2008年09月

平安を保ちながら過ごさねばならない断食月にもかかわらず、先月末からアフガンとの国境沿いでは反政府武装勢力との戦闘が激しい。ムシャラフから変わった新政権が、アメリカ様への忠節を示す戦闘ともいえる。ここのところ、ザッと新聞を流し読みするだけでも戦闘による死者は凄い。

1ヶ月以上も前に、アメリカはアフガンとパキスタンの国境沿いで絨毯爆撃を予定していると報道されていたが、その通りのようだ。 アフガン駐留の米軍特殊部隊が侵入、地上戦を行ったことが先般も明らかになっていたが、武装ヘリ4機に特殊部隊員を乗せてパキスタン側に越境、ここ1週間で米空軍によるミサイル攻撃だけでも5地域もある(5発のミサイルではない、5ヶ所で数回ものミサイル攻撃だ)。 おまけに特殊部隊員が(パキスタン政府の正式な許可もなしに)地上に降り、オペレーションに加わったというではないか。

昨日は陸軍参謀総長キヤニ、そしてザルダリも「他国軍の越境は断じて認めない」と声明を出していたが、国内向けのポーズにしかないのだろうか??
新聞によって若干の人数差はあるが、1日2~3ヶ所で相当数が亡くなっている。手元に残っている新聞の大きな見出し分だけを事務所の者に数えさせてみた。異常だとしか言いようが状況だ。

9月3日スワット死亡10人、 4日ワジリスタン20人死亡35人負傷、 同日スワット36人死亡42人負傷、  5、6日の新聞手元にナシ。 7日ペシャワール36人死亡100人負傷、 8日スワット16人死亡26人負傷、 9日ワジリスタン22人死亡20人負傷、 10日の新聞手元にナシ、 11日スワット35人死亡7人負傷、 同日バジョール死亡36人、 12日バジョール40人死亡10人負傷、ワジリスタン死亡12人10負傷、 13日ワジリスタン12人死亡14負傷  同日バジョール85人死亡14人死亡。その死傷者の半数以上は民間人、女や子どもも多い。
この戦闘によって、これらの地域からの避難民はすでに10万人に達しているという。 想うだに、この反動は恐ろしい。

とうとう大統領にまで登りつめた、ブット元首相の夫ザルダリ。大統領就任式は選挙直後という話だったが、
結局は昨日だった。大統領就任証に記名する時のザルダリ、ニンマリ~~~と緩みきった横顔だった…

ーーーーーーいま、パキスタンで流行っている??笑話ーーーーーー
パキスタンの、とある町に住む男がバザールで古いランプを見つけて来ました。
汚く煤ぼけたランプを掃除しようとして、布で磨いていると… モワモワ~~ンと煙が立ち昇り、
中からランプの精 ジン(魔神)が表れました。
「ご主人様、おん前に~~ 何なりとご命令を~~~」
「わぁお~ 驚いたゾ~。なになに? お前はワシの命令を聞くというのか?」
「はい、何なりと~~」
「では、天国へ行くための、簡単な祈りの言葉を教えろ~」
「ご主人様、それはアッラー(神)の御心で…」
「ダメか、それならばどんな悪事をしても、妻に見つからぬという祈りの言葉を…」
「ご主人様、天国への道路を造る方が簡単です… 普通のアスファルトの道路で? それとも
高速道路の建設をお望みで?」

何日間かして男はランプを布で擦り、再びランプの精を呼び出した。
「ご主人様、おん前に~ 何なりとご命令を~~」
「うん、ワシは改めてお前に命令する。パキスタン中の金をワシの蔵に運びこめ」
「ご主人様、私は単なるランプの精 ジン(魔神)でございます。ザルダリではありませぬ…」

「ムシャラフの倍は悪い…」多くの国民の声らしい。
しかし、パキスタンをこよなく愛する友人の一人は、「そりゃぁ、ムシャラフに対して失礼だろう…」と。 言われてみれば確かにそうだ、ザルダリはムシャラフの数倍は悪いかもしれない。  ムシャラフも大統領就任から3年ほどで賄賂の旨味、支援金のピンハネが凄くなったと言われていた。しかしザルダリは… さらに、その上を行くだろう。
多大の経済・食料・軍事援助の大半は音をたてザルダリの懐へ流れ込む可能性が捨てきれない…  国民やパキスタンそのものに対する支援の多くは、ザルダリによって末端まで届くことが少ないだろう。
きょうのオバハン・ブログへのコメントに、「多大の経済と食料を援助されるのはPPPだけだったりして....。」というのがあったが、PPPにすらも行かないのが現実だろう。それほど、ザルダリ大統領には期待が持てないということだ。反対に、ヤクザの上納システムと同様に、ザルダリへは上納金を納めねばならないのがPPPだという…。

総選挙で国民に選ばれた議員の大半がザルダリ大統領の誕生に1票を投じた。大統領選挙の風景をTVは克明に映していた。ザルダリの腰ぎんちゃくの中には、誰がザルダリ大統領誕生のその時に拍手をしたか、しなかったか。歓迎したか、しなかったかの報告を上げていることだろう。町中でも国民の多くは「オカシイ」と思っている。思っているが、怖くて新大統領の誕生に表立っての反対などは言えない。オバハンも、これ以上、書くのを控えよう…

某紙報道記者が、「ザルダリが大統領では世界に恥ずかし過ぎる。パキスタンが大好きで大好きなオバハンが、ボクは可哀想で可哀想で…」って。思わず涙が落ちそうになったな…
TVでは風ではためくパキスタンの大国旗をバックに、ザルダリがニッカリ(ニッコリではない)歯を見せて笑っているPPPのコマーシャルが賑やかに流れ出した。う~~う、情けない…



核、拡散防止条約に加盟していないインドへ核燃料や原子力技術を提供することについては、国際社会から懸念の声が出ていた。  しかし、原子力供給グループ(45ヶ国)は、インドに対する核の禁輸措置を「例外的に解除する」というアメリカの提案を承認だって…。  米印原子力協定は発効に向けて前進し、あとは米議会での承認が残るだけとなったと報道されている。
イランからインドへの天然ガス供給といい、核燃料の供給といい、インドはさらなる大国への道を堅実に歩みつつあるというのに。 パキスタンの近未来は暗黒だ…

秋晴れのセカンド・サマーが来ず、9月に入って1週間もたつというのに、まだ雲の多い日が続いている。 通年より遅いモンスーン明けらしい雨に一昨日からなったが、秋から冬への変わり目かと思える冷え冷えとした雨になり、暑さに慣れた身体には肌寒い。ザルダリが大統領になったことを雨までが知っているのか? 
国民の多くは「ザルダリはムシャラフ大統領の倍は悪い」と、顔をしかめる。

かってのパキスタンでは首相が政治の実権を持ち、大統領は象徴的存在だった。 しかしムシャラフが大統領になって憲法を改正。大統領に強大な権限を集中させた。首相解任権のほか陸軍参謀長、最高裁長官の指名・解任権、国会下院解散権など。
ムシャラフ辞任までは、この大統領権限を従来のものに戻そうとする働きが上院、下院で大きかったのに、ザルダリは自分が大統領になってしまったら、大統領権限をそのままにしておくと宣言。

ここのところギラニ首相の顔が険しい。民主主義を理解し、常に人民のためにと考える(考えて来た)ギラニだから、PPPがその地位確率のためにとはいえ、大統領の権限をそのままにしておくとか、独裁的な方向へ走っている今の状況には憂いが深いのか。
逼迫した経済、そして国民のために多大の経済・食料援助をアメリカから得る見返りに、ブッシュの言う対テロ戦争に全面的に協力することになってしまったパキスタン。背に腹は変えられないとは言え、国を率いるギラニにとっては辛いことだろう。

新聞の報道を毎朝ザッと見るだけでも、各地の戦闘や自爆テロでは毎日、数10人~100人近くもが(北西辺境州で)亡くなっている。 断食月間にもかかわらず、この激しさなら、断食明けの10月になれば、どんなに酷くなるのだろうか。 アメリカの特殊部隊までが入り込み、毎日の戦闘報道と共に反米、反政府感情は増して行く。

まったくなぁ… 何時ものこととは言え、アフガン政府の「言い草」にはアタマに来るなぁ~   他に何ぞ、良い「言い草」はないものか… 先月末の日本人、拉致・殺害事件でアフガン政府は、「パキスタン軍、情報機関 ISIが事件の黒幕だ」と言い、正式に発表した。アフガン国内でのテロを初めとする不都合な出来事のすべては、常にパキスタン政府が後ろで糸を引いているとアフガン政府は言う。
せめて一つでも良いから、事件やテロについての根拠をあげれば、オバハンも理解がし易いというものだが、根拠を示すことはなく、単に「パキスタン情報機関が…」などと言うだけでは…  しかし、さすがに世界中の報道関係者も(一部ではあっても)、「アフガン政府の言い分はチト、おかしい!」と思うようになったようだ。

アフガンにロシアが侵攻、その後、内戦に至って難民が出たとき、パキスタンにはアフガン国民の3分の1にも及ぶ500万人からのアフガン人が逃れて来た。以来、20数年にわたって、黙って彼らを受け入れて来たパキスタンに向かってなんという態度か… パキスタンでの難民生活は、居心地が良かったとは言いかねたかもしれない。しかし、難民の多くは同じ民族(パシュトーン族)だからと、居場所だけは提供したと思うのだが。
もっとも、居場所を提供してもらったことを「恩」と感じず、むしろ難民になったことでコンプレックスを感じ、感謝をするどころか反発を感じたり、逆恨みをしたアフガン人も多かったようだが。もっとも、この類の人間が日本にも居ることを思えば、さほど不思議ではないのかも。
しかし、ここまで何もかもをパキスタン政府のせいにして来ると、そのいじましさが目立つ。

毎日新聞が、「NDS(アフガン国家保安局)は4月のカルザイ大統領暗殺未遂事件や、7月にインド大使館付近で起きた自爆テロについても、ISI(パキスタン軍情報機関)の犯行」とした。真相は不明だが、「カルザイ政権はカブールすら統治できていない」との批判が国際社会で高まる中、治安悪化の責任をパキスタンに転嫁するために、ISI関与を強く主張している面が否めない。という記事を読んで、さもありなんと、納得しているオバハンだ。



パキスタン大統領選挙はただ今、終了。 予想通りブット元首相の夫ザルダリが67%の票を得て当選。今回の選挙から1票の格差を無くすと言う画期的な方法が取り入れられた。 当選と同時に近所では祝砲のつもりらしい銃砲音数発が2度。PPPのイスラマバード事務所が通り1本を挟んであるせいか!?
今から、大統領としての「宣誓」が取り行われる。 傍聴席の真ん中、最前席にはブット元首相の遺影を抱き、PPPの旗を持つザルダリの娘2人が陣取り、大統領選挙の行方を終始見守っていた。

昨年末、暗殺されたブット元首相に、「サンルーフから顔を出して手を振って」と、電話をかけた娘だ。そしてサンルーフから顔を出し手を振った直後に撃たれた…  ブットの娘はザルダリに言われて電話をかけたという。 そして、それをザルダリも認めているというから、世間では、「やはり…暗殺の後ろには…」という憶測を呼ぶことになった電話だ。そのザルダリが大統領。

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