シトシト静かに降る雨のせいだけではなく、走る車輌も少なくて土日は実に静かだ。後期高齢者の今となっては仕事など皆無に近いのだが、それでも平日は事務所からの用事でスタッフが家にやって来るのではないかと心が落ち着かない。
静か過ぎる日曜日、屋上で降っているか降っていないか定かではない雨に濡れながらゆっくりとコーヒーを飲む。目の前に広がる樹木は連日の雨で緑色の濃淡が鮮やかになり、3km離れたマルガラ丘陵までの前景をなしている。コーヒーカップの向こう、低い雨雲に煙るマルガラ丘陵は半ばまでが霞み、墨絵を見るようだ。夏の2ヶ月間は子どもたちが海外(大半は東京)で、毎日の賄いには頭を使う必要もなく、ただいまボケまっしぐら状態。
例年ならば誰にも邪魔をされない静かで至福のひと時だが、5ヶ月前に愛犬のハナビちゃんを失くし家中の静けさがこたえる夏となった。ハナビちゃんは小型犬だったが今いる犬たちの4倍も5倍もの存在感があったとシミジミ思う。オバハンの話す言葉の1つ1つ、ゼスチャーを理解する頭と、それに対する反応の良さ。食いしん坊で甘え上手で勝気で、自分の縄張りに対する意識の高さ、意地悪さ。ハナビちゃんのいない夏がこんなにも淋しいものとは想像も出来なかった。活動的で甘えん坊のハナビちゃんがいないと、他の犬たちも動きが悪い。競って甘えてくれないしオバハンに付いて歩くにも以前のような溌剌さが見られない。
7月も下旬になって子どもたちが日本から帰って来るのも近い、5人も帰ってくれば一気に賑やかになり賄いに追われる日々とはなるのだが・・今は、孤独ってこんな気分を言うのかもと、感傷に浸っている。