジャーブ)からの物資が集散し賑わっていた彼の地。今では大型のトラックが4700mのクンジェラブ峠を連なって越え、膨大な物量が中国から流れ込んでいるギルギット。
オバハンが初めてギルギットヘ飛んで33年、当時は大振動のボロ双発機で(つい最近までも)今にもバラけそうだった。ギルギットもカラコルム山中のひなびたオアシスだったが、今では植林や灌漑設備によってオアシス面積は当時より確実に10倍以上に増え、人口もそれにつれて増えた。
中国物産を買い付ける商人たちの宿は中級ホテルに様変わりしたし、ネット・カフェも数年前から出来ている。痩せてボロをまとい、裸足で街を歩く人も皆無になった。

ギルギットに女性のためのセンターを作ろう、乳幼児の死亡率を下げようと計画して33年。今では乳幼児の死亡率を下げることもだが、生活習慣病の指導にも力を入れなくてはならなくなった。オバハンがパキスタンで孤軍奮闘している間に、時代は大きく変わってしまったわ… 
でも、諦めずに執念深いところがオバハンの取り柄で、長年の間には支援して下さる方もあって、ギルギットで女性のためのセンター(初等母子保健、栄養指導、識字や縫製教室などなど)が本格的に稼動。
11月には女性たちの作った子供服や刺繍のベッド・カバーなど等作品展も出来そうだ。縫製教室からは、これまでに500人以上が巣立っているし、そのうちの12人が仕立て屋の看板を上げているというから嬉しいではないか! 
オバハンたちNWA(日パ・ウエルフェアー・アソシエーション)は、女性の自立に僅かでも手助けが出来て幸せだと思っている… 
ただいま、NWAを応援してくださる人を募集中!

http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nippagrp/pakistan.htm

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